ぐんま観光特使の新・群馬紀行
第1回 赤城山

 皆様、こんにちは。 「ぐんま観光特使」の北澤です。

 大好きな群馬県を離れ、再び東京勤務となりましたが、杉山本部長を始め群馬地本の皆様のご厚意で、引き続きこのホームページで群馬県の魅力を発信させていただくことになりました。今後は「観光特使の新・群馬紀行」として再スタートしますので、宜しくお願いいたします。

 

 

 さて、新・群馬紀行第1回は、榛名山、妙義山とともに上毛三山の一つで、日本百名山にも数えられている「赤城山」の魅力をご紹介します。

 

  赤城山は、黒檜山(くろびさん、1828m)、駒ヶ岳(1685m)、地蔵岳(1674m)、長七郎山(1579m)、荒山(あらやま、1571m)、鈴ヶ岳(1565m)、鍋割山(なべわりさん、1332m)などの総称で、関東平野の北端に位置し、富士山に次ぐ日本で2番目の大きな裾野を広げています。榛名山同様、かつては富士山によく似た標高薬2,500mほどの成層火山でしたが、約20万年前の大噴火による火砕流や土石なだれで山頂部が崩れて広い山麓が形成され、約7万年前頃から再び噴火が始まって地蔵岳などの成層火山が成長し、現在の姿になりました。写真は、南麓から見た赤城山ですが、中央の丸いドームが地蔵岳です。

 


 昭和30年代には群馬県と東武鉄道株式会社による大規模な観光開発が行われ、ケーブルカーやロープウェイが開業しましたが、40年代に自動車道路が整備され自家用車が普及するとケーブルカーは10年あまりで姿を消しました。写真は、現在はレストハウスとなっている鳥居峠の山頂駅から見た路線跡です。

 


  現在、前橋市や沼田市から3本の県道が山頂の「大沼」まで通じ、周辺には多数の駐車場が整備されています。東京郊外から大沼まで約140q、関越自動車道経由で約2時間15分ほどです。標高約1,350mにある大沼は、1周約4qのカルデラ湖(火山活動で生じた大きな凹地に水が溜まった湖)で、氷上ワカサギ釣りやボートなどのレジャーが盛んです。写真は、大沼湖畔から見た「地蔵岳」です。

 

 

 山頂の各ピークには、最寄りの駐車場から短時間で登ることが出来ます。写真は、約30分で登頂可能な地蔵岳山頂から見た「小沼」と「長七郎岳」です。標高約1,450mにある小沼は、1周約1qの火山湖で、湖水は外輪山を突き抜けて南麓を流れる粕川(かすかわ)となって利根川に注いでいます。また、赤城山南麓の豪族・赤堀道元の娘が入水して大蛇に変わり沼の主になったという伝説があります。

 

 

 地蔵岳北面は、昭和初期には日本を代表するスキー場で、当地出身の「猪谷(いがや)千春」がここで練習を積み、昭和31年にイタリア・コルチナダンペッツォで開かれた冬季五輪のアルペンスキー男子回転で銀メダルを獲得したことは有名です。ロープウェイが開業した地蔵岳山頂から大沼に下る約3qのコースはスキーヤーの憧れの的でしたが、平成10年には休止され、現在はそり遊び中心の自称・日本一小さいスキー場となっています。写真は、地蔵岳山頂から見た大沼と最高峰の「黒檜山」です。

 


 約40分で登頂可能な長七郎岳は、小沼を挟んで地蔵岳の反対側に位置し、頂上からは広大な関東平野が一望できます。この日の透明度は今一つでしたが、富士山を遠望することが出来ました。

 

 


 大沼に隣接した「覚満淵」(かくまんぶち)は、標高約1,360mにある周囲約1qの高層湿原で、木道が整備され、地元では「小尾瀬」とも呼ばれているそうです。かつては大沼の一部でしたがやがて分かれ、湧水と斜面から供給される雨水によって涵養されています。写真は、鳥居峠から見た覚満淵です。

 

 

 大沼湖畔にある「赤城神社」は、赤城山を御神体として祀る神社で、「大洞(だいどう)赤城神社」とも呼ばれ、関東地方を中心として約300社ある赤城神社の総本宮(山宮。里宮は前橋市二宮町の「二宮赤城神社」)とされています。創建の時期は明らかではありませんが、戦国時代には上杉氏などが信仰して栄え、江戸時代になると歴代前橋藩主によって厚く保護されました。