防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
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(4月放送内容)



 

テ−マ:郡山防衛事務所について

 
 

パーソナリティー:
 本日は東北防衛局郡山防衛事務所の小山幹生所長からお話を伺います。
 小山所長、よろしくお願いします。

所長:
 郡山防衛事務所長の小山です。よろしくお願いいたします。
 東北防衛局は宮城県仙台市に所在していますが、宮城県以外にも、青森県と福島県に、それぞれ防衛事務所が1か所、置かれています。そのうち、福島県郡山市に所在するのが、私が所属している郡山防衛事務所になります。
 

パーソナリティー:

 はい、福島県郡山市にも防衛事務所があるのですね。
  

所長:

 そうです。自分自身のことになりますが、私の出身は関西なのですが、実は、郡山市内に自宅を構えていて、家族との生活の場も郡山になります。郡山は住みやすい街です。
 市内には開成山公園というのがあるのですが、最近の私のお気に入りは、この開成山公園近くで、季節限定で販売している、名物のお団子です。この時期は、東北では数々のお花見の人気スポットがありますが、郡山でのお花見の定番は、開成山公園だと思います。休日には家族とともに、開成山公園の桜を見ながら、名物のお団子を食べるようなこともしていて、大いに郡山市を満喫しているところです。


パーソナリティー:

 はい、いいですね。お団子食べてみたいです。個人的にも郡山市との縁がある、ということですね。
 
所長:
 はい。少し話は戻りますが、郡山防衛事務所は、郡山市の西部にある陸上自衛隊郡山駐屯地内にあります。自衛隊に入隊した当初、私は郡山駐屯地に配置されていましたので、郡山での勤務は今回で2回目となります。さらに、東北という観点では、山形県での2年間の勤務がありますし、東日本大震災の際には、約1か月間、宮城県の石巻市に災害派遣に行っていますので、やはり福島県や東北には、愛着を感じています。


パーソナリティー:

 なるほど、東北とのつながりについて伺いましたが、本題の郡山防衛事務所についても、お話をお聞かせ下さい。

所長:
 はい、郡山防衛事務所で最も主要な業務としては、「監督・検査」が挙げられます。 自衛隊で使用する装備品は、全国各地で製造されていますが、そのうち、東北6県にある工場などで製造されている装備品の点検や確認を、自衛隊に納品される前に実施することが、郡山防衛事務所の主な業務になっています。この業務が、我々が「監督・検査」と呼んでいるものになります。 防衛事務所では、「監督・検査」を行う部署が主体であり、これに加えて、総務などの下支えとなる部署から構成され、現在13名が勤務しています。
 

パーソナリティー:

 はい、東北6県で製造される自衛隊の装備品の点検や確認が、郡山防衛事務所の主要な業務ということですね。その「監督・検査」とはどういったものなのか、詳しくお話をお願いいたします。

所長:
  はい。自衛隊の部隊に良質の装備品を届けるために、自衛隊に納品される前の装備品の状況を、「監督・検査」という形でチェックすることは、非常に重要です。
 「監督・検査」の方法ですが、場所としては、防衛事務所内で書類により確認するような場合もありますが、多くの場合は、装備品を製造している工場に直接、出向いて確認をしています。装備品が工場で製造されている途中の段階や、製造終了後の段階に、各企業の工場での品質管理全般の状況や、製品の品質や状態が、防衛省との契約の内容に沿ったものかどうか、という点を確認しています。  
 「監督・検査」の実績数ですが、年度によって増減があるものの、令和2年度には防衛事務所として年間約750件程度、実施しました。東北地方には装備品の製造に携わっていただいている企業が多く、防衛事務所の検査官が直接訪問している企業の数だけでも、約30社となります。

パーソナリティー:

 件数も多そうですが、東北6県の各所の工場に行かなくてはならないので、移動するだけでも大変そうですね。
 東北6県ではどのような装備品が製造されているのでしょうか。

所長:
 東北においては、多種多様な自衛隊の装備品が製造されています。 大きな装備品の一部分を製造している例としては、トラックのタイヤ、航空機用のバッテリー、艦艇用の航法装置やジェット機のエンジンといったものもあります。  
 隊員個人が使用するような小型のものでは、自衛隊の制服や迷彩服などの衣類、制服用の革靴や戦闘靴といった専用の靴が製造されています。その他にも、ヘルメット類、落下傘部隊用や航空機搭乗員用のパラシュート、航空機や艦艇の搭乗員が使用する救命胴衣や、火災の時に着用する耐火服というのも製造されています。  
 さらに特殊なところでは、航空機の整備を担当している企業や火薬を扱っている企業がありますし、件数は少ないのですが、海上自衛隊向けの小型の艦艇を造船企業に建造していただいたこともあります。

パーソナリティー:

 はい、大きさも種類も幅広く装備品が製造されていますね。小山所長も製造しているところを確認される機会があるのでしょうか。

所長:
 はい、私自身が検査官として工場に出向き、監督・検査をすることもあります。また、製造の現場を自分の目で確認したり、製造に携わる方々のお話を聞いたりして初めて気づくことも多いので、できる限り、各企業の工場にお伺いするようにしています。

パーソナリティー:
 はい。製造の現場に行かれた際の感想は何かありますでしょうか。
 
所長:
 はい。郡山防衛事務所が一番多く取り扱っている装備品としては、自衛隊の制服や迷彩服などの衣類関係で、隊員個人が使用するような装備品を東北では多く製造していただいています。一方で、それらの装備品は専用のものであったり、安全性を追求しているので、製造も複雑です。さらに、工場では機械で自動的に製造しているイメージを持っていましたが、私の想像以上に「人の手」によって製造されていて、文字通り、「手間」をかけながら、製造していただいているな、という感想を持ちました。
   

パーソナリティ:

 はい。人の手によって手間をかけて製造されている現場の方々への思いがありましたらお願いいたします。
 

所長:

 そうですね、我々自衛隊は我が国の平和と独立を支えている、と自負しているのですが、これも、東北各地の企業の方が装備の面で、自衛隊の活動を支えて下さっているからこそ、ということを再認識しています。各企業の工場にお伺いした際には、ユーザーの一人として、製造の現場の方々への感謝の気持ちが自然に湧いてきますし、自分自身が着ている制服などの装備品にもさらに愛着を持つようになりました。
 私の感情が先走りすぎましたが、東北の各企業の協力を得ながら、郡山防衛事務所としては今後も良質の装備品を適時に部隊へ届けていこうと思います。
 

パーソナリティ:

 本日は、東北防衛局郡山防衛事務所の小山所長からお話を伺いました。小山所長、ありがとうございました。

所長:

 ありがとうございました。


パーソナリティー:

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