防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(9月放送内容)



テ−マ:防衛問題セミナー


パ−ソナリティ−:

防衛省東北防衛局が送る、日本の防衛Q&A。このコーナーでは、防衛省・自衛隊や日本の防衛について、詳しく分かりやすくお話をいただきます。本日も東北防衛局の中村吉利局長にお話をいただきます。局長、本日もよろしくお願い致します。


中村局長:

はい。よろしくお願いします。


パ−ソナリティ−:

 では、早速ですが、今日の話題はなんでしょうか。


中村局長:

今日は、去る8月2日に秋田県男鹿市の市民文化会館で開催した東北防衛局主催の防衛問題セミナーについてお話をしたいと思います。その前に、ちょっと別の問題を提供したいと思います。青森県の三沢市にあります三沢基地なんですけれども、ここはアメリカの空軍と航空自衛隊の戦闘機部隊などが所在する北の空の守りの要的な基地なんですけれども、一方で三沢空港としまして民間の航空機も乗り入れているんです。乗り入れていると言いましても、米軍の管理する国の防衛上極めて重要な基地ですので、通常の空港のように自由にはできないというのが実情なんです。この、三沢空港に乗り入れている民間便というのは、様々な経緯から、今年3月までは東京の羽田線だけだったんですけれども、今年の3月31日に大阪伊丹線が再開されたのを皮切りに、7月1日に札幌の丘珠線、そして、8月1日には函館線が相次いで開設されています。札幌丘珠線開設に至る過程で、私たちも新たな日米間の合意の締結などで関わったんですけれども、路線を増やすことは地域の悲願でして、三沢市長を始め、関係者の長年にわたる様々な努力の賜といえます。このようにして開設された路線ですので、地域の利便性の向上、さらには、空で結ばれた地域との交流の強化に寄与するものとして、大いに利用されることを期待したいと思います。さて、本題の防衛問題セミナーに戻りたいと思います。この防衛問題セミナーとは、全国に8つある地方防衛局が、それぞれ担当地域において安全保障や防衛問題についての理解を深めていただくために実施しているものなんです。私たちの担当する東北六県においては、 2007年以降、今回で22回目となります。防衛省・自衛隊の関係者ですとか、部外の専門家による講演が中心ですけれども、昨年の岩手県盛岡市のセミナーなどでは自衛隊の音楽隊の演奏もお届けしました。実は、これまでは盛岡市のように、県庁所在地や地域の中核市での開催だったんですけれども、前回、今年の3月は宮城県にある陸上自衛隊の王城寺原演習場周辺の大和町、色麻町、大衡村で、また、今回は航空自衛隊のレーダーサイトのある男鹿市と、自衛隊施設周辺での実施としています。


パ−ソナリティ−:

はい。その狙いはどの辺にあるんでしょうか。


中村局長:

 自衛隊施設の周辺にお住まいの方々は、防衛問題に対する関心も高いと思いますので、防衛全般に関する重要な政策課題ですとか、安全保障に関するトピカルな話題を提供することは有意義だと思っているんです。また、こうした方々は、地元の部隊なり、演習場なりの日常的な活動を見聞きする機会は多いと思うんですけれども、そうした活動の全体的な位置づけなどについても理解を深めて頂ければと考えています。防衛問題セミナーの開催地については、今後ともテーマですとか、時期に応じて考えていきたいと思っています。


パ−ソナリティ−:

はい。では、今回の男鹿市のセミナーではどのようなテーマで議論が行われたんでしょうか。


中村局長:

『北朝鮮情勢と日本の対応』をテーマとして実施しました。北朝鮮についてはご記憶かと思いますけれども、去年2回の弾道ミサイル発射を行って、4月は失敗したものの、12月には成功させていますが。今年に入ってからも発射の構えを見せていました。さらに、核実験も今年2月に3回目を行っています。こうした動向に加えまして、男鹿市は日本海に面していること、かつて北朝鮮が発射した弾道ミサイルの飛んだコースの近傍に位置していること、さらには、防空のための警戒監視にあたっている第33警戒隊が所在していること、これらを踏まえてテーマを設定しました。


パ−ソナリティ−:

確かに、東北地方の北部を横切る形で北朝鮮はミサイルを発射したことがありました。


中村局長:

去年の2回は南の方への発射でしたけれども、それまでは、98年の最初のテポドン発射も含めて、東の方への発射でした。今回のセミナーでは、このテーマ『北朝鮮情勢と日本の対応』に基づいて、防衛研究所の阿久津博康主任研究官と航空自衛隊第33警戒隊、男鹿のレーダーサイトですけれども、ここの後藤仁副隊長からお話をうかがいました。阿久津主任研究官は、朝鮮半島を専門とする新進気鋭の研究者なんですけれども、今回の講演では北朝鮮のみならず、韓国の情勢も紹介されて、そのなかで日本はどう対応していくのかということも提示していただきました。まず、北朝鮮に関しては一連の行動を整理したうえで、核保有国としての立場を強化しつつ、アメリカの対北朝鮮敵視政策の停止を戦略目標としているということなどが説明されました。韓国については、朴槿恵政権は南北信頼醸成を目指しているということなどが紹介されて、こうした南北情勢のなかで、日本は抑止力の強化と対話の模索が必要であるとされました。後藤副隊長からは、航空自衛隊の活動から始まりまして、そのなかでのレーダーサイトの役割ですとか、第33警戒隊の状況の紹介などがありました。防衛省では、男鹿のレーダーサイトは加茂分屯基地というふうに言っているんですけれども、その名前の由来の紹介もあって、地元の方々には興味深いものだったんじゃないかと思います。なお、会場には男鹿市の渡部幸男市長にもお越しいただきました。渡部市長からは丁寧なご挨拶とともに、最後までお付き合い頂きました。あらためて御礼申し上げたいと思います。


パ−ソナリティ−:

 ところで、セミナー全般について聴講された方の反響は、いかがでしたか。


中村局長:

 金曜の夜の開催だったんですけれども、会場には約120人の方にお越しをいただきました。皆さんにあらためて感謝を申し上げたいと思います。交通の都合で、若干開始が遅れてしまったんですけども、この面をお詫びしたいと思います。参加していただいた方を対象にアンケートを実施したんですけれども、その結果を見ますと、北朝鮮情勢ですとか、自衛隊の活動が良く理解できたといったような、肯定的な意見が多かった一方で、使われている単語が分からないとか、セミナーの運営の問題があるといったような意見もありました。こうしたところが、次回以降、教訓としたいと思っています。

パ−ソナリティ−:

 では、その次回ですが、どこで、どのようなセミナーを実施予定でしょうか。

中村局長:
 まだ、決定はしていないんですけれども、今年11月頃には開催したいと思っています。決定次第、東北防衛局のホームページなどで、お知らせをしたいと思います。どこで実施をしましても、無料のイベントですので、奮ってご参加頂ければと思います。また、今回や過去のセミナーを含めまして、実施後にはホームページに議論の内容などを公表してますので、そちらもご覧いただければと思います。
 
パ−ソナリティ−:
 はい。分かりました。さて、本日は、防衛問題セミナーについてお話をおうかがいしてまいりました。東北防衛局の中村吉利局長から、お話をおうかがいしました。どうも、ありがとうございました。 
 
中村局長:
  はい。ありがとうございました。
 
 
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