ぐんま観光特使の新・群馬紀行
第2回 桜山公園

 皆様、こんにちは。
立冬が過ぎ、暦の上では冬を迎えました。

 

 さて、新・群馬紀行第2回は、上毛かるたで「三波石と共に名高い冬桜」と詠まれるなど、桜の名所として名高い藤岡市三波川(さんばがわ)の「桜山公園」をご紹介します。

 


  「桜山公園」は、標高591mの桜山(虚空蔵山)の山頂付近一帯に整備され、約7千本の冬桜が植樹されています。写真は麓から写したものですが、山頂付近がうっすらと白ばんでいるのが分かります。山頂直下の公園駐車場まで、東京郊外から約90q、関越自動車道の本庄児玉IC経由で約1時間40分ほどです。

 


 桜山公園の冬桜は、明治41年に当時の三波川村民によって植樹された約千本の「ソメイヨシノ」に混在していた冬桜が開花したのが始まりで、その後冬桜を増やし、大正14年12月1日に初めて山頂で花見の宴が開かれたそうです。現在も桜が満開となる毎年12月1日には「桜山まつり」が開かれています。

 


  冬に咲く桜には、「冬桜」「十月桜」「寒桜」「寒緋(かんひ)桜」などの種類があり、このうち、寒桜や寒緋桜は、暖かい地方で1〜2月に一度だけ咲きます。一方、冬桜や十月桜は、11〜12月に約1/3が咲き、4月に残りの2/3が咲く二度咲きの桜で、春と冬の年2回も花見を楽しむことが出来ます。

 

 


  冬桜は、梅の花に似たやや小さめの一重の白又は淡紅色の花を咲かせますが、晩秋の開花時期には、周囲の紅葉した木々との対比が見事です。昭和12年に、国の名勝及び天然記念物「三波川サクラ」に指定されました。

 

 

 

 写真は、公園内に造られた「日本庭園」です。桜山公園は群馬紀行第8回でご紹介した「下久保ダムと三波石峡」に近く、1500トンもの三波石を用いて大きな池と清流を組み合わせた本格的な池泉(ちせん)回遊式庭園となっています。

 

 


 写真は、桜山公園から西上州の山並みを眺めたところですが、西日を浴びて冬桜が輝いています。左側の山は、群馬紀行第34回でご紹介した西上州の名峰「御荷鉾山」(みかぼやま)です。

 

 


 写真は、今年4月下旬の桜山公園です。冬に咲かなかった蕾が、春の陽を浴びて開花しています。この時も開花のピークは過ぎていましたが、冬よりも春の方がたくさんの花を付けるため、まだまだ十分に見応えがありました。

 

 

 

 写真は、藤岡市に隣接する埼玉県神川(かみかわ)町の「城峯(じょうみね)公園」です。桜山公園から約13q、約30分の距離にあり、桜山公園で花見を楽しんだ帰りに立ち寄ることが出来ます。ここには、八重の淡紅色の花を咲かせる十月桜が約600本ほど植樹されています。

 

 (参考図書等:観光パンフレット、現地の説明板等)