自 衛 隊 百 科
4月放送内容)


テ-マ:防衛施設紹介シリーズ その③ 
~福島駐屯地編~


パーソナリティー:

 本日は東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。
 今日は、福島県福島市に所在する陸上自衛隊福島駐屯地についてお話したいと思います。

パーソナリティー:
 はい、よろしくお願いします。

局長:
 はい。福島駐屯地は、昭和28年11月に、開設され、幾度かの改編や移駐を経て、現在、東京ドーム約9個分の約43万㎡の敷地に、8つの部隊が所在し、約1,400名の隊員が勤務しています。
 主な部隊は、第44普通科連隊、第11施設群、駐屯地業務隊などです。

パーソナリティー:
 普通科連隊や施設群など、聞き慣れない名称なんですが、どのような業務を行っているんでしょうか。

局長:
 はい。普通科連隊は、地上での戦闘で要となる部隊であり、機動力、火力、近接戦闘能力を有し、作戦戦闘に重要な役目を果たす部隊です。
 施設群は、戦闘部隊を支援するため、各種施設器材をもって障害の構成・処理、陣地の構築、渡河、これは、川を渡ることを言うのですが、これらの作業を行うとともに、施設器材の整備を行っています。
 業務隊は、駐屯地の施設管理、隊員の給食、被服修理、診療、福利厚生などの業務を行っています。

パーソナリティー:
 自衛隊には、色々な装備があると思いますが、福島駐屯地には、どのような装備があるんでしょうか。

局長:
 はい、指揮通信車という移動指揮所として指揮管制を行うための車両や戦略機動や警戒などに使用する軽装甲機動車、敵の状況や災害現場における偵察や連絡用のオートバイ、地雷原を爆破処理することにより車両用通路を開設する地雷原処理車、掘削や盛り土、整地に使用するブルトーザーやショベルカーもあります。

パーソナリティー:
 災害現場で活躍するような装備もあるのですね。実際に、福島駐屯地からも災害派遣に行った実績はあるのですか。

局長:
  はい、あります。昨年の4月に発生した熊本地震においても、活動を実施しました。地震発生後速やかに熊本県に向けて移動を開始し、1日半で被災地に到着し、現地において行方不明者の捜索、避難所への物資輸送、炊き出し支援、給水支援、瓦礫の除去、土砂崩れの監視、道路整備などの活動を17日間、行いました。

パーソナリティー:
 発生から速やかに熊本まで移動できたのは、普段からの準備や訓練があったからこそですね。

局長:
 はい。自衛隊として災害への態勢を整えることは勿論ですが、自治体等との連携強化も重要であると考え、福島県を始めとする県内各市町村が実施する防災訓練に参加していると聞いています。
 先月、福島市において東北防衛局主催の防衛セミナーを開催しましたが、福島駐屯地司令に講師をお願いし、「福島駐屯地における災害派遣活動について」と題して、熊本地震での活動状況や自治体と連携した防災訓練についてお話をしていただきました。

パーソナリティー:
 防衛セミナーを聴講された方からは、どんな感想が聞かれましたか。

局長:
 はい、「自治体と自衛隊が連携していることが確認でき、安心した」という感想や「日頃の計画や訓練の重要性を改めて実感し、自治体と自衛隊が連携して県民の安心・安全を担っていることが理解できた」などの感想をいただきました。

パーソナリティー:
  駐屯地と地元自治体で協力して、「もしもの時」に備えているのですね。防衛セミナーにおいては、防衛局と駐屯地が協力して地域の方に防衛省・自衛隊を理解してもらう活動をしているようですが、このように防衛局と駐屯地が協力するということは、他にもあるんでしょうか。

局長:
  はい、あります。例えば、宮城県に所在する王城寺原演習場等で実施されている日米共同訓練などで協力しています。
 日米共同訓練は、自衛隊と米軍の戦術技量の向上を図り、併せて相互理解と意思の疎通を促進し、有事における共同対処行動を円滑に行うために不可欠な訓練です。
平成27年9月に行われた訓練には、福島駐屯地に所在する第44普通科連隊も参加し、米陸軍とともに指揮機関訓練、戦闘訓練などを行いました。
 訓練に際しては、当局は、地元と自衛隊とを繋ぐパイプ役として、陸上自衛隊と協力して事前に地元説明を行い、また、訓練期間中においては、現地に当局の連絡要員を派遣して24時間態勢で、地元自治体等への情報提供や米側が関係する事件・事故への対応態勢をとるなど、本訓練への支援を行いました。

パーソナリティー:
 駐屯地では、平素から県内各市町村が実施する防災訓練に参加しているとお話がありましたが、防災訓練以外で、地域の方々と交流する機会はありますか。

局長:
 はい、花見の一般開放、盆踊り大会、駐屯地記念行事で年に数回、一般の方々が自由に駐屯地内に入れるイベントを企画していると聞いています。
 また、防衛館という第二次世界大戦時の遺品等の展示や制服や携行食等の自衛隊の装備品の紹介、国際貢献活動のパネル等を展示している施設もあり、団体での事前申し込み制になっておりますが、駐屯地の見学も実施していると聞いています。

パーソナリティー:
 分かりました。ありがとうございます。
 それでは本日は、東北防衛局の深澤局長から、お話をお伺いいたしました。どうもありがとうございました。

局長:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。


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