防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(7月放送内容)



 

テ−マ:東北局の政策広報活動について

 

 

パ−ソナリティ−:
 今回は、東北防衛局長の齋藤雅一さんから「東北局の政策広報活動」についてお話を伺いたいと思います。齋藤局長、よろしくお願いします。 

齋藤局長:
  よろしくお願いします。

パ−ソナリティ−:
  政策広報活動ということなんですが、東北局では様々な取り組みをされているようなんですが、どのようなことをされているのでしょうか。

齋藤局長:
  はい、私共防衛省・自衛隊の任務を適切に遂行するためには、国民の皆様の御理解・御支援が不可欠です。このため、東北局では、防衛政策などについて幅広く国民の皆様にご理解をいただくため、東北各地において、様々な講演会等に講師の派遣や防衛セミナーの開催などを実施しております。今回は、先月19日に青森県八戸市で開催された「講演会」と23日に福島県会津若松市で開催した「防衛セミナー」の話をしたいと思います。
  最初に八戸市での講演会ですが、講師に防衛法学会理事の田村重信氏を招いて、開催しました。講師をされた田村氏は、外交・国防・安全保障政策、情報問題、TPP等を担当され、このほかに防衛法学会理事、櫻井よしこ氏が理事長を務める国家基本問題研究所の客員研究員、日本論語研究会代表幹事など、幅広く御活躍をされている方で、八戸地区の自衛隊協力会の依頼により開催し「平和安全法制」と題して、約100人の聴講者の前で講演をされました。

パ−ソナリティ−:
 今まさに国会関係のニュースで話題となっているぴったりのテーマですよね。講演の内容についてはどうだったんでしょうか。

齋藤局長:
  はい、「平和安全法制」と言われても抽象的でイマイチ分からない部分が多いと思います。「平和安全法制」の関連法案は、戦争を防止するための法案であり、国を守る抑止力の強化に繋がることや「国際平和支援法案」と、自衛隊法改正案など10本の法律の一部改正を1つにまとめた「平和安全法制整備案」の2つの法案からなっていることを説明されました。
  また、国連PKO等における我が国の20年以上にわたる参加経験を踏まえ、保護を必要とするPKO関係者等を守るための駆け付け警護等の業務を拡充し、必要な武器使用権限を見直していることなどを説明され、終わりには「平和というのはただ平和、平和と口で言うだけでは達成されないので、平和を破るような行為を阻止する手段を講じることが必要なのだ」という 小泉信三 元慶応義塾塾長の言葉を紹介し、また、もっと勉強されたい方に「WiLL 7月号」の安保法制一問一答35や御自身が書かれた「安倍政権と安保法制」及び「改正・日本国憲法」などの本を紹介されました。

パ−ソナリティ−:
 なかなか内容の濃い御講演ですよね。そのほか何か興味深いお話しはありましたか。

齋藤局長:
  はい、そうですね。抑止力の強化は、戦争防止に繋がること、徴兵制については憲法上できないことや、自衛隊は、必要最小限度の実力組織で海外での活動には制約があり、「現に戦闘行為を行っている現場」では、支援活動は実施しないことなど、今まさに国会で議論になっている点についてお話しがありました。

パ−ソナリティ−:
  なるほど。講演会については、分かりました。今日は、その他に同じ政策広報でもある防衛セミナーについても話していただけるのですよね。

齋藤局長:
  はい、次に先月の23日に福島県の会津若松市で開催された防衛セミナーについてお話しをしたいと思います。
  この防衛セミナーは、防衛政策や自衛隊の活動などについて、多くの国民の皆様方に対し御理解をしていただくため、全国の八つの防衛局において開催しているものであり、私ども東北防衛局においては、2007年に第1回目を開催して以降、今回で28回目の開催となります。会津若松市での開催は、平成21年12月に「自衛隊と災害派遣」をテーマに開催して以来、今回で2回目となりました。
  今回の防衛セミナーは、外部講師として東京財団 上席研究員の渡部 恒雄氏と陸上自衛隊東北方面総監部幕僚長の納冨(のうどみ) (みつる)陸将補をお招きし、渡部氏からは「アジアの安全保障環境と日本の戦略」、納富陸将補からは「今後の陸上自衛隊」と題し、2部構成によるセミナーを開催しました。お二人とも私が日頃から大変お世話になっている方々です。

パ−ソナリティ−:
 どんな内容のお話をされたのでしょうか。

齋藤局長:
  第1部では、渡辺氏から、日本の安全保障については、自分の孫が自分と同じ位の年になった時に、今私達が暮らしている豊かさと平和な環境を維持できるのか、それを達成するためには、平和と安全が保障されることが重要であること、また、日本人が将来の政策のために正しく問うべきことは、米国が今後も長期的な軍事も含めてアジアに関与していくのか、米国は将来、世界の覇権国から滑り落ちてしまうのか、中国は米国に代わって、アジアの覇権国になる可能性があるのかなど、国際環境をよく見ていく必要がある。その他には、オバマ政権のアジア回帰政策、直近の米中関係の経緯、日米関係の現状などを詳しくお話をされました。
  また、今後の日本に求められることは、多様なレンズを通して世界を理解する、政策は自らの利益を考慮して、現実と理念のバランスをとりながら、プラグマティックに対応する、正しい戦略目標を立てること、目標なき戦略はないなど、日本の持つ能力を的確に判断し、その限界も冷静に判断することが大事であるといったお話されました。

パ−ソナリティ−:
  第2部ではどんなお話をされたのでしょうか。

齋藤局長:
  はい、第2部では、「今後の陸上自衛隊」と題して、陸上自衛隊の将来体制及び今後の陸上自衛隊のお話をされました。内容としましては、冷戦期と現在の安全保障環境の相違点を示しつつ、一昨年に策定された国家安全保障戦略や防衛大綱、中期防に基づいて陸上自衛隊は、事態の生起を抑止するとともに、災害派遣等を含む各種事態に即応性をもって対処し得る態勢を確立するため、陸上自衛隊の配備が空白となっている島嶼部への警備部隊等の配置や平成27年度末の与那国島における駐屯地開設を目指していること、また、昨年、東北方面隊主催で開催されたみちのくアラート2014から得られた教訓についてもお話があり、関係機関との連携の重要性を強調されていました。
  なお、会場には会津若松市の室井市長、父兄会会津若松支部長の成田市議会議員、自衛隊協力会会長の宮森商工会議所会頭などの御来場を賜りました。
  この場をお借りして、改めて御礼申し上げたいと思います。

パ−ソナリティ−:
 ところで、防衛セミナーを聴講された方々の反響は、いかがでしたか。

齋藤局長:
  今回の防衛セミナーは、夜18時から開催し、会場には約100人の方々に御来場をいただきました。御来場された皆様方に対しまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。
  御来場いただいた方々を対象に、アンケートを実施しましたが、その結果を見ますと、「安全保障について改めて考える機会となった」、「陸上自衛隊の将来像が理解できた」、「触れる機会のない自衛官から直接話を聞き有意義であった」などの感想が寄せられました。

パ−ソナリティ−:
 これからもどのような防衛セミナーが開催されるのか、今から楽しみですね。
 また、開催情報があれば、お教えください。

齋藤局長:
  はい、今後、具体的な開催計画が決定次第、東北防衛局のホームページにアップいたしますし、また、今後のラジオ放送でもお話したいと思います。セミナーへの入場は無料となっておりますので、奮って御参加いただければと思います。
  なお、今回の防衛セミナーを含め、セミナー開催、講師派遣などによる講演などの内容は、東北防衛局のホームページや広報誌「かなめ」において公表していますので、そちらも御覧いただければと思います。

パ−ソナリティ−:
  はい、有り難うございました。本日は、政策広報活動について東北防衛局の齋藤局長から、お話をお伺いいたしました。どうも、ありがとうございました。

齋藤局長:
  はい、こちらこそどうも有り難うございました。

 

 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
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