HOME鹿児島地本ガイド海上自衛隊ミニ講座 ≫ 敬礼

敬礼
 自衛隊の「敬礼」について紹介したいと思います。
 辞書を引くと、敬礼とは、「敬意を表して礼をすること。また、その礼。特に、軍隊式の挙手の礼」と載っています。自衛隊の「敬礼」は、いわゆる軍隊式の敬礼に準じて、「自衛隊の礼式に関する訓令」という防衛省訓令に定められています。
 その中で、敬礼には、各個の敬礼、隊の敬礼、警衛隊の敬礼、歩哨等の敬礼、自衛艦その他の船舶の敬礼、旗の敬礼の六つの敬礼が定められています。この中で、特に良く目にする機会が多いのは各個の敬礼と隊の敬礼です。各個の敬礼とは、自衛官一人ひとりが個人として行うもので、隊の敬礼とは、隊として行う敬礼を言います。また、銃を携行している場合と携行していない場合、携行していない場合においては、帽子を着用している場合と着用していない場合とで、それぞれ敬礼の仕方が異なります。
 皆さんは、よく挙手の敬礼を見る機会が多いと思います。挙手の敬礼は、自衛官となってまず最初に教わるものですが、明治初期、帝国陸海軍創設時、ヨーロッパの軍隊に倣って導入されたものです。現在の自衛隊においてもそれを継承しています。また、陸上・航空自衛隊の挙手の敬礼は、右肘を真横に張りますが、海上自衛隊の場合は、狭い艦内で行うことを想定しているため、右肘は真横ではなく、斜め前45度に出して肘を張らない敬礼を行います。これは、真横に張ると狭い通路ですれ違う際、相手の肘に当たってしまうのでこれを避けるためです。
 それなら、艦内での場合のみ、斜め45度にして、広いところでは、陸・空と同じ敬礼をすれば良いのでは、との声があろうかと思います。先ほど申しましたとおり、自衛官となって最初に教育されるものの一つが敬礼であり、その動作は無意識のうちに行うほど身にしみたものであり、状況により使い分けるほどのメリットもないことから、海上自衛官の挙手の敬礼は、他の自衛官と異なることが現在まで続いているのだと考えます。自衛隊教育の基本は、起居動作・自分の身を守る術などは、無意識のうちに反応できるまで繰り返し訓練します。ちょうど柔道での受身を考えれば、理解しやすいと思います。また、躾も同様で、ポケットハンドをしないとか壁に寄りかからない、ものの淵に手を置かない、敷居を踏まないなど海上自衛隊では多くの躾が言われますが、これらも自分の身を守るために行われているものが多いです。ちなみに、陸・空自衛官が艦艇に乗った場合、真横に肘を張る敬礼をしています。
 この挙手の敬礼は、世界各国の軍隊で最もポピュラーな敬礼です。その由来は、鎧を装着した騎士が、王族や貴族に拝謁する際、鉄兜の目の保護具である鎧戸を持ち上げるその仕草から始まったと言われています。またイギリスでは、女王に騎士が謁見をする際、自らの額に右手の甲を当てて、手のひらに武器を握っていないことを証明するために行われていたと言われます。
 自衛隊では、手のひらを下に向けた敬礼を行いますが、フランスやイギリスでは、手のひらを前に向ける敬礼をしています。
 日本独自の敬礼としては、無帽時(室内)の敬礼で、日本古来からあるお辞儀に似た敬礼が定められています。それは、姿勢を正す敬礼、10度の敬礼、45度の敬礼です。自衛官は、室内などで帽子を被っていない時、このような敬礼をしますが、外国の軍人は、帽子を被っていない時でも、挙手の敬礼を行います。外国の軍人に10度の敬礼を行った時、初めてその敬礼を受ける外人は、少々戸惑った表情をすることがあります。でも、郷に入れば郷に従えで、慣れてくると自衛官同様にお辞儀の敬礼をする方も大勢います。敬礼が意味することをよく理解しているからこそ、礼を尽くすことに意を用いているのであろうと感心させられます。

自衛隊鹿児島地方協力本部
〒890-8541 鹿児島県鹿児島市東郡元町4番1号 鹿児島第2地方合同庁舎内1階
TEL・FAX:099-253-8920
e-mail:hq1-kagoshima@pco.mod.go.jp
ⓒ2013 JAPAN SELF DEFENSE FORCE KAGOSHIMA Provincial Cooperation Office. All rights reserved.