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自衛隊インビテ−ション
(11月放送内容)



テ−マ:平成22年版防衛白書(第1部)のポイント

パ−ソナリティ−:

 皆さんこんにちは、本日は先月の第1回目に引き続き、特別ゲストとして東北防衛局長にお越しいただいております。増田局長、本日は何についてのお話しでしょうか。


増田局長:

 先般、平成22年版日本の防衛、いわゆる防衛白書が出ましたので、防衛白書のポイントについてお話ししたいと思います。


パ−ソナリティ−:

 ポイントは何ですか。

増田局長:
 この防衛白書は、488ペ−ジもある非常にボリュ−ムのあるものですが、ポイントは沢山ございます。全てを短時間で説明するには難しいですので、いくつかのポイントに絞って、話をしたいと思います。

パ−ソナリティ−:
 今日は何に絞ってお話しいただけますか。

増田局長:
 防衛白書は、全部で3部構成となっておりまして、第1部が「わが国を取り巻く安全保障環境」、第2部が「わが国の防衛政策の基本と防衛力整備」、第3部が「わが国の防衛に関する諸施策」という風になっております。第1部の「わが国を取り巻く安全保障環境」は、防衛政策を策定するに当たって大前提となるものでありますので、この安全保障環境をきっちりと押さえているかどうかで、防衛政策に関する理解の度合いが左右されると思います。したがいまして、本日はこの第1部「わが国を取り巻く安全保障環境」について話したいとお思います。

パ−ソナリティ−:
 では、第1部のポイントは何ですか。


増田局長:

 そうですね、ポイントを一言で言うと国際的な安全保障環境は複雑で不確実というのが1つ、あとは、大量破壊兵器などの拡散、国際テロ組織などの非国家主体による活動など国際社会における安全保障上の様々な課題があるといったことが2つ目、これらがポイントということになります。非常に抽象的で何のことだかよく分からないかもしれませんけれどもそういうことになります。


パ−ソナリティ−:

 わが国を取り巻く安全保障環境ということで、周辺諸国については如何ですか。

増田局長:
 そうですね、わが国を取り巻く周辺諸国ということで、特に大事なのが北朝鮮、中国、ロシアということになると思いますので、今年の白書の記述でこれらに関してどうなっているのかと、ちょっと見ていきたいと思います。


パ−ソナリティ−:

 まず、北朝鮮はどうですか。


増田局長:

 そうですね、北朝鮮についてですけれども、昨年、東北の上空を北朝鮮の発射物が飛んでいったということは皆さんご承知のとおりだと思います。大量破壊兵器、弾道ミサイルの開発の動向が非常に懸念されるところではあります。それに加えて、新たなところでは、本年の3月に韓国の哨戒艦チョナンが突然沈没しました。その後の調査によって、これは北朝鮮の小型潜水艦艇から発射された魚雷によるものいうことが分かりました。そういうことで、国際社会では6月のG8サミットにおいて、首脳宣言が出されまして,北朝鮮を非難すると、あるいは、7月には、国連の安全保障理事会において議長声明が出されて、同じく北朝鮮を避難するというようなことがありました。これを受けて、米韓では、日本海で対潜水艦訓練等の合同訓練を行ったわけであります。わが国からは海上自衛官4名をオブザ−バ−として派遣したところであります。こういったところが北朝鮮のポイントかと思います。


パ−ソナリティ−:

 では、中国は如何ですか。


増田局長:

 中国については、まず、1つ挙げられるのは、国防費の高い伸びということが挙げられると思います。この20年間で毎年約10%を超える伸びをずっとしてきましたので、過去20年間で約18倍の規模という風になっています。中国では、経済建設と国防建設を協調的に発展させる方針を堅持するというようなことを言ってますので、経済成長に合わせて、国防費の方もどんどん伸びていくのかなということが言えるかと思います。それと共にあと、皆さんもよくご承知のとおり、中国の海洋における活動の活発化ということで、尖閣方面で色々問題がございましたけれども、中国海軍についてみれば、艦艇部隊の太平洋への進出が非常に目立っているといったところが1つの特徴であります。白書では、日本と近海の地図を逆さまにしまして、中国側から太平洋を見たらどんな感じかというのを示して、如何に日本が前で立ちふさがっているかというようなイメ−ジの地図を見せております。この日本の特に南の島の合間をぬって中国の海軍が太平洋へ方へ進出しているという動きが最近非常に目立っているところで、それについての記述が色々と載っております。


パ−ソナリティ−:
 では、ロシアはどうですか。

増田局長:
 ロシアについては、まず、わが国周辺におけるロシア軍の艦艇とか、航空機の活動が非常に活発化しているということがポイントかと思います。それに伴いまして、わが国がロシア機に対して、緊急発進をしていますけれども、それの回数がここ4年位、その前に比べますと非常に増えているということが言えます。あとは国防費の伸びですね、特にここ10年間では、8.6倍まで伸びているということで、ロシアの軍の建設というか、国防費を使った軍の改革と言いますか、そういうものが着実に行われているといったところが言えるかと思います。

パ−ソナリティ−:
 今日は、防衛白書の内、第1部わが国を取り巻く安全保障環境に的を絞って解説をしていただきました。

増田局長:
 はい、どうもありがとうございました。細かいところは皆さんどうぞ防衛白書を買っていただいて、読んでいただければと思いますので、よろしくお願い致します。

パ−ソナリティ−:
 本日は、東北防衛局長の増田局長にお話を伺いました。ありがとうございました。




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