自 衛 隊 百 科
12月放送内容)


テ-マ:防衛施設紹介シリーズ その① 
~神町駐屯地編~



パーソナリティー:

 本日も東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。

パーソナリティー
 本日は、山形県東根市に所在する陸上自衛隊神町駐屯地についてお話をお伺いしたいと思います。

局長:
 はい、陸上自衛隊神町駐屯地は、昭和19年に神町海軍航空隊として開隊し、終戦を迎えると、アメリカ軍が進駐し、日本に返還される昭和31年6月まで「神町キャンプ」として駐留していました。返還後の同年12月、青森にあった第20普通科連隊が移駐し、「神町駐屯地」に名を変え、現在に至っています。
 所在部隊は、山形・宮城・福島の南東北3県を統括する第6師団司令部をはじめ、第20普通科連隊、第6後方支援連隊、第6施設大隊、第6飛行隊、第6特殊武器防護隊、第6音楽隊などがあり、約2,700名が勤務しています。
 駐屯地の総面積は、約174万㎡、東京ドーム約37個分であり、日本で6番目の広さを持つ駐屯地です。勤務する庁舎、訓練場のほか自動車教習所や厚生施設、音楽隊が使用している合奏場といった施設があります。
 主な装備品としては、軽装甲機動車、NBC偵察車、野外入浴セット、救急車、機動支援橋のほか、UH-1やOH-1といったヘリコプターなどです。

パーソナリティー:
 色々な装備品があるのですね。野外入浴セットなどがあれば、災害派遣活動もできますね。

局長:
 はい、今年4月に発生した熊本地震においては、第6師団からは、延べ約1,000名の隊員が派遣され、行方不明者の捜索活動でありますとか、給食・給水支援や入浴支援などを行ったと聞いています。
 また、8月末に発生した台風10号の大雨に伴う被害においても、甚大な被害を受けた岩手県岩泉町などにヘリコプター3機などを派遣し、孤立者の捜索・救助や緊急物資の輸送などの空輸能力を遺憾なく発揮した活動を実施したと聞いています。
 この台風10号に伴う災害派遣ですが、第6飛行隊は、派遣命令を受けた当時、宮城県に所在する王城寺原演習場において日米共同訓練に参加中でしたが、速やかに災害派遣の態勢に移行し対応しました。

パーソナリティー:
 訓練中でも素早く対応してもらえるのは、心強いですね。
 神町駐屯地には、施設も色々とあるようですが、東北防衛局が建設しているのですか。

局長:
 はい、当局では、自衛隊施設等の建設工事も実施しており、神町駐屯地における最近の工事事例としては、平成24年度に、庁舎の新設、平成25年度には、装備品の保管のための保管庫を建設しています。

パーソナリティー:
 これまで局長から、防衛施設周辺地域の方々に配慮した色々な施策を実施しているというお話を伺ってきましたが、神町駐屯地周辺でもそのような施策を実施しているのですか。

局長:
 はい、実施しています。
 防衛施設周辺住民の生活や事業活動に生じる障害を和らげることを目的として実施している施策を民生安定助成事業と呼んでいますが、これは、地方公共団体等が実施する道路改修、無線放送施設、消防施設、学習等供用施設、農業用施設などの整備に助成するものです。
 最近の神町駐屯地周辺での事例としては、平成23年度に水道施設の配水池整備に助成したほか、平成25年度には消防施設の整備として化学消防ポンプ自動車購入に助成を行っています。
 また、現在は、神町駐屯地と近傍にある射撃場への移動経路となっている東根市の市道の舗装改修工事に助成をしています。この道路は、自衛隊の大型車両が頻繁に通行することによる、路面損傷等が著しく、一般車両の円滑な通行に支障が生じている状況となっています。これらを改善することにより、周辺地域の安全かつ円滑な道路交通が確保されることと思っています。

パーソナリティー:
 地域の方々と直接関わる活動には、どのようなものがありますか。

局長:
 はい、駐屯地においては、駐屯地記念日や夏祭りでの一般開放、東北最大級のマラソン大会である「さくらんぼマラソン大会」の支援やボーイスカウト大会の支援、音楽隊による定期演奏会など多数のイベントが行われていると聞いています。また、駐屯地内には、いつでも見学のできる装備品展示パークでありますとか、「防衛館」という史料館、こちらは事前予約が必要ですが、戦前の陸軍や海軍の史料、自衛隊の国際貢献活動等を展示した史料館もあります。

パーソナリティー:
 「さくらんぼマラソン大会」は、駐屯地を発着点に周辺の果樹地帯を駆け抜ける楽しい大会ですね。これらのイベントに東北防衛局も参加したりするのですか。

局長:
 はい、駐屯地記念行事においては、防衛省・自衛隊の施策を皆様に知っていただくために、政策広報紙などの配布をしたり、防衛白書のパネル展示などを実施しています。
 また、地域の方々により自衛隊の活動等を理解していただくために、防衛問題セミナーも開催しており、東根市においては、11月30日に開催しました。

パーソナリティー:
 いろいろなイベントがあって、どれに参加するか迷ってしまいますね。

局長:
 はい、地域の方々のご理解とご協力ががなければ、安定的に駐屯地を運用していくことはできません。これからも、地域の方々のより一層の理解等を得るべく、様々な情報発信を含め、地域のニーズに応えたきめ細かな対応を行って参りたいと思います。

パーソナリティー: 
 東北防衛局の深澤局長から、お話を伺いました。どうもありがとうございました。

局長:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。


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