自 衛 隊 百 科
自衛隊インビテーション
(9月放送内容)



テ-マ:職員の採用試験について


パ-ソナリティ-:
 
齋藤局長、本日もよろしくお願いいたします。
 
齋藤局長:
 よろしくお願いいたします。

パーソナリティー:
 今日は、どのようなお話でしょうか。

齋藤局長:
 自衛隊員の大半は制服の自衛官が占めている訳ですが、私共が勤務する地方防衛局の職員は、ほとんどが事務官や技官です。今日は、事務官や技官といった防衛省職員の採用試験についてお話をしたいと思います。

パーソナリティー:
 国家公務員の採用試験についてですか。

齋藤局長:
 はい。採用までの流れや各種試験区分などについて、少し防衛省のPRも兼ねながらお話をしたいと思います。
 実は、私どもの防衛省では、人事院が実施する試験で採用される一部の職員を除き、平成23年度までは、ほとんどの職員を、独自に実施していた「防衛省職員採用試験」により採用していました。現在は、人事院が実施している国家公務員試験に統合され他省庁と同様の手続きにより職員を採用しています。

パーソナリティー:
 そうなんですか。人事院が国家公務員採用試験を実施していたのは知っていたんですけども、防衛省職員になりたい人は、その試験を受験するものだと思っていました。

齋藤局長:
 はい。独自試験を実施していた当時も、そういう事情をご存じない受験生がたまにいらっしゃいました。現在は、平成24年度から、一部の試験を除いて他省庁と同じように、人事院が実施する国家公務員試験で合格した方の中から採用するようになりました。

パーソナリティー:
 一部の試験を除くというと、現在も独自で実施しているのですか。

齋藤局長:
 はい。語学職の方を採用するための試験を実施しています。人事院の試験にも、この分野の試験区分がなかったので、引き続き独自で実施することになりました。

パーソナリティー:
 外務省でも採用があるので、人事院試験に語学職試験があると思ってたんですけれども。

齋藤局長:
 外務省の語学職試験は、「外務省専門職員採用試験」といって、外務省が独自に実施し、言語の種類も十数カ国もあるそうです。
 一方、防衛省の語学職試験もよく似た名称で、「防衛省専門職員採用試験」といいますが、27年度の言語の種類は「英語」、「中国語」、「朝鮮語」の3つで、試験区分としては、「語学」と「国際関係」という2種類に分かれています。

パーソナリティー:
 「語学」と「国際関係」の試験は、どのような違いがあるのですか。

齋藤局長:
 受験案内にも書いてありますが、採用後の仕事の内容が少し異なっています。
 試験区分「語学」は、「米国を始めとする諸外国との防衛協力・交流の推進、国際平和協力活動への取り組みなどの国際的な業務に関する企画・立案の業務、そして相手国との折衝、国際会議等での通訳業務」などです。
 また、試験区分「国際関係」は、主として「国際関係、政治・経済・外交・文化等の地域情勢及び軍事情勢に関する情報収集・分析業務」などです。

パーソナリティー:
 なるほど、軍事情勢の情報収集・分析が業務に入っているというところは、防衛省らしいですね。それでは、受験生の方々に、採用までの流れなどを教えていただけますか。

齋藤局長:
 はい。人事院で実施する試験には大学院卒、大学卒、高校卒、社会人などの区分ごとに「国家公務員採用一般職試験」、「国家公務員採用総合職試験」のほか10数種類の試験があります。防衛省では、人事院で実施する試験のうち、「国家公務員採用総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)」及び「国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験、高卒者試験」の合格者から採用者を決定しています。
 今年度の受験申し込みは既に終了したのですが、来年度に向けて例年の申込時期を申しますと、「総合職試験」は、だいたい4月初旬頃、「一般職試験(大卒程度)」は4月上旬から中旬頃、「一般職試験(高卒程度)」は6月下旬頃となっております。受験申込は、インターネットを使って自分で必要事項を入力し、申込受付が完了したら、後日、指定された期間内に受験票をダウンロードして、写真を自分で貼り付けて第1次試験日に持参します。

パーソナリティー:
 昔は、受験申込書に所要事項を自分で記入して、郵送や持参で各試験実施機関に受付してもらっていたと思いますが、今は、インターネットで全て手続きが完了するんですか。

齋藤局長:
 そうです。実は私も、国家公務員試験を受験した時は、自分で用紙を窓口の国の機関にもらいにいって、手書きで記入し、写真を貼り付けて郵送していました。そのため、実際に受験票が送付されてくるまでは、受験申込書が無事着いたのかどうか、記入漏れがなかったのかどうかなど、ドキドキしながら待っていましたが、今は、インターネットで入力が完了すれば、すぐに、「申込受付完了通知メール」が送信されてくるので、ある意味安心感がありますね。

パーソナリティー:
 インターネットが使えない方は、どうすれいいですか。

齋藤局長:
 その場合は、人事院に問い合わせていただくことになっています。

パーソナリティー:
 それなら、安心ですね。

齋藤局長:
 なお、現在は、ほとんどの大学で、授業のカリキュラムを組む際に、インターネットを使っているので、私が学生だった頃に比べれば、ほとんど支障は無いと思います。
 また、「一般職試験」の高卒者試験では、インターネットの手続きと併せて、昔ながらの郵送と持参の手続きが可能となっています。大学生と違って、高校生は、インターネット環境が整っていない可能性があることへの配慮なんでしょうね。
受験申込のスタート時期は試験によってそれぞれ違いますが、主な試験の採用までの流れとして、「一般職試験(大卒程度)」は、①受験申込、②第1次試験、③第1次試験合格発表、④第2次試験、⑤官庁訪問、⑥最終合格発表、⑦採用面接、⑧内々定、⑨内定、⑩採用となっています。
 「一般職試験(高卒程度)」は少し違っていて、「官庁訪問」の代わりに「業務説明会」が、「第1次試験合格発表」と「第2次試験」の間にあり、最終合格発表前に各省庁の業務説明会を開催することになっています。
 現在、国民の間には、経済的不安や健康で安全な暮らしを続けていくことができるのかといった不安が広がっています。こうした時代にあって、国家公務員の仕事はますます重要な意味を帯びています。
 
国全体や地域の方向性を示し、そのグランドデザインを描くようなスケールの大きい仕事から、直接国民に関わり、目の前で困っている人々を救済する仕事まで、まさに国民一人ひとりの幸せのため、幅広い職務に携わります。
 そういった国の仕事の中にあって、私たち防衛省は国民を守る最後の盾・砦となる組織です。利益を目的としない、まさに純粋に他者のために働く仕事といえるでしょう。
 国家公務員を志し、そして、国民のために働きたいという志しをもった皆さん、是非、私たちと一緒に仕事をしましょう。意欲溢れる皆さんを心待ちにしています。

パーソナリティー:
 熱のこもったお話、有り難うございました。

齋藤局長:
 こちらこそ、どうも有り難うございました。



 



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