自 衛 隊 百 科
(6月放送内容)



テ−マ:東北防衛局企画部及び事務所の業務



パ−ソナリティ−:

  自衛隊百科のコーナーです。このコーナーでは、毎月1回、東北防衛局の中村吉利局長にお越しいただいて様々なお話をお伺いしております。局長、本日もよろしくお願い致します。


中村局長:

  よろしくお願いします。


パーソナリティー:

局長、先月はかわいい方がお越しいただきましたが、今回は若い方が3名いらっしゃっておりますが、今日はどのようなお話を伺えるのでしょうか。


中村局長:

  今日はですね、現場で活躍をしている東北防衛局の若手から、それぞれの仕事を紹介してもらおうと思っているんです。その前にですね、私から防衛局について簡単にご紹介しておきますと、防衛局と言いますのは、東北を含めて全国に8つありまして、それぞれが防衛施設局という組織を前身としているんですね。東北6県を担当する東北防衛局の場合ですと、仙台防衛施設局を前身としていました。現在の東北防衛局なんですけれども、総務部と企画部、調達部の3つの部、さらに青森県三沢市と福島県郡山市に事務所を持っています。今日は、このうち企画部と三沢、郡山の両事務所についてお話をしてもらおうと思っています。
 
まずは、企画部なんですけれども、ここは防衛政策の地域への発信ですとか、駐屯地、基地、演習場などの管理、部隊の活動で発生する騒音などへの対策、さらには米軍の事故への対応など、非常に幅広い業務を行っているんです。山形県との関係で申し上げますと、各種の情報発信ですとか施設の管理の他に、第6師団のある神町駐屯地の周辺での道路ですとか防火水槽の整備、さらには村山市にある演習場周辺の道路の整備といったようなことを、これに対する補助ですね、それも担当していました。今日は、防音対策課の大泉さんに来て頂いています。


大泉技官:

 企画部防音対策課の大泉と申します。私からは住宅防音事業についてご紹介致します。
 住宅防音事業とは、自衛隊や米軍の航空機の離陸、着陸などによって発生する航空機騒音や、演習場周辺の砲撃音などの騒音があると指定された区域にお住まいの方に対して、住宅の防音工事の補助をする事業です。
 
東北局管内における住宅防音事業の対象となる区域は、宮城県では松島飛行場周辺地区、王城寺原演習場周辺地区、青森県では三沢飛行場周辺地区、三沢対地射爆撃場周辺地区、八戸飛行場周辺地区、岩手県では岩手山中演習場周辺地区が住宅防音事業の対象となる区域になります。


パーソナリティー:
 具体的にはどのような工事をするのですか?


大泉技官:

  部屋の内部を防音仕様に工事をし、窓やドア、襖などの建具を防音用のものに交換します。また、窓の開放ができなくなることから、室内の温度調整のため冷暖房機の設置も行っています。
  自衛隊等の訓練に伴う騒音は、工事現場からの騒音とは違い、防衛施設が存在する限り発生するものです。騒音の影響を少しでも早く防止・軽減出来るように、日々の業務に努めていかなければならないと感じています。


中村局長:

  今のお話にありました住宅防音事業、山形県とは直接の関係はないんですけれども、飛行場ですとか演習場の周辺にお住まいの方が少しでも静かな暮らしを送って頂くための大変重要な事業となっているんですね。
 次に、三沢防衛事務所の工藤係長です。


工藤事務官:

  三沢防衛事務所の工藤と申します。宜しくお願いします。
  三沢防衛事務所は、東北防衛局の管轄する東北6県のうち青森県の区域を受け持つ事務所として、青森県三沢市にあります。
 
三沢市には、日本で唯一民間航空と航空自衛隊、米空軍、米海軍と米陸軍が同居し、飛行場を兼ね備えた三沢基地があります。三沢市の約4万3千人の人口に加え、9千人弱の米軍人などとその家族が生活しています。このようなことからも、三沢市が異国情緒あふれる土地柄であることが想像して頂けるかと思います。
 
三沢防衛事務所は、この三沢基地の正門の近くにあり、20名の職員が勤務しています。青森県内で東北防衛局が行う業務について関係自治体などへの連絡、交渉や資料収集などの事務、また、米軍が行う各種訓練を実施する際の関係自治体などへの情報提供、住民からの航空機騒音を始めとする様々な苦情受け付けも行っています。さらに、三沢飛行場などの米軍施設に勤務する約1,300人の基地従業員の人事や給与に関する業務も行っています。
 
パーソナリティー:
 様々な業務が行われているんですね。では、工藤係長が直接担当されているのは、どのような業務なんでしょうか。


工藤係長:

 私が担当している主な業務は、米軍人などによる事件・事故発生時の情報収集、関係自治体などへの連絡を含む初動対応、損害賠償請求に関するものです。損害賠償請求について簡単に説明させて頂きます。例えば、米軍人が仕事中に交通事故を起こし、日本人の車両に被害を与えた場合、被害者や米軍基地の担当者から連絡を受けた私たちが、被害者から事故の状況を聞き取り、被害車両の写真撮影などを行います。被害者が損害賠償請求をする際に必要となる書類を作成してもらい、損害を賠償します。事件・事故はあってはならないことですが、万が一発生した場合は、被害者に賠償が速やかに、また確実になされることによって、三沢基地を始めとする米軍施設に対する地域住民の方々の理解と協力を得ることができると考えております。
  今後も、損害が発生したときには、被害者の立場に立って、懇切かつ丁寧に賠償手続の説明、また、事務手続きを迅速に行い、被害者が1日でも早く救済されるように誠意をもった対応に努めたいと思います。


中村局長:

 青森県と言いますのは、三つの自衛隊の実戦部隊の将クラス、いわゆるスリー・スターなんですけれども、これが揃っている全国でも唯一の県なんです。また、米軍の三沢基地は、日本の防衛だけではなくて、米国の戦略にとっても必要不可欠な基地となっていますので、こうした点からも、三沢事務所の重要性がご理解頂けると思います。
 次に、郡山事務所の魚住2等陸尉です。


魚住2尉:

 郡山防衛事務所の魚住2尉と申します。
  郡山防衛事務所は、東北防衛局の管轄する東北6県に所在する企業のうち、装備施設本部及び陸・海・空各自衛隊と契約した企業の監督・検査を実施しております。
  郡山市は人口32.8万人、事業所数約17,100、年間商品販売額約1兆4,914億円であり、仙台市に次ぐ東北第2位の経済規模であります。
 監督・検査とは、会計法に基づき、契約が適正に行われるよう指導及び確認することであり、監督とは、会社の品質保証体制を確認したり契約の履行過程において立会し、工程管理や材料・部品等の審査又は試験を実施することです。

  検査とは、契約履行の最終段階において、契約品の合否を判定することです。
  平成25年度の実績としましては、東北6県約80の業者に対し、1,303件の監督・検査を、8名の検査官で実施しました。


パ−ソナリティ−:

 郡山事務所では、どのようなものを監督・検査していらっしゃるんでしょうか。

 
魚住2尉:

 大きいものでは練習機、ヘリコプター、小さいものでは靴、缶詰等多種多様にわたり、これらの特性に応じた各種検査方式に基づいて実施しております。
 私達検査官は、それぞれの契約品が陸・海・空各自衛隊が求める品質に達しているかを確認し、これらを実際に使用する隊員にとって信頼に足るべきものかということに思いを致し、日々勤務をしております。


中村局長:

 自衛隊の持っている「モノ」が非常に多種多様、多いということは以前にもご紹介をした点ですけれども、それぞれのメーカーが自衛隊側の求める性能を満たすものを作ってこなければ、日本の防衛の根幹にも関わりかねないというものなんです。そんな意味で、郡山事務所は、縁の下の力持ち的な、大変重要な業務を担っているというわけなんです。  以上、今日は、東北防衛局業務の一部ですけれども、現場で活躍している3名の業務をご紹介をしました。来月は、調達部の業務についてご紹介をしたいと思います。


パ−ソナリティ−:

 なかなかこう現場で業務を行っている方のお話を伺う機会も大変貴重な機会でしたので、どうも有り難うございます。本日は東北防衛局の中村吉利局長にお話をお伺いしました。どうもありがとうございました。


中村局長:

 こちらこそ、有り難うございました。



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