自 衛 隊 百 科
月放送内容)


テ-マ:陸上自衛隊と防衛局について


パーソナリティー:

 本日は東北防衛局で、総合調整官として勤務している菅野(かんの)3佐からお話をお伺いいたします。よろしくお願いします。

総合調整官:

 はじめまして。菅野です。よろしくお願いします。


パーソナリティー:
 東北防衛局へはいつからお勤めですか。

総合調整官:

 はい。平成27年の8月に、宮城県仙台市にあります陸上自衛隊東北方面総監部から東北防衛局へ異動し、総合調整官として勤務しています。

パーソナリティー:
 菅野総合調整官のお勤めしている部署は、どのような所ですか。

総合調整官:

 東北防衛局には、総務部、企画部、調達部があります。私の勤務しているところは、調達部という部署になります。調達部には、建設に関わる計画・調整などを担当する調達計画課、建設の専門分野として建築課、土木工事を担当する土木課や電気・機械・通信を担当する設備課の4つの課があります。
 調達部に勤務している職員のほとんどが防衛技官で、建築、土木、電気、機械、通信などの専門の知識をもった職員が勤務している部署になっています。

パーソナリティー:
 それでは、調達部はどのような事をしているところなんでしょうか。

総合調整官:
 調達部は、東北6県に所在する陸海空の自衛隊をはじめ、防衛省付属機関の防衛装備庁や在日米軍が使用する「防衛施設の建設」を担当しております。飛行場、港湾施設、病院、庁舎、隊舎などの建築、土木、電気・機械及び通信に関する調査・設計及び工事等の発注・監督・検査を行っています。
 調達部の業務は、部隊活動の基盤となる施設の建設であり、重要な業務ですし、建物などの形となって残る仕事でもあり、とてもやり甲斐のある仕事ができる部署なんです。

パーソナリティー:
 では、総合調整官とは、どのようなお仕事をしているのですか。

総合調整官:
  私は、東北6県に所在する、陸上自衛隊の駐屯地や演習場などの施設の建設工事について、使用する部隊側からの要望の取りまとめや、部隊側への連絡、確認などの調整業務をしています。
 東北防衛局で勤務をする前は、東日本大震災後の、平成23年4月から東北方面総監部で勤務し、東北方面隊にある防衛施設の建設の業務に関わっていました。今とは立場が反対で、防衛局との業務調整の窓口として、使用する部隊側の立場から、防衛局と調整をしていました。
 当時は、多賀城駐屯地の津波により被害を受けた施設や仙台駐屯地、霞目駐屯地では地震により被害を受けた庁舎、倉庫など、多数の被害を受けた施設がありました。そのときは、東北防衛局から、技術支援を受けて、復旧に向けた準備を進めることができました。
 今では、立派な庁舎や倉庫が建設され、部隊の活動に役立っています。
 そのときの経験を活かして、防衛局と部隊との間に立ち、部隊の活動の基盤として、よりよい施設を部隊へ供用できるように、業務をしています。

パーソナリティー:
 自衛官でも、建設のお仕事もするんですね。

総合調整官:
 そうなんです。陸上自衛隊の中で、建設業務は、施設科の職種の業務の一つになっていて、ほかの職種には無い業務なんです。

パーソナリティー:
 職種のお話がありましが、職種とは、なんでしょうか。

総合調整官:
 それでは、陸上自衛隊の職種について簡単に紹介したいと思います。陸上自衛隊には、普通科、機甲科、特科、情報科、航空科、施設科などの15の職種があります。
 地上戦闘の骨幹となる部隊を普通科といい、戦車の部隊を機甲科といいます。災害派遣などのニュースで自衛隊のお風呂を見たことがあると思いますが。

パーソナリティー:
 はい、見たことあります。

総合調整官:
  あのお風呂は、野外入浴セットと言いまして、需品科職種の部隊が持っていて、お風呂の設営、運営をしています。 
 また、私たち陸上自衛官の給与や物品の調達などは、会計科の仕事になっています。
 その外に、通信科、武器科、輸送科、化学科、警務科、衛生科、音楽科があります。
陸上自衛隊は、それぞれの職種の特性を発揮しつつ、様々な組合せにより、各種事態に柔軟に対処できるようになっています。
 陸上自衛官が着ている制服の襟には、職種徽章が付いていて、職種によってデザインが違います。
 陸上自衛隊ホームページで、職種や装備品などの紹介をしていますので、ご覧になってみてください。

パーソナリティー:
 菅野総合調整官の職種は施設科ということですが、施設科職種について、お話をしていただけますか。

総合調整官:
 それでは、施設科の職種の話をさせていただきます。
 施設科の職種は、主に、射撃のためや敵からの攻撃から守るための陣地を作ったり、敵の行動を制限するために障害を作ったり、その反対に障害を除去したり、また、道路を作ったり、河川に橋を架けたりして、戦闘部隊を支援することや建物などの施設の維持・補修や建築などの建設業務などもしています。 
 また、国際平和協力維持活動として、平成4年からのカンボジアでの活動をはじめ、東ティモール、ハイチや南スーダンなどでの土木工事を主体として活動しているのも施設科です。
 東日本大震災での災害派遣では、南三陸町や東松島市などで、地震や津波で壊れた橋の代わりに、施設科部隊が持っている装備品で橋を架けて、交通路を確保し、住民の避難や復旧などのために使用されました。
 その他にも、部外土木工事といわれる工事をしています。自衛隊が地方公共団体などからの申し出を受けて、自衛隊の訓練に適合するなどの条件が合えば、自衛隊が工事を受託して、土木工事をするというものです。
 山形県と宮城県の境界にある蔵王エコーラインや山形県と秋田県の境界にある鳥海山ブルーラインなどは、施設科の部隊が、山を切り開き道路を作っています。
鳥海山ブルーラインには、記念碑が建ててありますで、行った際は、ご覧になって見て下さい。
 東北の施設科部隊だけでなく、日本全国で、施設科部隊が道路を作ったり、学校の敷地の造成をしたりしています。
 私も、福島県二本松市で小学校の敷地造成工事など3件の工事に参加した経験があります。

パーソナリティー:
 施設科って、いろんなことをするんですね。


総合調整官:
 そうですね。今日の話を聞いて、東北防衛局や陸上自衛隊に興味を持っていただければうれしいですね。

パーソナリティー:
 はい、ありがとうございます。本日は、東北防衛局で総合調整官として勤務している菅野3佐から、お話をお伺いました。どうもありがとうございました。

総合調整官:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。




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