防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(6月放送内容)



 

テ−マ:防衛施設と周辺地域とのかかわりについて

 

 

パ−ソナリティ−:
 
本日も東北防衛局長の齋藤雅一局長にお話を伺います。齋藤局長よろしくお願いします。

齋藤局長:
 はい。よろしくお願いします。
 
パーソナリティー:
 今日は、どのようなお話をしていただけるのでしょうか。
 
齋藤局長:
 はい。今日は、「防衛施設と周辺地域とのかかわり」についてお話をしたいと思います。
 「防衛施設」とは、簡単に言うと、自衛隊の施設と在日米軍が使用している施設等になります。施設の数もとても多く、また、飛行場施設や演習場施設などの広大な施設、事務所施設などの小さな施設等、様々な大きさの施設があります。
 
パーソナリティー:
 そのようにたくさんの数の施設があり、また種類も色々ということであれば、その施設周辺地域における生活環境等に影響を及ぼしたり、負担をかけるようなこともありそうですね。
 
齋藤局長:
 はい。おっしゃるとおり、例えば、飛行場の周辺では、飛行機の頻繁な離着陸などによって周辺地域に騒音などの影響を及ぼさざるを得ない場合があります。そのため、東北防衛局では、防衛施設と周辺地域との調和を図り、負担を軽減するような施策や、地元の方々に在日米軍について理解を深めていただくような施策を行っています。
 様々な施策があるのですが、今日はその中から「再編交付金」と「地元との交流」についてお話をしたいと思います。

パーソナリティー:
 では、よろしくお願いします。
 
齋藤局長:
 在日米軍の再編に係る交付金を「再編交付金」といいます。在日米軍の再編は、抑止力の維持を図りつつ、米軍基地が集中する沖縄を始め基地周辺の負担を軽減するため、在日米軍の配置などを見直すものです。
 
パーソナリティー:
 東北防衛局に関係する在日米軍の再編はありますか。

齋藤局長:
 はい、あります。例えば、日米の相互運用性の向上及び嘉手納をはじめとする米軍飛行場周辺の騒音軽減を目的として、青森県三沢市に所在する三沢基地や同県六ヶ所村に所在する三沢対地射爆撃場に訓練を移転しています。三沢基地においては、平成19年度以降7回、三沢対地射爆撃場においては、平成26年度に1回、訓練をしています。
 このような在日米軍の再編を円滑に行うために行われている施策として、在日米軍の再編を実施する上での負担を受け入れていただく地元市町村の貢献に国として応えるもので、負担が増える市町村に対して、負担の大きさに応じた額が交付されます。なお、交付期間は、法律の規定により原則として10年間となっております。
 
パーソナリティー:
 地元市町村は、その交付金で何ができるのでしょうか。

齋藤局長:
 いわゆる建物を建設するいわゆるハード事業だけでなく、地元の防犯対策、住民生活の利便性向上・産業振興に寄与するようないわゆるソフト事業も対象とします。例えば、ハード事業の一例としては、駅前広場の整備、公園の展望台改修工事、ソフト事業としては、除雪車購入、コンピュータなどの小中学校の情報教育機器購入、幼児医療費の助成事業などです。
 最近、東北防衛局で交付金により完成したものとしては、平成27年度末に青森県六ヶ所村に完成した「六ヶ所村立レスリング道場」があります。
この道場は、村内にレスリング専用の施設がなく、スペースが制限されるなど、ケガも多く、大会に向けたマットでの練習ができない状況にあったことから、再編交付金により整備されたものです。
 この道場の完成により、充実した練習と安全な環境を確保するとともにレスリングの場を通じ、技術の向上はもとより、忍耐力を育み、少年少女の健全な発育が図られるものと大いに期待されるところです。
 また、4月に開催されたオープニングセレモニーでは、特別ゲストとして招待されたロンドン五輪レスリング女子金メダリストの陸上自衛官の小(お)原(ばら)日(ひ)登(と)美(み)さん及び夫で海上自衛官の康(こう)司(じ)さんより、レスリングクラブの子ども達に対し、指導も併せて行われました。
 
パーソナリティー:
 子供達も練習するのが楽しくなりそうですね。
 先程、「地元の方々に在日米軍について理解を深めていただけるような施策」も行っているとお話いただきましたが、日米の子供達がこの道場で一緒にスポーツをするというのも理解を深めることに繋がりそうですね。
 
齋藤局長:
 はい、人と人の交流は、お互いの理解を深めるためには、とても大切なことだと思います。また、子供同士が交流することは、大人同士が交流することに繋がっていき、よりお互いの理解が深まると思います。
この六ヶ所村のレスリング道場ではありませんが、4月には、青森県三沢市において、日米の子供達が交流するスポーツイベントがありました。
 このイベントは、「スポーツを通して更なる日米交流を図りたい」という三沢米空軍司令官サンドバル大佐の提案から始まった三沢米軍主催、三沢市共催のもので、今回が初開催でした。東北防衛局も招待をいただき、また職員が通訳支援などで参加しました。
 日米合わせて約300名の親子が、日米合同二人三脚や障害物リレーなどの競技で汗を流し、イベントが終わった頃にはすっかり打ち解けているようでした。
 5月19日には、三沢市長より、この交流会を企画・実行した米軍三沢基地のエアマン&ファミリーレディネスセンターに対し、日米の友好親善に貢献したとして感謝状の贈呈式があり、東北防衛局三沢防衛事務所にも案内をいただき所長も参列しました。
 また、毎年冬には、「アイスフェスティバル」という三沢市内と米軍三沢基地内の小学生及びその家族が、例えば、氷上ボウリング、ゴムそりリレーなどの氷上競技を通じて親交を深めるイベントも行われています。こちらも言葉や文化の違いを超え、楽しいひと時を過ごしていると聞いています。
 
パーソナリティー:
 局長のお話からも、楽しそうな雰囲気が伝わってきますね。
 そのほかに東北防衛局が主催しているイベントはないのでしょうか。
 
齋藤局長:
 はい、あります。
 1つは、青森県三沢市内及び三沢米軍基地内の日米の小学生を対象とした、日米交流事業「MISAWAアイスホッキー」です。アイスホッキーとは、子どもたちが長靴やトレーニングシューズを履き、にんにくの形をしたヘルメットをかぶり、長芋を模したスティックを持ち、ホッキ貝を模したパックをゴールを目指して点数を競うアイスホッケーのことで、いずれの道具も三沢市の特産物を象徴するものです。
 もう1つは、青森県東北町内及び米軍三沢基地内の日米の小学生を対象とした、日米交流事業「ひな祭り in Tohoku Town」です。昨年は、子供たちは万華鏡作りや餅つきを体験し、保護者たちは「ひな寿司」作りに挑戦し、地元東北町の特産品である長いもやニンジンを使って料理をし、昼食時には、琴の演奏も楽しみました。

パーソナリティー:
 どちらも、とても楽しそうで、仲良くなれそうなイベントですね。
 
齋藤局長:
 東北防衛局は、これからも、色々と負担を受け入れていただいている地元市町村の貢献に国として応え、また、在日米軍と地域のみなさまとの相互理解が深まるよう、双方の架け橋として尽力してまいりたいと思います。
 
パーソナリティー:
 局長、今日は有り難うございました。
 
齋藤局長:
 はい、こちらこそ、どうも有り難うございました。

 

 
   
  
 
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