自 衛 隊 百 科
自衛隊インビテーション
3月放送内容)


テ-マ:東北防衛局業務紹介シリーズ その④ 
装備品等の調達に関する業務


パーソナリティー:

 本日も東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。
 今日は、東北防衛局の業務紹介の4回目として、自衛隊の装備品調達における監督検査業務について、お話したいと思います。

パーソナリティー:
 よろしくお願いします。
 「装備品調達における監督検査業務」とはどういったものでしょうか。

局長:
 はい。防衛省では、陸・海・空自衛隊の任務遂行に必要な装備品、例えば、航空機、船舶、車両、火器弾薬、制服などの装備品を民間企業に発注していますが、要求どおり安全で高品質なものかどうかを判定する業務のことです。
東北防衛局においては、福島県郡山市に所在する陸上自衛隊の駐屯地内に郡山防衛事務所があり、所長を筆頭に12名の職員で、東北6県に所在する民間企業の工場で製造した装備品について、監督検査業務を行っています。
この郡山防衛事務所は、平成18年に当時の装備本部、現在は防衛装備庁ですが、その東京支部郡山事務所として発足し、平成19年に東北防衛局に移管され、現在に至っております。

パーソナリティー:
 12名で東北6県をカバーしているのですね。

局長:
 はい。東北管内約80の工場に出向き、航空機や火器弾薬から制服や缶詰という幅広い業種の監督検査を行っており、年間1,000件程実施しています。

パーソナリティー:
 もう少し具体的に業務の内容について教えてください。

局長:
 はい。郡山防衛事務所の業務は、大きくは監督と検査に分かれています。
監督業務は、装備品の製造途中で、材料の品質確保のために実施する業務で、検査業務は、装備品が完成した時に、その品質を確認するために実施する業務です。
監督や検査の方法は、装備品の種類や規模などによって、直接方式、資料方式、品質証拠方式のうちから、防衛省で指定します。

パーソナリティー:
 難しい名前の監督や検査方法ですね。

局長:
 はい。少し説明しますと、直接方式とは、製造途中において、材料や部品などの品質を確保するために、防衛事務所の職員が、直接、材料や部品などの審査や試験を実施する方法です。
資料方式とは、国の機関等が作成した品質保証資料を使って、監督や検査を行う方法です。品質保証資料の形式や記載内容が契約条項や品質要求事項と合っているかを確認します。
品質証拠方式とは、契約相手方の品質管理の実施状況を審査し、客観的な品質証拠、例えば、品質確認の要領を定めた手順書や作業記録、試験の記録などですが、これらを確認する方法です。

パーソナリティー:
 どの方式でも、「求められる品質を確保するために」という観点から実施しているのですね。

局長:
 はい。装備品は、各自衛隊が活動するためには欠かせないものですので、安全でかつ求められる性能を保持していることがとても大切になります。
また、装備品には、取り扱いに注意を要する内容が含まれていることも多く、受注業者が、適切に取り扱っているのかという監査も郡山防衛事務所では実施しています。

パーソナリティー:
 先程、船舶や航空機の調達も実施しているとのお話がありましたが、完成した際の式典に出席されることもあるのですか。

局長:
 はい。船舶の進水式に出席することもあります。
平成27年11月には、青森市で行われた海上自衛隊の支援船である油(あぶら)船(ぶね)の進水式に当時の事務所長が出席し、船体を繋いでいる支綱(しこう)と呼ばれる綱の切断を行いました。油(あぶら)船(ぶね)とは、港湾内で艦船用燃料を補給する支援船のことです。
また、平成28年2月には、宮城県気仙沼市で行われた進水式に当時の局長が出席し、テープカットを行いました。

パーソナリティー:
 進水式を終えると、郡山防衛事務所の仕事は終わりですか。

局長:
 いいえ。船舶は、進水後、艤(ぎ)装(そう)という航行に必要な設備、部品を取り付ける工事や海上での試験が行われ、その後で、実際に使用する海上自衛隊の部隊に引き渡されます。これらの過程においても、郡山防衛事務所は監督や検査を実施しています。

パーソナリティー:
 装備品調達の最初から最後まで全ての過程において、関わっているのですね。

局長:
 はい。高品質な装備品を納品させることは、各自衛隊の活動を縁の下から支えるものであり、ひいては国民の皆様の安全・安心の確保に貢献するものと考え、業務を行っています。

パーソナリティー:
 本日は、東北防衛局の深澤局長から、お話をお伺いいたしました。どうもありがとうございました。

局長:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。
 


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