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礼砲
 国際儀礼で行われる大砲を使用した敬礼の「礼砲」について紹介したいと思います。
 国旗や国家元首、全権大使などの公式訪問に際し、大砲を使用して敬意を表する礼式を「礼砲」といいます。その起源はやはり諸説ありますが、最も一般的なのは、大航海時代の17世紀、軍艦が外国の港に入る際、敵意がないことを示すため、搭載している全大砲を撃ち、弾が込められていないことを証明したことに始まるといわれています。「敬礼」の時にも説明しましたが、やはり、敵意がないことを示すことが重要なようです。当時の大砲は先込め式ですので、1回発射すれば、次弾を込めて発射するまで相当の時間が必要となり、入港前に発射することで大砲内に弾を込めていないことを証明したのでしょう。
 礼砲の数は、搭載していた大砲の数だけ撃つことになりますので、特に決まっていませんでしたが、17世紀後半、王政復古をなした英国では、苦しい財政事情と海軍再建のため、経費削減の一環として礼砲の発射回数は最大21発と決められ、現在までそれが踏襲されているといわれてます。
 発射回数は、受礼者によって異なり、また、国によっても異なりますが、自衛隊では訓令に一般的な数として定められてます。最大21発は「国旗、国家元首(天皇、国王、大統領など)、皇族」で、以後奇数発毎に「副大統領、首相、国賓」(19発)、「閣僚、特命全権大使、大将(統合・陸上・海上・航空幕僚長)」(17発)、「特命全権公使、中将(陸・海・空将)」(15発)、「臨時代理大使、少将(陸・海・空将補)」(13発)、「臨時代理公使、総領事、准将(代将指揮官を含む。)」(11発)、「領事」(7発)となります。
 海軍では、軍艦の公式訪問時に訪問国の国旗に対する礼砲交換を行っており、海上自衛隊においても、練習艦隊による外国訪問時、実施しています。このため、練習艦「かしま」には、礼砲用の小さな砲を装備しています。また、礼砲交換といったとおり、これは、国旗に対し相互に敬意を表しますので、艦艇だけが礼砲を行うのではなく、陸上に礼砲が実施できる場所がない場合、礼砲交換は実施されません。日本においては、礼砲を撃てる施設は神奈川県の観音崎(海上自衛隊観音崎警備所)にしかありませんので、東京湾に入港する外国艦船の公式訪問時に実施されます。
 軍艦の礼砲は、訪問する艦艇側がマストに訪問先の国旗を掲げ(これを艦飾といいます。)、事前に外交ルートで調整したとおりの時間・場所で開始し、21発撃ち終わると次に、訪問国側が相手国の国旗に対し21発の礼砲を撃ちます。これに引続き、訪問先の部隊指揮官に対する敬意を表すべく、その階級に見合った礼砲を撃ち、訪問国側は艦艇部隊指揮官の階級に見合った礼砲を撃つ場合がありますが、長い時間を要しますので、「国旗」に対する礼砲交換の他は通常省略されることが多いようです。
 礼砲は、軍艦だけの特権ではなく、陸上においても実施されます。これは、防衛大臣が公式に招待した外国の賓客が日本に到着した時や日本から離れる場合、防衛大臣が国際儀礼上必要があると認める場合に行われます。また、昭和天皇の大葬儀や今上天皇の即位の礼の際にも陸上自衛隊により21発の礼砲が撃たれました。陸上自衛隊で使用される礼砲は105mm榴弾砲ですが、この装備品はすでに退役していて部隊にはなく、必要の都度、補給処等から借りて使用します。また、海上自衛隊が使用する礼砲(40mm)も礼砲専用で、予備がない状況で、どちらも大切に使用しています。

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