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自衛隊インビテ−ション
(1月放送内容)



テ−マ:大量破壊兵器

パ−ソナリティ−:

 皆さんこんにちは、今日はゲストに東北防衛局長にお越しいただいております。局長、今日はどんなお話しでしょうか。


増田局長:

 今日は大量破壊兵器についてお話しをしたいと思います。


パ−ソナリティ−:

 大量破壊兵器とはどのようなものを言うのですか。

増田局長:
 読んで字のごとく、一度に大量の物を破壊したり、大量の人を殺傷したりすることができる兵器です。最近、英語のニュ−スなんかを見ていますとWMDと言う言葉がしばしば出てきますけれども、Weapons of Mass Destructionの略で、まさに大量破壊兵器のことであります。

パ−ソナリティ−:
 具体的に大量破壊兵器とはどんなものですか。

増田局長:
 具体的に言いますと、核兵器、生物兵器、化学兵器です。英語で言いますとAtomic Bio Chemicalですので、頭文字を取ってABC兵器と言ったり、あるいはAtomicの代わりにNuclearといって、Nuclear Bio Chemicalの頭文字を取ってNBC兵器と言ったりする場合もあります。

パ−ソナリティ−:
 大量破壊兵器について、一番懸念されていることは何でしょうか。


増田局長:

 そうですね、近年、国際社会において一番懸念されていることは、ならずもの国家とか、あるいはテロリストがこの大量破壊兵器を入手して、使用するということが一番心配な点であります。


パ−ソナリティ−:

 それを防ぐためにどんな方策があるのでしょうか。

増田局長:
 ますは、ならず者国家やテロリストが大量破壊兵器を入手することを阻止することが必要なわけです。すなわち、大量破壊兵器の拡散を防止するということになります。大量破壊兵器そのものだけではなくて、原料や製造技術の拡散、そういうものについても防ぐことが必要になってきます。こういった大量破壊兵器の拡散を防ぐ国際的なレジ−ムというものがありますので、この中で日本が積極的に活躍することが期待されているわけであります。


パ−ソナリティ−:

 大量破壊兵器の拡散を防ぐ国際的なレジ−ムとは、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。


増田局長:

 まず核兵器について言えば、核兵器不拡散条約、いわゆるNPTというのがあります。そういったNPT体制というものがあるわけですけれども、条約について言えば、他には、包括的核実験禁止条約、CTBTというものもあります。これらの条約に基づいて、IAEAが査察をしたり、そういうことをやるわけであります。あと、化学兵器については、化学兵器禁止条約、CWC、生物兵器については、生物兵器禁止条約というのがあります。全ての国がこれに加盟して、条約が遵守されるということがまず重要なわけです。それとともに、不拡散のためにしっかりとした輸出入管理体制が構築されていることが必要だと思います。


パ−ソナリティ−:

 輸出入管理体制とは具体的にどのようなことですか。


増田局長:

 核兵器については、原子力供給グループがありますし、化学兵器や生物兵器についてはオーストラリア・グループ、あと、大量破壊兵器の運搬手段としてのミサイルについては、ミサイル技術管理レジーム、MTCRというものがあります。メンバー国がこのレジームによってしっかりとした輸出入管理を実施していくということによって、ならず者国家やテロリストがこういった大量破壊兵器を使えない、こういったものは手に渡らないようにすることが非常に重要だと思います。さらに、PSIによって、拡散の阻止訓練などを行うことも非常に重要なことになってきます。


パ−ソナリティ−:
 PSIとは何でしょうか。

増田局長:
 PSIとは、英語でProliferation Security Initiativeの略でありまして、日本語にすると拡散に対する安全保障構想という風な訳され方をしています。これに基づきまして、大量破壊兵器の拡散を防ぐための国際的な訓練、あるいは政策上、法制上の課題の検討が行われているわけであります。海上自衛隊も大量破壊兵器拡散に対する海上阻止の国際的な共同訓練に護衛艦やP−3Cを派遣して参加をしております。

パ−ソナリティ−:
 他にも重要なことは何かありますか。

増田局長:
 大量破壊兵器関係では、これらの物資が国内に持ち込まれないよう水際阻止するということが重要だと思います。例えば、アメリカでは、核兵器が持ち込まれないように、核物質が持ち込まれないように国境となる全ての港湾、空港、道路、鉄道等に核探知機を設置しています。こういった水際阻止だけじゃなくて、アメリカ向け貨物を輸出する輸出国の港で100%検査を実施して、これを押さえようとする、Secure Freight Initiative、SFIと言ってますけれども、これが始まっています。これの一環として、我が国の港でもアメリカ向けの貨物を核探知機で検査するという試行が始まっています。我が国についても水際阻止ということが大事ですので、税関等で従来の社会悪物品、麻薬とか銃器に加えて大量破壊兵器、あるいはテロ関連物質の取り締まりに力が注がれているところであります。

パ−ソナリティ−:
 色々な取り組みがなされているのですね。本日は、局長どうもありがとうございました。
増田局長:
 どうもありがとうございました。




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