自衛隊インビテ−ション
(5月放送内容)



テ−マ:小野寺防衛大臣へのインタビュー@



パ−ソナリティ−:

 今日は、地元宮城県のご出身で平成24年12月に防衛大臣に就任されました小野寺五典大臣へのインタビューの模様をお送りします。小野寺大臣本日はよろしくお願いします。


小野寺大臣:

 はい。よろしくお願いします。


パ−ソナリティ−:

 私は親しみを込めて、防衛省自衛隊を自衛隊さんと呼ばせていただいておりますが、平成23年3月11日の東日本大震災の際は、その直後から様々な支援をしていただき、この自衛隊さんに対し、宮城県民はたいへん感謝しています。その防衛大臣に宮城県出身の小野寺大臣が就任されたことを、一県民としてとても嬉しく思っています。しかし、大規模な災害は今後も発生するものと予想されますから、自衛隊さんが東日本大震災の教訓を踏まえ、新たに取り組まれていることなどについて、お伺いしたいと思います。

小野寺大臣:
 小野寺です。ありがとうございます。今日は、鈴木さんに防衛省まで来ていただきまして、なかなか敷居が高いところですが、まさかここで鈴木さんと一緒にこうしてお話するとは夢にも思いませんでした。

パ−ソナリティ−:
 ありがとうございます。

小野寺大臣:
 防衛大臣に就任をさせていただきましたが、もとより、被災地出身ということで、特に防衛省自衛隊との関係というのは、私も3.11の東日本大震災、これが大変深いつながりになりました。私も、家気仙沼ですので、家も事務所も自宅も津波で大変な被害を受けてしまいましたし、地域のさまざまな友人知人親族被害が出ていることもずっと重く、今でも感じております。そういう中、やはり、自衛隊というとどうしても震災直後、真っ先に入ってもらった、その思いがたいへん強いです。当初はがれきの中を本当に自衛隊の服装で、特に寒い日が続いたんですけども、皆さんかなり軽装で入ってこられてですね、そして、大変だろうなぁと、被災している私たちも実は気の毒に思うような、そういう環境のなかで、ずっと当初は人命救助、その後は大変残念な話ですが、がれきを含めたそういう中からご遺体の収容、こういうことを自衛隊の皆さんにやっていただきました。本当に、被災地の人間として感謝しているなかで、自分が今度はその指揮をとる防衛大臣ということになりました。身に余る光栄と、また、身が引き締まる思いであります。

パ−ソナリティ−:
 はい。ありがとうございます。この東日本大震災に関しては、米軍がトモダチ作戦として、宮城県を含む被災地に数々の支援をしていただいたことも、ともに大変感謝しております。その米軍のなかに、宮城県の王城寺原演習場で移転の訓練を行っている海兵隊の皆さんも支援に来ていただいてたと伺っています。そこで、あらためて、この訓練の意義などについてお話をいただけますでしょうか。


小野寺大臣:

 まず、米軍との今回の被災地での関係なんですが、私は気仙沼ですから、当初、気仙沼の大島という島、これが完全に孤立をしました。とても船が行き来できるような状況でもありませんでしたし、ここに供給する水道、これは海底を通っていたんですが、それも全部被害を受けて、全く水も入らない状況でした。一時報道にも出ていましたが、学校のプールの水を濾して飲んでいた。そういう状況がありました。そこにいち早く物資を運び、そして、特にこういう場合というのは海兵隊の様々な機材というのは役立つんだと思いますが、砂浜に大量に上陸をしてもらってですね、そして、被災地の救援をしてもらった。私は現場でずっと見ておりましたので、やはり、海兵隊というのはすごい精強な部隊だなと、そういう状況で見ておりました。それ以来、実はこの被災地と海兵隊の関係というのはずいぶん強まりまして、年に2回ぐらいですね、夏と冬だと思いますが、大島の子供たちが実は沖縄の海兵隊、この隊員の皆さんのところにホームスティをさせてもらっている。そういうつながりもあるんです。ですから、そういう意味では海兵隊というのは大変身近な私とも関係にあるんですが、もう一面、海兵隊ということで考えますと、どうしても防衛省的には沖縄に様々展開している今の海兵隊の部隊があります。特に、オスプレイが大変沖縄の皆さまから心配だという声もあります。そして、何よりも、米軍基地のかなりの部分が沖縄に集中をしている。本来、こういう安全保障の問題では、日本全国としてこういう負担をみんなで分かち合うのが普通なんですが、今、日本周辺の様々な安全保障環境を考えると、どうしても沖縄という場所、この地勢学的な意味は大変重要だと思います。ですから、日米関係をしっかりとする。そして、安全保障のためにも沖縄の基地をある面では維持をしていく。その代償というかたちで、実は沖縄のみなさまには大変負担をかけております。この負担というのを、是非日本全体でも、少しでも分かち合わないかということで、今回の王城寺原の演習等が実は日米合意で行われることになっております。毎年行われているわけですが、今年は特にまたこれから予定をされているということですので、是非地元の皆様にはご理解をいただきたいと思いますのは、私ども例えば北朝鮮のミサイルの問題、あるいは、尖閣をめぐる中国との関係、そういう様々の周辺の安全保障環境を考えると、日米関係というのを、これをしっかりしなければいけない。そして、その根幹にありますのが、沖縄を中心とした米軍基地あるいは日本に駐留する米軍と日本の自衛隊との関係。こういうことの維持のためには、どうしても訓練含めたその体制というのを、日本全国で受けることが必要だと、そういう意味では王城寺原のことについても、是非ご理解をいただきたい。これは、私ども地元のみなさんにこれからも丁寧に説明をさせていただきたいと思っております。


パ−ソナリティ−:

 はい。ありがとうございます。私は自宅が名取で、名取空港にもすぐに米軍が降りていただいて、開港したというようなこともありまして、とてもそれは感謝しています。そして、今、大臣の口から直接この王城寺原の演習について、詳しく、本当に一つ一つやさしくお話をしていただきましたので、とても県民としては何か安心をしましたし、賛否両論いろいろあるなかで、必要性とかそういったことの理解もしていかなくちゃいけないなというのも、あらためて感じました。ありがとうございます。

小野寺大臣:
 特に、今回東日本の震災がありましたが、震災がこれからもいつ起きるか分かりません。私たちができるのは、特に自衛隊、この震災で大変大きな経験をしました。そして、人命救助のためには、どういう部隊が必要なのか、どういう装備が必要なのか、これを今回の経験をもとに、今、整備をさせていただいております。防衛予算というのは、11年ぶりに平成25年度は増えました。増加といってもそれほど大きな増加ではありませんが、それでも今までずっと減ったなかで、予算が増えるということは、これはたいへん大きなことだと思っています。そして、その中で、私ども、特に今回このような震災が起きたときに、防衛省自衛隊が対応しなければいけない様々な任務があります。人命救助もそうだと思いますし、あるいは被災者の避難誘導、また、あってはいけないとは思いますが、例えば原子力発電所の事故。こういうことに対応できるように、今、各種装備を取りそろえて準備をさせていただいております。そういう意味で、是非、自衛隊の活躍活動について、さらにご理解をいただきたいと思いますし、また、そういう時にやはり米軍との協同の作戦というのも今後あるんだと思います。そういう意味で、ある面では安全保障、そして地域の安全。こういう意味で私どもも活躍をしていきたい、そう思っております。


パ−ソナリティ−:

 はい。ありがとうございます。こういった機会、設けていただきまして、本当に感謝しております。今日お送りしましたのは、地元宮城県のご出身で、平成24年12月に防衛大臣に就任されました小野寺五典大臣へのインタビューの模様をお送りしました。
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