自 衛 隊 百 科
(4月放送内容)



テ−マ:防衛問題セミナーの報告


パ−ソナリティ−:

 局長、本日もよろしくお願いいたします。

齋藤局長:
 はい、よろしくお願いいたします。

パ−ソナリティ−:
 では、早速ですが、今日の話題はなんでしょうか。

齋藤局長: 
 はい、今日は、先月の3月13日に宮城県の東松島市コミュニティーセンターで開催された、東北防衛局主催の防衛問題セミナーについてお話しをしたいと思います。

 この防衛問題セミナーは、防衛政策や自衛隊の活動などについて、多くの国民の皆様方に対し御理解していただくため、全国の八つの防衛局において開催されているものであり、私ども東北防衛局においては、2007年に第1回目を開催して以降、今回で27回目の開催となります。

 これまで、防衛省・自衛隊などの関係者を講師としてお招きし、我が国の防衛政策や、自衛隊による災害派遣活動や国際平和協力活動、海賊対処など、様々なテーマを取り上げ、東北各地においてセミナーを実施してきたところです。

 今回の防衛問題セミナーは、航空自衛隊松島基地が所在する東松島市で開催されるということで、青森県三沢市に所在する航空自衛隊北部航空方面隊の副司令官の増子空将補と、東松島市に所在する航空自衛隊松島基地から、基地司令の有馬空将補をお招きして、「今後の航空自衛隊と松島基地」と題しまして、セミナーを開催いたしました。

パ−ソナリティ−:
 はい、東松島市で開催された理由はなんでしょうか。

齋藤局長:

 はい、ここ東松島市は、東日本大震災で甚大な被害を受けられ、復興に向けた取組が鋭意進められていますが、東松島市にお住まいの方々に対しまして、同市に所在し、同じ様に甚大な被害を受けた航空自衛隊松島基地の復旧状況や将来について、お話しを差し上げるべきではないかとの思いに至り、ここ東松島市での防衛問題セミナーの開催を企画したところです。

パ−ソナリティ−:
 はい、基地の復旧はかなり進んでいるのですか。

齋藤局長:
  はい、今後同等の津波が押し寄せても基地機能が維持できるよう駐機場や格納庫の高台化工事などを進めており、全3期工事のうち、第2期工事までが順調に終了しています。

パ−ソナリティ−:

  はい、昨年の六魂祭にも山形に飛来して、大好評を博した、ブルーインパルスも2年前に松島に帰って来ましたね。

齋藤局長:

 はい、通常、飛行場周辺にお住まいの方々にとって、騒音の元となる航空機の存在は迷惑をおかけするものなのですが、航空自衛隊松島基地周辺では、むしろ、ブルーインパルス等の航空機の早期帰還が求められたと承知しており、本当に有難いことだと思っています。航空自衛隊松島基地の復旧工事を担当する私ども東北防衛局にとっても、非常に励みとなっております。

 地元東松島市は、未だ復興の途中ではありますが、航空機の早期帰還を求める地元の皆様方の求めに応える意味でも、航空自衛隊や松島基地の今後について、お話しする時期ではないかと思いまして、ここ東松島市での防衛問題セミナーの開催を企画いたしました。

  実は、震災のあった2011年4月にもセミナーの開催を計画しておりましたが、東日本大震災により地元と基地が共に甚大な被害を受けたことから中止をし、また、その後も地元の復興が最優先であることから、セミナーの開催を見合わせていたところです。

 パ−ソナリティ−:
すると、今回のセミナーのテーマは、松島基地の復旧状況についてですか。

齋藤局長: 
 はい、地元東松島市の復興と共に、航空自衛隊松島基地も徐々に復旧しておりまして、その復旧状況のお話しと、航空自衛隊全体の中での松島基地の位置付けといいますか、将来についてお話するということで、第1部は、航空自衛隊北部航空方面隊副司令官の増子空将補から「今後の航空自衛隊」と題しまして、第2部は、航空自衛隊松島基地司令の有馬空将補から「松島基地『これまで』と『これから』」と題しまして、それぞれ講演をしていただきました。

  ここで、講演の概要について御紹介をさせていただきますと、第1部においては、増子空将補から、最近10年間の日本周辺国における国防費の変化や、我が国の防衛費の状況、すなわち周辺国が軍事費を増大させる中で我が国の防衛費がほぼ横ばいであることや、最近増えている対領空侵犯措置いわゆるスクランブルなどについてお話がありました。
 また、我が国の国益を長期的視点から定めた上で、外交政策及び防衛政策を中心とした基本方針として、我が国が初めて定めた「国家安全保障戦略」についての説明と、今後における我が国の防衛の基本方針、防衛力の役割、自衛隊の具体的な体制の目標水準等を示した「防衛大綱」についての話をして頂き、最後に、今後5年間の防衛力整備の内容を定めた中期防衛力整備計画ついて、F−35Aの調達などについてお話しがありました。

パ−ソナリティ−:
 なるほど。航空自衛隊のことが良く理解できたと思いますね。第2部ではどんなお話をされたのですか。

齋藤局長:
 はい、第2部においては、航空自衛隊松島基地司令の有馬空将補から、始めに松島基地の概要についてお話があり、東日本大震災時の状況と基地の復旧・復興状況、現在の飛行運用の状況と今後の展望について、お話をいただきました。航空自衛隊松島基地は、皆さんも御存知だと思いますが、ブルーインパルスの母基地であることや、東日本大震災での同基地の被害状況について説明がなされ、震災後、同基地の滑走路が使用できるようになると、3月13日から7月31日までの間、輸送機による輸送が755回、ヘリによる輸送が820回行われ、その他にも、医療支援、給水支援、がれき撤去などの住民支援、炊き出しの支援を行ったことなどをお話ししていただき、さらに、同基地における今後の展望として、災害に強い基地として機能すべく、いつ起こるかもしれない様々な自然災害に対応できる「東北における空の防災拠点」になると考えている旨の思いを述べられ、今後においては、基地復旧復興工事の完了、F−2の教育部隊である第21飛行隊の帰還と平成23年度以降未実施の松島基地航空祭の開催に向けて、鋭意検討中であることなどのお話しがなされました。
 なお、会場には東松島市の阿部市長、東松島市議会の滝議長、東松島市商工会の橋本会長、東松島市議会議員など、数多くの方々から御来場を賜りました。
  また、阿部東松島市長からは丁寧な御挨拶とともに、最後までお付き合い頂きました。この場をお借りして、改めて御礼申し上げたいと思います。

パ−ソナリティ−:
  はい、ところで、防衛問題セミナーを聴講された方々の反響は、いかがでしたか。

齋藤局長:
  今回の防衛問題セミナーは、金曜日の夜18時から開催されましたが、会場には約120人の方々に御来場をいただきました。御来場された皆様方に対しまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。
  御来場いただいた方々を対象に、アンケートを実施しましたが、その結果を見ますと、「震災時における松島基地の役割を改めて感じた」、「飛行機の町に飛行機の音がないのは物足りない」とか、「一日も早く松島基地が元通りになるよう祈っています」など、東松島市にお住まいの方々の自衛隊に対する期待が大きいことを痛感いたしました。

 また、今後もこのようなセミナー開催を希望する意見が多数寄せられた一方で、専門用語などがよく分からなかった」、あるいは、「若年層の参加が少ない」など、セミナー運営への意見もありました。これらの意見につきましては、次回以降のセミナーへの反省点として、より良いセミナーの開催を目指して改善していきたいと思います。

パ−ソナリティ−: 
 はい、これからもどのような防衛問題セミナーが開催されるのか、今から楽しみですね。
  また、開催情報があれば、お教えてください。

齋藤局長:
  はい、今後、具体の開催計画が決定し次第、東北防衛局のホームページにアップいたしますし、また、今後のラジオ放送でもお話ししたいと思います。セミナーへの入場は無料となっておりますので、奮って御参加いただければと思います。

なお、今回の防衛問題セミナーを含め、セミナー開催後には、東北防衛局のホームページにおいて講演の内容や質疑などを公表していますので、そちらも御覧いただければと思います。


 パ−ソナリティ−:
 はい、有り難うございました。本日は、防衛問題セミナーについて東北防衛局の齋藤局長から、お話しをお伺いいたしました。どうも、ありがとうございました。

齋藤局長:
 はい、こちらこそ、どうも有り難うございました。




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