防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(6月放送内容)



テ−マ:自衛隊のパイロット教育

パ−ソナリティ−:

 防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A、このコーナーでは防衛省・自衛隊や日本の防衛について、詳しく分かりやすくお話をいただきます。本日も東北防衛局の増田義一局長にお話をいただきます。局長、本日もよろしくお願いいたします。


増田局長:

 よろしくお願いいたします。


パ−ソナリティ−:

 それでは早速ですが、本日はどういったお話をいただけますでしょうか。


増田局長:

 はい、大空を羽ばたいてみたいというのは、結構多くの方がですね、抱いている夢ではないかと思いますけれども、この夢を叶えるためには色々な選択肢があります。自衛隊に入ってですね、パイロットになるというのも一つの選択肢ということであると思いますので、今回はですね、自衛隊のパイロット教育について話したいと思います。


パ−ソナリティ−:

 はい、よろしくお願いいたします。

増田局長:
  私は、自衛官ではなくて文官なんですけれども、やはり大空を羽ばたいてみたいという夢はありました。それで、民間のフライト・スクールでですね、自家用パイロットになるための飛行訓練を受けたことがあるんですね。セスナに60時間ほど乗りましたけれども、結局ライセンスを取る前にやめてしまったんです。これは日本で訓練を受けるよりもアメリカで訓練を受ける方がかなり安く済みますので、アメリカ勤務になったときにですね、現地のフライト・スクールに通ったんですね。だけども、志半ばで帰国しなければならなくなってしまいましてですね、泣く泣くライセンス取得を諦めたんです。もう20年以上前の話ですけれども、当時のログブックはですね、今でも大切に保管してます。ログブックというのは、初フライトから始まって全てのフライトの記録が記載されているものでして、どのパイロットも持っているものなんですね。私は飛行時間60時間ということで、その全ての記録がこれに記載されてるんですね。


パ−ソナリティ−:

 そういったものがあって、皆さん、パイロットの方はお持ちなんですね。


増田局長:

 はい、それで、本題のですね、自衛隊のパイロット教育についてですけれども、自衛隊の中でパイロットになるコースは幾つかあります。まずは、高校卒業あるいはそれと同等以上の学力があると認められる者からですね、採用される航空学生という課程がですね、海上自衛隊と航空自衛隊にあります。陸上自衛隊の場合は、陸曹航空操縦学生という課程がありますけれども、これは海空の航空学生のように初めからパイロット要員として採用されるのではなくてですね、陸上自衛隊に入隊した後に選抜されて進む課程なんですね。それとあとは、一般大学とか防衛大学校を卒業してパイロットとなる場合もですね、陸海空ともに、航空学生のような最初からパイロットとなることを前提に採用されてるんではなくてですね、一般幹部候補生課程の後に、選抜されてパイロットへの道に進むというようなことになります。


パ−ソナリティ−:

 こういったパイロット教育を受けるにも様々な入り口が用意されているんですね。


増田局長:

 そうですね、私は高校3年生の時なんですけれども、同級生からですね、自衛隊の航空学生の試験を一緒に受検しようというふうに誘われたんですね。適性を見るために自衛隊の練習機に乗せてもらえるから一緒に行こうよということで、受験料はタダだし、タダで大空を飛べるんだから、冷やかしでもいいから一緒に行こうと言われたんですね。それで面白そうだなと少し心を動かされましたけれども、その後ですね、これ本当なのかどうか確認はしていませんが、航空身体検査でですね、お尻の穴に指を突っ込まれるってね、これは直腸の触診なわけですけれども、これがあるというふうに言われたもんですから、これに怖じ気づいてですね、一緒に行くのは結局止めました。


パ−ソナリティ−:

  高校生にはなかなか高いハードルですね。


増田局長:

 そうですね、それで、アメリカのフライト・スクールの話に戻りますけれども、一定の飛行訓練課程が終わると、自動車で言えば仮免許のようなものをもらってですね、ステューデント・パイロットとしてソロフライトが出来るようになるんですが、自動車の場合は仮免でも一般道は教官と一緒に乗りますけれども、飛行機の場合はですね、一人っきりで乗ることができるんですね。ただ、この段階に進むときに航空身体検査に合格する必要があるんです。それで私もですね、FAA(連邦航空局)認定医のリストを貰って、そのリストの中から近くの病院を捜してですね、航空身体検査を受けに行きました。病院では、色々な検査がありましたけれども、実は最後にですね、例のものをブスッとやられたんですね。高校生のときに怖じ気づいたやつをですね。これは立派な医療行為なのでラジオで話しても全く問題ないと思いますけれども、要するに例の直腸の触診なんですね。そして、やられた瞬間に思いました。「これって万国共通なんだなあ」ってですね。日本だけのものではなかったわけですね。


パ−ソナリティ−:

 なるほど、そうなんですね。


増田局長:

 また最後は、つまらない話になってしまいましたけれども、いずれにしましても、自衛隊ではですね、パイロットになるための道が開かれていますので、若い人で大空に憧れている人はぜひチャレンジしてみてください。私もですね、まだ大空に羽ばたく夢は棄てていませんので、これから防衛省を退職した後ですね、その後にアメリカに行って、プライベート・パイロット(自家用操縦士)のですね、ライセンスに再チャレンジしたいと思っています。

パ−ソナリティ−:
 はい、是非頑張って下さい。本日の日本の防衛Q&Aは、「自衛隊のパイロット教育」について、東北防衛局の増田義一局長にお話をいただきました。局長、本日もどうも有難うございました。

増田局長:
 どうも有難うございました。
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