防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(7月放送内容)



 

テ−マ:沖縄の負担軽減について

 
 

パーソナリティー:
 それでは本日も、東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい、よろしくお願いします。
 今日は、沖縄の負担軽減についてお話したいと思います。

パーソナリティー:
 よろしくお願いします。

局長:
 はい、沖縄は、南西諸島のほぼ中央にあり、また、わが国の海上交通路に隣接しているなど、わが国の安全保障上、極めて重要な位置にあります。
 一方、沖縄県内には、飛行場、演習場など多くの米軍施設が所在しており、全国の米軍専用施設の約70%が沖縄に集中し、県の面積の約8%を占めています。このため、沖縄における負担の軽減については、政府としての最優先課題となっています。

パーソナリティー:
 今まで、どのような負担軽減の施策が行われて来たのでしょうか。

局長:
 はい、平成2年には、日米政府は、地元の要望の強い事案を中心に土地の返還手続を進めることに合意し、その後、負担は国民全体で分かち合うべきであるとの考えのもと、日米間に「沖縄に関する特別行動委員会」を設置し、平成8年には、いわゆるSACO最終報告が取りまとめられました。
 平成18年には、SACOの取り組みに加えて、土地の返還や部隊配置の見直しを含む在日米軍再編の施策を実施する「再編実施のための日米ロードマップ」を取りまとめました。
 現在、これらの報告等に基づき、土地の返還や部隊の移転、訓練の国外や県外への分散に取り組んでいます。

パーソナリティー:
 「負担を国民全体で分かち合う」というお話がありましたが、東北防衛局管内に関する取り組みもありますか。

局長:
 はい、あります。
 SACO最終報告により、従前は、沖縄本島中部にあるキャンプ・ハンセンという米軍施設において、沖縄本島の東海岸と西海岸を結ぶ主要な道路である沖縄県道104号線を跨ぐ形で行われていた、米海兵隊の射撃訓練を本土へ移転して実施することが合意され、北海道矢臼別、宮城県王城寺原、山梨県北富士、静岡県東富士、大分県日出生台の5つの自衛隊演習場に分散して移転訓練が実施されています。

パーソナリティー:
 最近も王城寺原演習場で移転訓練があったのですか。

局長:
 はい、今年の5月25日から6月11日までの間、米海兵隊による射撃訓練の移転訓練が実施されました。王城寺原演習場での移転訓練は、平成9年から実施され、今回で15回目になりました。
 地元の不安や負担を解消・軽減するため、東北防衛局は、地元自治体等に対して、事前の説明や調整を行い、事件・事故がないよう万全を期すこと及び適時・適確な情報提供を行う旨をお伝えし、ご理解を得ているところです。
 また、訓練期間中は、王城寺原演習場内に「現地連絡本部」を設置し、地元自治体等への情報提供、連絡調整、演習場周辺の巡回などを行い、地元住民の安全を図るとともに、不安感を払拭するための活動を24時間体制で行っています。

パーソナリティー:
 地元の了解を丁寧に取り付けた上で、訓練を実施しているのですね。

局長:
 はい、一方、海兵隊においても、王城寺原演習場周辺町村長への表敬を行い、直接、指揮官から、安全に配慮した訓練を実施すること、的確な情報提供を行うことなどを説明しています。
 また、地元住民の方々などを対象とした訓練見学会も実施しています。海兵隊からの説明を受けた後、実際に155o榴弾砲、射撃指揮所、小銃等の装備品をご覧いただき、最後に155o榴弾砲の実弾射撃を見学しました。実際の訓練を見学していただくことにより、安全の確認と不安感の解消に繋がるよい機会となったと思います。
 更には、訓練後は、地域への貢献や交流活動の一環として、地元の福祉施設を訪問し、ボランティア活動としてペンキ塗りや植木の剪定作業などを実施しました。また、ボランティア活動後は、海兵隊員と福祉施設の方々との交流会が行われ、ゲームや海兵隊員による歌が披露され、福祉施設の方々との交流が深められました。

パーソナリティー:
 米海兵隊の射撃訓練の移転以外にも東北防衛局管内に関係する取り組みは何かありますか。
 
局長:
 はい、あります。航空機の訓練移転がそうです。平成19年度以降、沖縄県の嘉手納飛行場等の米軍機の戦闘機戦闘訓練を青森県に所在する三沢基地に移転して実施しています。
 また、平成26年には、青森県に所在する三沢対地射爆撃場を使用した空対地射爆撃訓練も実施されています。
 これらの訓練は、嘉手納飛行場等の騒音軽減に繋がることから、沖縄の負担軽減に資するものです。

パーソナリティー:
 これらの航空機の訓練においても東北防衛局は、地元自治体等への対応を行っているのですか。

局長:
 はい。訓練期間中は、現地連絡本部を設置し、訓練に係る情報収集や関係機関への情報提供等を行い、訓練期間中の騒音測定も実施し、訓練終了後、速やかに関係機関に情報提供を実施しています。

パーソナリティー:
 沖縄県で実施されていた訓練を宮城県や青森県に移転すると、逆に宮城県や青森県の住民の方々には、負担をかける結果になっているように思うのですが。

局長:
 はい。
 そこで、これらの沖縄の負担軽減の施策にご理解・ご協力いただいている市町村に対し、国として応えるものとして、交付金を交付しています。この交付金は、建物を建設する事業だけでなく、住民生活の利便性の向上に寄与するようないわゆるソフト事業にも使用できます。


パーソナリティー:
 具体的には、どのような事業に交付金を交付しているのですか。

局長:
 はい、福祉の増進・医療の確保に関するものとして、AEDの購入や小学生の医療費助成の基金造成への交付、交通の発達・改善に関するものとして除雪車購入への交付などがあります。
 また、環境の保全に関するものとして、騒音測定器設置工事にも交付金は使用されています。

パーソナリティー:
 様々な施策を実施することによって、負担を国民全体で分かち合い、沖縄の負担軽減を図っているのですね。
 本日は、東北防衛局の深澤局長から、お話をお伺いいたしました。深澤局長、どうもありがとうございました。


局長:

 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。

 
   
  
 
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