HOME鹿児島地本ガイド海上自衛隊ミニ講座 ≫ 自衛艦旗・軍艦旗

自衛艦旗・軍艦旗
 自衛艦旗(旭日旗)について紹介します。
 軍艦には、戦いはもとより平素から海洋の治安を維持する任務が付与されており、自国、他国を問わず船舶の船(国)籍、積荷などを検査したり、これに応じない船舶に対しては強制的に執行することができる権利が国際法上認められています。他方、船舶を強制的に止める行為は、海賊に間違われますので、軍艦であることを明示する必要があり、国軍の船であることを明示するために「軍艦旗」を定め掲揚しています。また、国軍は国家の意思を実力で具現化するツールの一つであり、軍艦には他にも数々の特権(領域警備、臨検、治外法権等)が国際法上で認められていることから、軍艦である標識を明示することがとても重要です。軍艦は自国の主権の代表として、他国の領域にあってもその国の法律から免除される特権(治外法権)が乗員を含めて国際的に認められており、国際法で軍艦であることの要件(国軍に属する船、国の標識表示、政府任命かつ名簿記載の指揮官等)が定められています。
 軍艦であることを明示する手段の一つとして軍艦旗はとても重要な意義を持ちます。また、一般に軍艦旗を一回り大きくした旗を「戦闘旗」といい、これをマストに掲揚している軍艦は戦闘状態にあると言われます。これは、かつて帆船時代の海戦が、現代戦のように敵の姿を見ないまま水平線の彼方から砲弾が飛んでくるようなものでなく、大砲の射程が短い肉弾戦の中、大砲や煙幕などの硝煙や霧などで視界が遮られ、敵味方入り乱れての戦いとなり、また、通信も発達していませんでしたので、戦闘状態にある場合、「戦闘旗」を最も高いマストに掲げ、味方からの相打ち防止に努めていました。さらに、「戦闘旗」が掲揚されていることは、まだ、艦が戦っている意志を示すことで、兵員の士気の高揚に大変重要なものでした。
 海上自衛隊の自衛艦は、形式上では「軍艦」としての要件を全て満たしています。国内法では「軍艦」としての地位が与えられていませんが、海洋で活動するという特性上、外交上は治外法権など国際法の軍艦としての地位(特権)の一部が認められています。このため、自衛艦旗は、正確には「軍艦旗」ではありませんが、外交上では「軍艦旗」と同じ扱いを受けています。
 なお、自衛艦旗は、海上自衛隊創設時に制定されたものです。そして、実は、自衛艦旗は旧海軍の軍艦旗と同じデザインになっています。
 新しい自衛隊の象徴として、陸上自衛隊旗(連隊旗など)や海上自衛隊の自衛艦旗のデザインは広く公募されました。陸上自衛隊にあっては、旭日をベースとしながらも旧陸軍とは異なるデザインに決まりました。他方、自衛艦旗は、3回公募しましたが、3回とも旧海軍と同一のデザインが選考され、芸大の教授に依頼しても、「旧海軍の軍艦旗は理想の構成・構図であり、これ以上の図案はできない」とのことで、旧海軍の軍艦旗と同一のデザインが最終的に採用され、現在に至っています。
 旧軍のイメージが強く出るのではないかとの懸念もありましたが、東南アジア、南アジアでは日本国の象徴として受け容れられていますし、トルコやマルタなど旧海軍に親しい国々や南米など日系移民の多い国では歓迎されています。何よりも、日本の「軍艦旗」として世界に広く認知されています。
 ちなみにお隣のロシア海軍は、ソ連時代はソ連の国旗の図案をベースとした海軍旗を使用していましたが、崩壊後ロシアに替わってからは、旧ロシア帝国時代の軍艦旗「聖アンデレの十字架」を使用しています。また、米海軍は、国旗を使用しています。

自衛隊鹿児島地方協力本部
〒890-8541 鹿児島県鹿児島市東郡元町4番1号 鹿児島第2地方合同庁舎内1階
TEL・FAX:099-253-8920
e-mail:hq1-kagoshima@pco.mod.go.jp
ⓒ2013 JAPAN SELF DEFENSE FORCE KAGOSHIMA Provincial Cooperation Office. All rights reserved..