ぐんま観光特使の新・群馬紀行
第7回 桜の名所

 皆様、こんにちは。
新年度が始まり、都内の桜は満開を迎えています。

 

 さて、新・群馬紀行第7回は、群馬県内の桜の名所をいくつかご紹介します。なお、新・群馬紀行第2回では、冬桜で有名な藤岡市三波川の「桜山公園」を既にご紹介していますので、併せてご覧下さい。

 

 

 最初は、高崎市の「観音山」(かんのんやま)の桜です。JR高崎駅の西南3qに位置する標高227mの観音山は、古来から桜の名所として知られ、約3千本の桜が咲き誇ります。山頂の駐車場は高崎市や前橋市の中心部を見下ろす展望台となっており、良く晴れた日には遠く筑波山を遠望することができます。

 

 

 


 観音山の名前は、駐車場に近い「清水(きよみず)寺」のご本尊・千手観音に由来し、征夷大将軍・坂上田村麻呂が蝦夷征討の兵士の武運長久を祈り808年に京都東山の清水寺を勧請したと伝わます。一方、高崎市のシンボルとして親しまれている「白衣(びゃくい)大観音」は、駐車場から参道商店街を経て10分ほどの距離にあります。

 

 

 


 白衣大観音は、高崎の実業家・井上保三郎氏が昭和11年に建立したもので、高さ41.8mのコンクリート造りで、9階建ての内部を拝観することができます。平成12年に国の登録有形文化財に指定されており、間近で見上げる姿には迫力があります。

 

 

 

 

 2ヶ所目は、館林市の「鶴生田川」(つるうだがわ)の桜です。鶴生田川は、館林市内を水源とする河川で、かつての館林城(群馬紀行第28回参照)を囲む自然の要害となっていた城沼(じょうぬま)に流れ込んでいます。現在、館林城跡には館林市役所がありますが、市役所近くの鶴生田川の両岸には約300本の桜が植えられ、市内数ヶ所で開催される「館林さくらまつり」の会場の一つとなっています。

 

 

 また、鶴生田川では例年、桜が開花する3月下旬から5月上旬にかけて「こいのぼりの里まつり」が開催され、両岸に紐を渡して多数の鯉のぼりが掲揚されますが、平成17年には5283匹を掲揚してギネス世界記録に認定されました。両岸の桜並木に囲まれて6000匹を超える鯉のぼりが鶴生田川を泳ぐ様は圧巻です。

 


 3ヶ所目は、同じく館林市の「茂林寺」(もりんじ)の桜です。茂林寺(同第6回参照)は、1426年に開山した曹洞宗の名刹で、狸が茶釜に化けて恩返しをするという「分福茶釜」の伝説が伝わっています。参道の両側には、様々な姿をした約20匹のユーモラスな狸の像が置かれ、桜並木とともに格好の被写体となっています。

 


 最後は、藤岡市白石(しろいし)の「白石稲荷山古墳」の桜です。国指定史跡の白石稲荷山古墳は、全長140m、全高10mの大型の前方後円墳で、近くを流れる鮎川の河岸段丘上にあるため実際より大きく見え、後円部の大きな桜の木が開花すると見事な景観となります。なお、隣接する藤岡市上落合の「七輿山(ななこしやま)古墳」(同第56回参照)も桜の名所として知られています。

 

(参考図書等:観光パンフレット、現地の説明板等)