経度」が主で、陸岸近くであれば著名な目標からの「方位・距離」でも表示します。これは、海運業界でも使用されている方法で、行動範囲が地球規模であることから、陸上で使用する「キロ(Km/h)」、「メートル(m)」と異なっています。
広い海の上では、船の位置を知るために使用するのは、地球上の緯度・経度です。緯度を知るには、指北星(現在は北極星)などの高度を測ることで、また、経度を知るには、太陽が南中(真南の線を横切ること)する時刻から知ることができます。ここでとても重要なものが時計で、帆船時代から正確な時計は必需品でした。
なぜ、指北星の高度を図ると緯度がわかるかというと、星はとてつもなく遠い距離にあるため、地球表面に到達するときは、どの光線もほとんど平行になります。これは、地球の中心点にあっても同じです。したがって、指北星は、北極点ではほぼ直上にあり、赤道では水平線上にあることになります(実際は、空気の層があるため、光が屈折して地球上では見えませんが…)。
また、太陽の南中時刻は、同じ子午線(経度線)上にあれば緯度に関係なく同じになります。1日の時間を24時間と決めていますから、正確な時計で時刻を測れば、経度を知ることができます。(経度0°(グリニッジ天文台を通る子午線)での南中時刻を世界標準時(GMT)の正午としていて、日本では、東経135°の子午線上にある明石天文台の南中時刻を日本標準時(JST)としています。JST
はGMT より、9時間(=135°÷(360°÷24Hrs))進んでいます。)
このように、船の位置を知るために、緯度、経度を使用しており、緯度(地球中心点での赤道との角度)1度の1/60 を1′(分)=1NM(海里)とすることで、たとえば、60NM の距離が緯度1°分の距離であり、計算を容易にしています。
メートルとの関係では、フランス革命直後(1791 年)にパリを通る子午線(両極を結んだ線)一周を4万Km と定めましたので、
1NM=40,000,000m÷(360°×60′)≒1,852m となります。
天文学の発達により、星の地図が正確になり、指北星に限らず、星の高度を測ることで位置を計算できる(天文航法)ようになり、船は世界中のどこでも行くことができるようになりました。現在では、星の代わりに、人工衛星を飛ばしてその電波で位置を瞬時に計算できるようになりました。GPS
も航法用人工衛星の一つで、商用で利用することができるので、いつでもどこでも正確な位置を計測することができます。
また、ノットは、元々、ロープの結び目を意味する英語ですが、ロープに5ファザム(1ファザム=6フィート=1.82m、1尋)ごとに結び目をつけ、先端にブイをつけてロープを海中に一定の時間流し、繰り出された結び目の数で船の速力を測っていました。今では、1時間に1NM
進む速力を1Kt としています。したがって、20kt で進む船は、3時間で60NM、すなわち緯度1°分の距離を進むことになり、地球上での船の位置を計算し易くしています。
さて、航空分野では、パイロットとかの用語や制服をはじめ、交通規則、用語などの多くを海事分野から引用しています。これは、飛行機を「Ship(船)」と呼ぶことからも、容易に伺い知ることができます。また、船の数十倍の速度で飛び、地球規模で行動することから、船と同様に、Kt、NM を使用しています。
海事用語は、このほかにも例えば「ログ」など一般に日常で使用されている用語もあります。 |