青森県内の即応予備自衛官は、第1~7回までの計7回、計256名が災害派遣活動に参加しました。このうち3名は全災害等招集に応諾し、即応予備自衛官の任務に対する高い意識を感じさせるものでした。ここで全派遣活動を終えた隊員の感想を一部紹介します。

左から齋藤2曹、近藤3曹、伊原士長インタビュー風景

Q、全招集を終えての感想

断片的ではなく連続して参加したことにより、一連の活動内容を見ることができて良かったです。

例えば現職自衛官と共に活動していて、普段企業に勤務している即応隊員ならでは、といったエピソードもありました。それは第2回派遣活動の際、危険物を撤去するため足場を組むことになった時のことです。現職隊員のなかに、足場を組むといった経験を持つ隊員はいませんでしたが、即応隊員のなかに建設業勤務者がいたため、難なく足場を設置出来ました。

また救援物資輸送の際、物流業勤務者がいたため、その即応隊員のアドバイスを受けて物資の積み込み・集積作業を行うなどして作業はとてもスムーズに進みました。

こういった思わぬ場面で即応隊員の強みを発揮することが出来てとても良いことだと感じました。


Q、派遣当初から現在の被災地の状況について

派遣当初、町は津波で流されてきた車や家のがれき等が散乱し壊滅状態でしたが、日を追うにつれて幹線道路周辺は、徐々にではありますが片付いていきました。しかし、がれきを撤去したくても、それを捨てる場所が非常に少ないうえ、一日に受け入れられるがれきの量が限られているため作業が思うように進まないこともありました。

また被災にあった方々は、派遣当初よりも落ち着いた表情になってきたように思います。派遣活動は後半になるにつれ、がれきの撤去がメインになってきたため、被災にあった方々となかなか話す機会はなくなっていましたが、そのような状況でも道ですれ違う際などに「ありがとう」と感謝の言葉をかけていただき、活動の励みになりました。


Q、長期間にわたる活動を支えてくれた雇用企業、家族へ

今回、急な招集にもかかわらず出頭を許可してくださった会社の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。約1ヵ月半もの間、勤務に穴を空けてしまい大変ご迷惑をおかけしました。これから職場復帰しますが、不在間にご迷惑を掛けた恩返しをする意味でも、今まで以上に頑張りたいです。

また家族も今回の出頭を快く応援してくれましたので、胸を張って帰りたいと思います。


Q、即応予備自衛官として今後の抱負

即応予備自制度発足から初めて災害等招集されましたが、行方不明者の捜索やがれきの撤去という普段の訓練内容とは違うものでした。しかし「部隊として動く」といった基礎的なことは常に訓練していましたし、今回の派遣でも十分活かされたように思います。今後の訓練においても意識して行動していきたいです。

日常生活においても今回の災害派遣に限らず、なにがあってもすぐに行動できるよう心掛けていきたいと思います。

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