自衛隊インビテ−ション
(5月放送内容)



テ−マ:東北防衛局調達部の業務

パ−ソナリティ−:

 今日は東北防衛局中村吉利局長にお話をお伺いします。局長、よろしくお願いします。
 
中村局長:
 はい、よろしくお願いします。

パ−ソナリティ−:

今日も、局長の他に若い方が3名いらっしゃっていますが、どのようなお話をお伺いできるのでしょうか。


中村局長:

はい。前回に引き続き、現場で活躍している若手から、東北防衛局での仕事を紹介してもらいたいと思います。今日は調達部です。
 調達といいますと聞き慣れない方も多いと思いますけれども、一般的には予算を取って物を買ったり作ったりということで、調達部の場合は、主な仕事は自衛隊ですとか米軍関連の施設を作ることなんです。
 もちろん実際の設計ですとか工事は民間の企業が行いますけれども、調達部のスタッフは、部隊の希望を聞いてどのようなものを作るのかを決めて、予算を取って工事を発注して、完成まで工事を監督をして、できた施設を検査するという、たいへん息の長い仕事をしているんです。
 当然、東北地方の事情として、大震災の被害による建て替えですとか改修、基地の高台化のために、予算規模が一時的に以前の倍以上になっていたんです。当然、仕事もその分増えていたわけなんです。
 今日来ています3名は、皆、入省3年目で、震災以降の大変な時期に、数十億円規模の工事を複数担当するなどしてきました。このお金、国民の税金ですから、きちんと効率的に使っていかなければなりませんし、不完全な物を作ったりですとか、期限までに完成しなかったりすると、国の防衛に穴を開けかねないわけで、責任はたいへん重大なんです。
 さらに、部隊ですとか建設会社とやりとりをするだけの専門的な知識も当然必要なんです。そんな彼らの仕事を、まずは、土木課の田中さんから紹介をしてもらいます。 


田中技官:

土木課の田中です。業務内容としては、主に監督官業務と積算業務をしています。東北6県のうち青森県三沢市にある三沢基地、秋田県内の基地が私の担当です。土木工事の主な内容としては、飛行場施設の滑走路などの舗装工事、港湾施設の浚渫工事や護岸工事、燃料タンク工事・火薬庫工事、隊舎や庁舎の建物附帯工事などがあります。建物附帯工事とは、造成工事、舗装工事、給水・汚水・雨水工事と環境整備工事です。
 土木工事では、工事内容や各基地に応じて設計や工事における考え方が変わります。たとえば、舗装工事の場合、基地に所属している部隊に応じて使用している車両が異なるため、その車両によって舗装構成が変わります。
 また、同じ東北地方であっても積雪量が違うため、地域の気候や周辺環境についても把握しておかなければなりません。
 土木は、設備や建築工事を行う際の基盤となりますので、部隊のニーズに応える施設造りのためにもさまざまな知識を必要とします。覚えることが多いのですが、日々の業務が勉強と思い、毎日取り組んでいます。


パ−ソナリティ−:
  はい。土木課の田中さん。とってもお若くて素敵な女性なんですが、土木というと女性のイメージがあまりありませんが、女性の職員の方々はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?


田中技官:

はい。土木職の女性職員は全国的に見ても少人数で、現在は10名程度しかいません。そのため、男性職員に負けないようにと“ドボジョ会”という会を開き、親睦を深めています。最近では、土木を専攻する女性が増えていると聞きますので、今後女性職員が増えていくことを期待しています。


中村局長:
 いまお話にあったとおり、自衛隊の土木工事には、たいへん繊細かつきめ細かな配慮が求められているんです。その意味で、ドボジョの活躍を期待したいと思います。
 次に、建築課の東さんです。

東技官:

建築課の東と申します。調達部の中でも建築課は、建物に関わる工事などに携わっています。
 自衛隊が使用する建物には一般には無いような特殊なものが多くあります。実際に私が今まで担当した工事は、レーダー運用のための局舎、船に電気を送るための周波数変換所、航空機や救難用ヘリコプターの格納庫などがありました。
 このような施設はすべて自衛隊の活動には無くてはならないもので、いずれも防衛省の様々な基準に基づき、部隊が円滑に運用出来るように設計施工されます。


パ−ソナリティ−:
 はい。建築課の東さん。やっぱりね、この素敵な女性から何かたくましい言葉がたくさん出てきますけれども、担当された工事を具体的に教えてもらえますか。


東技官:

はい。建築課内では基本的に、各自担当の自衛隊駐屯地が割り当てられています。私は、宮城県の東松島市にある航空自衛隊松島基地を担当とし、工事監督業務を主に行っています。
 松島基地は東松島市の沿岸部にあり、東日本大震災の際は基地全体が約2mの津波の被害に遭いました。松島基地といえばアクロバット飛行チームのブルーインパルスで有名だと思いますが、ブルーインパルスの専用格納庫も震災で浸水したため、昨年度は津波対策として格納庫全体を約4m嵩上げする改修工事を行いました。基地内では今年度も格納庫や隊庁舎を高台に新設する工事があり、復興工事や津波対策工事を着々と進めています。
 私たちは施設の整備をすることで国防の第一線で働く自衛官の方々の活動を支えています。私自身は、まだ監督官として至らない点が多いのですが、調達部の一員として少しでも力添え出来るよう頑張っていきたいと思います。


中村局長:

東さんが担当してきた建物の種類を見ても、調達部のスタッフにはそれぞれの分野で幅広い知識が求められているということがご理解頂けると思います。
 次に、設備課の松下さんです。


松下技官:
  はい。設備課の松下と申します。調達部には主幹となる調達計画課の他、建築課、土木課、設備課があり、入省1年目は調達計画課に配属されました。そこで企画係として、工事に関する統計業務などに携わり、調達部全体の業務内容などを勉強させていただきました。
 2年目からは設備課に配属となり、主に設備工事に係る工事価格の積算、現場監督などをしています。工事監督官として東北6県内様々な現場に行く機会も多く、防衛力の基盤整備というスケールの大きな業務を日々実感しています。

パ−ソナリティ−:

 はい。設備課の松下さんもまだまだお若い。まあ、今日おいでいただいている方みなさんまだ3年目ということなので、本当にいまからという方々なのですが、とても仕事の内容は素晴らしいものですよね。
 この設備工事とはどのようなものですか。

松下技官:

はい。設備工事とは、建物に付いている照明などを電気、空調機、トイレや水回りなどの衛生設備などを機械、電話やLANなどの情報関連を通信というように3職種に分類され、各職種が連携して設備工事を実施しています。
 私は、この中の機械担当の工事監督官をしております。機械工事の内容としては、たとえば、蒸気を供給するボイラーを整備しますが、ボイラーで作られた蒸気は、自衛隊員が日頃の訓練などで疲れた体を休める浴場、食堂での調理、居室の暖房など基地・駐屯地全体で利用されています。一例ですが、この様に自衛隊員の方々の任務や日々の活動を支えるやりがいのある業務です。
 自衛隊・在日米軍の防衛力の基盤整備という国防の一翼を担う極めて重要な業務に取り組むにあたり、ユーザーである部隊の方々からの期待に応えられるよう、これからも先輩方に学び、施設整備に必要となる知識の習得に励んでいきたいと思います。


中村局長:

はい、松下さんに限らず、調達部の人たちは、防衛力のまさにベースとなる部分を担っているのだという、非常に強い意識を持って日常の業務に励んでいると思います。
 以上、それぞれの仕事内容について紹介をしてもらいました。調達部には、いまご紹介した3課のほかに、松下さんの話にも出てきました、予算ですとか工事の総合調整を担当する調達計画課もあります。
 また、現時点での特殊事情として、福島県内の自衛隊施設の除染工事も担当しています。こちらも、非常に、大変重要な仕事ですね。


パ−ソナリティ−:

  はい、ありがとうございました。たくさんの東北防衛局の調達部の土木課、設備課、建築課のみなさまから内容を詳しく教えていただきました。
 今日お話を伺いましたのは、東北防衛局の中村吉利局長でした。ありがとうございました。

中村局長: 
 はい、ありがとうございました。

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