第8回 自衛隊受験から入隊まで(自衛官候補生・一般曹候補生の場合)

自衛隊の受験申請と試験

Q.自衛隊の採用試験を受ける場合、どこで申し込むんですか?近所の駐屯地でいいのですか?

A 自衛隊ではそれぞれの地区の「地方協力本部」が自衛官募集業務を行っています。
  駐屯地ではなく地方協力本部の募集事務所へ出向くのが一般的です。
  また自分から出向かなくても最寄りの募集事務所などに連絡すれば自宅までやってきてくれます。
  もちろんアポなしで自分から近所の募集事務所へ訪問するのもOK!
  男子は自衛官候補生のみ年間を通して募集しています。

Q.募集事務所で志願書を渡されました。これは何??

A 受験のためも「願書」です。
  志願書には自分自身の個人情報、学歴、勤務経歴(勤め先の会社の社名、住所なども書きます)などを広報官の指示に従って記入して下さい。
  いろんなこと書かなくちゃいけないので結構大変な作業になります。

Q.よく市役所にも「自衛官募集」の垂幕やのぼりが掲げられているが市役所も自衛官募集をやっているの?

A 市役所や役場でも自衛官募集の案内はしています。
  しかし、「自衛隊地方協力本部」にて詳しい説明を受けるほうがより確実かと思います。

Q.自衛官採用試験の流れはどうなっているの?

A 試験の区分によって様々で一概には説明できませんが募集事務所で申し込んだらあとは広報官に従って指定された日時に近隣の駐屯地や各市町村の試験会場で筆記試験
  を行います。同じ日に身体検査や面接を行う場合と後日、身体検査、面接を行う場合があります。

『一例として自衛官候補生(男子)の試験について』

筆記試験、クレペリンなどの適正検査を受けると次は身体検査です。
内容は、尿検査、身長、体重、胸囲、肺活量、血圧、視力検査、聴力検査、色覚検査、血液検査、歯科検診、レントゲン、関節の検査をするための軽い体操があります。
さらに医官による問診があります。持病や手術暦など聞かれますので答えてくださいね。
あとは面接です。

Q.体力試験はないんですか?

A はい、ありません。
  実は自衛隊の採用試験には身体検査はあっても体力試験はないのです。
  警察や消防にはきつ~い腕立てやらの体力試験がありますが自衛隊にはそういう類の試験はありません。
  体力は入隊後にしっかりついてきます!     絶対に!!!

Q.自衛官採用試験合格!入隊までに運動しといたほうがいいの?

A 自主トレとして20分くらい走ったり、腕立て伏せ、腹筋が10回くらい出来るようになったほうがいいです。
  しかし、それよりも規則正しい生活を送るほうが大切です。前の質問にも書きましたが、自衛隊に入隊してから体力は自然につきます。
  急に無理な運動をしても体力がつくどころか体を痛めてしまっては大変! 着隊時には再び身体検査があり異常が見つかれば採用取り消し!
  ということもあります。くれぐれも体は大事に!

Q.車やバイクは持ち込みできるの?

A 入隊直後(教育期間中)はできない。無事に教育を終了し部隊に配属された後、申請を出して許可を受けてから・・・ ということになります。

着隊(入隊)からの生活

(1)着 隊

 試験に合格すると後日、着隊日などの連絡がきます。(担当の広報官が教えてくれると思います。もちろん正式に手紙もきます。)
着隊日には担当の広報官に送ってもらったり、自分で出向くなどして自衛隊から指定された駐屯地や基地へ向かいます。

 着隊の後、入隊に関して様々な事務手続きやもう一度身体検査が行われます。
その後、数日かけて制服の受領、名札の縫い付けなど・・・そして入隊式を迎えることとなります。

 駐屯地へ着隊すると、あなたの面倒を見るのは広報官から班長(外国軍の軍曹に相当する階級の自衛官)に引き継がれます。
合格おめでとう!よく来たね!!一緒にがんばろう!!!
班長は新入隊員と握手を交わし満面の笑みで迎え入れてくれます。

着隊日に携行したほうがよい物

印鑑(シャチハタはダメ!)
筆記具【ボールペン(黒・赤)、鉛筆(2〜3本)、消しゴム、定規など】
国語辞典
下着【上下(シャツは白(ワンポイントは可?)6セットくらい】
タオル、洗面具、化粧品(女性のみ)
ジャージ上下、ランニングシューズ、裁縫道具等が必要。ただし、一部用意をしている教育隊もあるため、必ず広報官に確認のこと!
所持金については駐屯地内の売店にて身の回りのものや嗜好品等を購入できるのでいくらかは準備しておいた方が望ましい。
もちろん隊員食堂での食事は無料なのでお金はかからない。
教育隊によっては運動服等を一括購入する場合があるが、支払いは給料日以降となるのでこれも心配はいらない。

(2)入隊式

 着隊して数日後、入隊式が行われます。
新規採用された隊員が宣誓書に署名した上で臨むのがこれ。このころには敬礼や行進など結構自衛官らしくなってきています。(おそらく・・・)

(3)訓練開始

 内容については、自衛官として必要な基礎知識、体力などいろいろ、ここでの訓練はこれからのあなた自衛隊生活で必要なことばかりなので一生懸命頑張ってください。
詳しくは広報官に聞いてね。

☆★参考★☆

入隊後、いままで聞いたこともない言葉を耳にすることがあると思います。いくつか紹介しますので覚えておくといいかも・・・

・ラッパ:
 自衛隊でラッパの鳴らない日はない。朝は起床ラッパの音が一日の始まりを告げる。
目が覚め直ちに着替え点呼に整列、部屋に帰りベッドを綺麗に取り直し、目を覚ますため顔を洗う。
そのうち食事ラッパがなり皆で食堂へ移動、そして課業開始のラッパが鳴る。
一生懸命訓練を終えたら課業終了のラッパ、夕食ももちろんラッパとともに、その後、点呼ラッパで日夕点呼を受け消灯ラッパの音と共に就寝する。
自衛官にとってラッパの音色ほど感慨深いものはないだろう。陸自ではラッパ手の教育を修了するとラッパ手の特技(MOS)が取得できる。

・課業:
 仕事時間、駐屯地や基地によって若干違う所もあるがおおむね8時から5時までが課業時間である。この間で訓練や業務などを行う。

・海上自衛隊の教育隊名物「カッター」:
 ナイフやシャツではない。海上自衛隊は海上の警備を担う自衛隊の部隊で船だけでなく航空機も運用し柔軟に対潜哨戒や変な船の監視、事故時の救助などを担う。
海の男たるにはカッター訓練が必須である・・・カッターは海上自衛隊で配備されている手漕ぎボートまたは訓練のこと。
新隊員や幹部候補生は必ずカッター訓練を受ける。乗員全員が息を合わせてこがないと前にすすまないので一致団結力をやしなう訓練にはもってこい。
定員は45人全長は9メートル。

・5分前の精神:
 自衛官が教育において叩き込まれる心構えである。5分前には次の行動に移れるように心がけることが大切だ・・・
 ということは自衛官はデートの待ち合わせ時刻に遅れることはない!?

・誰何(すいか):
 身分がわからぬ者への問いかけ。戦場で誰何(すいか)され名乗らなければ拘束されるし撃たれるのが通例。
 ちなみに誰何するときの掛け声は「だれか!」

・匍匐前進:
 地面に腹をつけ腹ばいになって腕と足で前に進むこと。この姿勢で鉄条網の下を潜り抜ける訓練などを自衛官は体得するのだ。
 頭が高いと班長に怒られるよ。

・台風:
 教育隊において班長から居室内の私物からベッドまで滅茶苦茶にブン投げられて荒らされること。
 理由は「お前らの整理整頓がなってない!!」から・・・自衛隊で古くからある教育的指導。
 訓練が終わり夕食を食べて自分たちの営内班(居室)に戻るとそこには・・・・・!!!!!
 物がブン投げられるだけならまだいいがご丁寧に2段ベッドは上下が反転しているという憎い演出も。
 その血も涙もない現場はまるで台風が通り過ぎたようである。む、むごい・・・

・引率外出:
 教育期間中、最初の休日に班長引率のもと地元の繁華街を営内班のメンバーで練り歩くというナイスな企画

・外出禁止、外禁(ガイキン):
 休みの日、駐屯地の外へ出させないというお仕置きである。原因はいろいろ・・
 テストの成績(赤点?)や規律違反など、このような罰を受けないためにサボったり怒られるようなことは慎もう。

・歩幅75センチ:
 自衛隊員が行進する際の歩幅が約75センチである。
 駐屯地には75センチごとにラインが引かれている箇所があり自衛隊員は普段から75センチの歩幅で歩くように意識してる。
 なお、女性自衛官の場合は70センチである。

・物干場(ブッカンバ):
 洗濯物を干す場所、中に入るととても湿度が高く暑い!サウナがわりにいいかも・・・

・ベッドメイキング:
 自衛官が新隊員教育で叩き込まれるもののひとつで寝具の整理整頓である。
 ベッドメイキングでは毛布のたたみ方ひとつまで決まっており弛んでいたりするとやり直しさせられる。自衛隊式にたたまれた毛布をバームクーヘンと呼ぶ。
 理由は綺麗にたたみそろえられた端っこがバームクーヘンみたいだから・・・

・日夕点呼:
 一人ひとりがいるかいないか、また異常がないか確認し上官に報告する点呼。



これ以外にも独特な言葉がたくさんあります。全部覚えるころにはあなたも一人前の自衛官になっている!!  ハズ・・・

転載元:自衛隊採用ガイド