自 衛 隊 百 科
自衛隊インビテーション
10月放送内容)


テ-マ:東北防衛局業務紹介シリーズ その①
防衛施設と周辺地域の調和を図るための業務
(障害の防止、民生の安定、交付金の交付などの補助金事業)


パーソナリティー:
 本日も東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。

パーソナリティー:
 今日は、どのようなお話を聴かせていただけるのでしょうか。

局長:
 はい。今回から数回に分けて東北防衛局の業務についてお話ししたいと思います。東北防衛局の本局は、仙台市に所在しているのですが、青森県三沢市と福島県郡山市にそれぞれ防衛事務所が置かれています。東北防衛局の組織・編成は、局長の下に、総務部、企画部、調達部の3つの部があり、三沢、郡山の事務所を含め、約220名の職員が勤務しています。東北防衛局の主な業務としては、防衛施設周辺対策事業、防衛施設の取得や管理業務、防衛施設の建設業務、装備品等調達に係る監督等業務などがあります。今日は、その中から、防衛施設周辺対策事業について、お話ししたいと思います。

パーソナリティー:
 よろしくお願いします。

局長:
 防衛施設は、用途が多岐にわたり、広大な土地を必要とするものも多く、また、航空機の頻繁な離着陸などが周辺地域の生活環境に影響を及ぼすという問題もあります。しかしながら、防衛施設は、わが国の防衛力と日米安全保障体制を支える基盤として、わが国の安全保障に欠くことのできないものでありますので、その機能を十分に発揮させるためには、防衛施設と周辺地域との調和を図り、周辺住民の方々のご理解とご協力を得て、常に安定して使用できる状態に維持することが必要です。このため、防衛省は、いわゆる周辺環境整備法などに基づき、防衛施設と周辺地域との調和を図るための事業や施策を行っています。

パーソナリティー:
 具体的にどのような施策があるのですか。

局長:
 飛行場周辺などの騒音対策として学校や住宅の防音工事への助成を行っていることはよく知られていますが、それ以外にも、防衛施設があることによって周辺住民の生活や事業活動が阻害される場合に、その緩和に役立つことを目的とした施策でありますとか、自衛隊等の特定の行為、例えば、重車両が道路を使用したり、演習場で訓練をやったりすることにより生ずる騒音以外の障害を防ぐことを目的とした施策でありますとか、更には、周辺地域の生活環境や開発への影響を和らげることを目的とした施策などがあります。これらのうちのいくつかを東北防衛局で実施した事業を例にあげながらお話ししたいと思います。
 まず、周辺住民の生活や事業活動への障害の緩和に資することを目的として実施している施策を民生安定助成事業と呼んでいますが、道路、公園、消防施設、無線放送施設、学習等供用施設、農林漁業用施設など、生活環境施設や事業経営の安定に寄与する施設の整備への助成になります。最近の東北防衛局での事例は、青森県七戸町の無線放送設備への助成です。町内全域を対象に行政防災無線施設の更新整備を行うことにより、屋内外の町民に迅速に自然災害の発生や避難に関する情報を伝え、効率的な避難・消防活動を図ることが可能になりました。

パーソナリティー:
 近年、自然災害が頻発している中、住民の生命・財産を的確に守るために寄与しているのですね。

局長:
 騒音以外の障害を防ぐことを目的として実施している施策を障害防止事業と呼んでいますが、用水路、ため池、道路、河川改修、テレビ放送の共同受信施設などへの助成になります。最近の東北防衛局での事例は、青森県東北町の河川改修工事への助成です。これは、河川の幅を拡幅し、護岸工事を実施することにより洪水への対策を図るものです。

パーソナリティー:
 こちらも、私達の生活を守るための工事へ関わっているのですね。

局長:
 周辺地域の生活環境や開発への影響を和らげることを目的として実施している施策を特定防衛施設周辺整備調整交付金の交付と呼んでいますが、レクリエーション施設や教育文化施設、産業振興に寄与する施設などの公共用施設の整備、医療費助成事業などヘの交付金の交付になります。最近の東北防衛局での事例は、宮城県大衡村の集会所整備事業への交付金の交付です。この集会所の完成により、当該地区の自治活動の拠点、憩いの場として親睦融和が図られるものと期待されるところです。

パーソナリティー:
 今、お話いただいた交付金は、公共用施設の整備といった建物の整備だけでなく、医療費助成事業にも使えるのですね。

局長:
 はい、使用できます。これは、地元市町村のニーズの多様化などへの要望を受け、平成23年に法律の一部改正を行い、医療費助成といった、いわゆるソフト事業への交付を可能にしました。また、交付対象となる防衛施設の追加も行うなど、運用状況に応じた対応を追求しています。

パーソナリティー:
 運用状況に応じて、施策も進化しているのですね。

局長:
 はい、このほかに、在日米軍の再編、つまり、抑止力の維持を図りつつ、米軍基地が集中する沖縄を始め基地周辺の負担を軽減するために、在日米軍の配置などの見直しを進めていますが、この再編を実施する上で負担を受け入れていただいた地元市町村に対して、その貢献に国として応えるため、負担増に応じた額を再編交付金として交付しています。最近の東北防衛局での事例は、青森県六ヶ所村のレスリング道場整備への交付です。この道場の完成により、充実した練習と安全な環境を確保するとともに、レスリングの場を通じ、技術の向上はもとより、忍耐力を育み、少年少女の健全な発育が図られるものと大いに期待されるところです。

パーソナリティー:
 防衛施設と周辺地域との調和を図るために色々と実施されているのですね。

局長:
 はい、調和を図る施策のあり方について、これからも地元市町村からの要望を踏まえ、より実態に即した効果的かつ効率的なものとなるよう検討していきたいと思っています。

パーソナリティー:
 局長、今日はありがとうございました。本日は、東北防衛局の深澤局長から、お話を伺いました。どうもありがとうございました。

局長:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。




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