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自衛隊インビテ−ション
(8月放送内容)



テ−マ:5分でわかる防衛白書

パ−ソナリティ−:

 皆さんこんにちは、今日は東北防衛局の増田局長にお越しいただきました。増田局長 本日も よろしくお願いいたします。


増田局長:

 よろしくお願いいたします。


パ−ソナリティ−:

 今日は何についてのお話でしょうか。

増田局長:
 先般、平成23年版防衛白書が出ましたので、防衛白書の特色について話したいと思います。「5分でわかる防衛白書」といった感じで話したいと思います。

パ−ソナリティ−:
 それではまず防衛白書の何が特色なんでしょうか。

増田局長:
 まず、構成ですね。防衛白書は毎年3部構成となっておりまして、第1部が国際情勢。防衛の世界では「安全保障環境」と言いますけれども、第2部が防衛政策。第3部が諸施策、要するにその他という意味なんですが、こういった構成になっています。今年の白書では、この3部構成の前に、特集として、「東日本大震災への対応」というのを置いて、22ページも割いているということが特色かなと思います。災害派遣として史上最大の作戦を遂行したのだから当然かなと思いますけれども、この震災対応では、幾つもの初めてがありました。私のところも東北防衛局の広報誌「東北のかなめ」というのがあるんですが、この「いくつもの初めて」というものについて特集号を出していますので、入手できれば見ていただきたいなと思います。一つ目の初めてが、ピーク時には10万7千人という「空前の規模での災害派遣」であったことです。二つ目が、統合運用ですね。すなわち災害派遣統合任務部隊を編成しまして、災害派遣としての陸海空3自衛隊の統合運用は初めてでした。三つ目の初めては、トモダチ作戦と銘打った日米共同作戦ですね。この手のものとしては、やはり空前の規模でした。四つ目の初めてが、予備自衛官の召集。五つ目の初めてが、原子力災害派遣といった具合でありました。

パ−ソナリティ−:
 他の特色は何かありますか。


増田局長:

 昨年の暮れに、新防衛大綱が策定されましたので、第2部でこれを説明しているところだと思います。新防衛大綱は、向こう10年間の防衛戦略を方向付ける大切なものですので、これは今年の一つの特色かなと、新防衛大綱のキモは、「動的防衛力」というところなんですね。従来の「基盤的防衛力」から「動的防衛力」に発想転換したところが正にキモです。「動的防衛力」とは何と聞かれてですね、「即応性、機動性、柔軟性、持続性、多目的性」なんていうことを口走ったら、もう半分プロみたいなもんですね。


パ−ソナリティ−:

 それから何かありますか。

増田局長:
 安全保障環境のところで、北朝鮮、中国、ロシアの動向についての記述がありますけれども、これは毎年注目されますので、このポイントだけ申し上げたいと思います。北朝鮮は、昨年11月に延坪島に砲撃をして韓国側に死傷者を出しましたけれども、北朝鮮の動向について、一言で言えば「重大な不安定要因」。この「重大な不安定要因」という表現は94年から毎年使われている表現です。政府の公式な発表において、どういう表現が使われるかということを追いかけていくのは非常に重要なんだと思いますね。それから、中国についてのキーワードは、「継続する高い防衛費の伸び」ですね、あるいは「軍事力のさらなる近代化」、それと「海洋における活動の拡大・活発化」ですね。結論的に中国については、「慎重に分析していく必要がある。」と表現しています。この「慎重に分析していく必要がある。」という表現は、2007年から使っています。あと、我が国周辺のロシアについてのキーワードは、「艦艇及び航空機の活動が活発化」ということですね。それから結論的に「注目していく必要がある。」とこういう表現ですけれども、これは96年から使われています。


パ−ソナリティ−:

 それから後は何か。


増田局長:

  そうですね。サイバー空間についてですね、第1部の第1節、すなわち一番初めのところに置いているんですが、そういったところが防衛省・自衛隊もこれを重視していることの現れかなと思います。それから、竹島に関する記述について、ある国から抗議があったという報道がありましたけれども、2005年からずっと同じ表現を使っていまして、それはですね、「わが国固有の領土である北方領土や竹島の領土問題が依然として未解決のまま存在している。」というふうな記述なんですね。これに対して抗議があったということなんです。まだまだ、お伝えしたいポイントは沢山ありますけれども、「5分でわかる防衛白書」ということで話しましたので、この辺でやめておきますけれども、ぜひ防衛白書を入手して、読んでいただければと思います。防衛白書には防衛問題全般について網羅的に記述がありますので、理解を深めるのに非常に良い参考書かなと思います。


パ−ソナリティ−:

 はい。有難うございます。では局長最後に。


増田局長:

  最後にですね、耳寄りな話がありますので、これをお伝えしておきたいと思います。今年は、iPadやiPhoneなどの端末が急速に普及してきたことを受けまして、電子書籍版が出たんですね。この防衛白書電子書籍版が無料でダウンロードできます。ダウンロードを無料にして出来るだけ多くの人に利用していただいて、電子書籍版の改善点とかですね、今後いくらぐらいの価格設定をしたら良いかなどの意見を聞こうということで、無料でダウンロード出来るようにしましたので、ぜひ活用していただきたいと思います。


パ−ソナリティ−:
 是非、無料ですので、皆さんダウンロードしていただきたいですね。はい。有難うございました。

増田局長:
 どうも有難うございました。
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