防大タイムズNo.201

2018年04月25日

掲載内容一覧
・防衛大学校は防衛副大臣ご臨席の下で平成30年度入校式典を挙行 本科531名(うち女性70名)、本科留学生24名(うち女性2名)研究科81名(うち女性9名、留学生9名)が入校
香月新副校長(教育担当)が着任
防衛大学校学術・教育振興会、「山崎賞」ほか各賞を贈呈

防衛大学校は防衛副大臣ご臨席の下で平成30年度入校式典を挙行 本科531名(うち女性70名)、本科留学生24名(うち女性2名)研究科81名(うち女性9名、留学生9名)が入校

山本 ともひろ 防衛副大臣に対する栄誉礼

任 命

宣 誓

防衛副大臣訓示


防衛大学校は、平成30年4月5日(木)、山本 ともひろ 防衛副大臣ご臨席の下、本科第66期学生、理工学研究科前期課程第57期学生、同後期課程第18期学生、総合安全保障研究科前期課程第22期学生及び同後期課程第10期学生の入校式を挙行いたしました。國分 良成 学校長による本科学生の任命の後、本科入校生全員で「防衛大学校学生たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法、法令及び校則を遵守し、全力を尽して学業に励むことを誓います。」と宣誓しました。本科留学生及び研究科入校生の任命に引き続き、学校長から式辞、防衛副大臣から訓示、来賓代表の統合幕僚副長 本松 敬史 陸将から祝辞が述べられました。また、入校式典には、ホーム・カミングデーとして昭和33年に防衛大学校に入校された第6期のOBの方々がご列席され、学校長式辞では、戦後日本の守護神として、日本と地域の平和と安全に大きな役割を果たされたことへの感謝と敬意を表し、盛大な拍手が送られました。

防衛副大臣訓示
来賓代表祝辞
防衛大学校長式辞

香月新副校長(教育担当)が着任

香月 智 新副校長(教育担当)

平成30年4月1日付で、防衛大学校副校長(教育担当)に香月 智 前防衛大学校人材確保統括官が着任しました。香月副校長は福岡県出身。昭和54年3月に防衛大学校土木工学専門卒業、昭和59年3月に同校理工学研究科地球工学専門卒業、陸上自衛官勤務を経て昭和62年3月に防衛大学校助手となり、同校システム工学群建設環境工学科長、同校総合教養教育室室員、人事教育局人材育成課人材育成企画官、防衛大学校人材確保統括官を歴任し、第17代副校長(教育担当)として着任しました。

なお、渡邉 啓二 前副校長は、平成30年3月31日付で退官しました。

防衛大学校学術・教育振興会、「山崎賞」ほか各賞を贈呈

「山崎賞」 地球海洋学科 釜谷 教授

「山崎奨励賞」 応用物理学科 宮内 准教授

「山崎奨励賞」 人間文化学科 中丸 准教授

各賞受賞者

公益財団法人防衛大学校学術・教育振興会は、平成30年3月12日、防衛大学校において、顕著な業績を上げた防衛大学校研究者に対し、西原 正 理事長から平成29年度「山崎賞」「山崎奨励賞」「教育奨励賞」「研究奨励賞」の各賞を贈呈し、業績を称えました。また、平成30年3月17日に実施された学生の褒賞等授与式において、優秀な成績を修めた学生等に対し、岡﨑 匠 常務理事から「山崎学生奨励賞」「校友会活動奨励賞」を贈呈し、業績を称えました。


○山崎賞
  応用科学群地球海洋学科     教 授 釜谷 秀幸

○山崎奨励賞
  応用科学群応用物理学科     准教授 宮内 良広
  人文社会科学群人間文化学科   准教授 中丸 貴史

○教育奨励賞
  システム工学群機械工学科    教 授 小笠原 永久
  防衛学教育学群戦略教育室    准教授 中野 昌英

○研究奨励賞
  システム工学群建設環境工学科  助 教 野々山 栄人

○山崎学生奨励賞
  理工学研究科後期課程      1等海尉 北川 智大
  理工学研究科前期課程      2等空尉 西本 将平
  総合安全保障研究科前期課程     モンゴル陸軍中尉 エンフラクワ ムンフザヤ

○校友会活動奨励賞
  空手道部
  柔道部
  フィールドホッケー部
  レスリング部
  硬式野球部
  体操部
  茶道部
  ヨット部(小型)

※官職及び所属については、受賞当時のものです。

【寄稿:応用科学群地球海洋学科 教 授 釜谷 秀幸】
 この度、栄誉ある山崎賞を賜り、身に余る光栄と思っております。まずここに、防衛大学校学術・教育振興会の皆様、そして選考委員の先生方に心より感謝いたし ます。受賞対象となった研究テーマは、宇宙における生命発生環境に関する研究です。生命の発生には水分子が大量の水として存在する必要があります。つまり 水として存在できる加熱(恒星光、温室効果)と冷却(放射冷却)が最低限バランスしなければなりません。このうち、恒星の光は恒星の大気の組成でその性質が変わり、我々のグループの一連の研究において、その影響が網羅的に明らかにされていました。その後、生命の発生や進化には、紫外線の性質も重要であることが分かってきました。我々は特に恒星の組成と紫外光の両方の生命発生条件への影響を明らかにしました。この研究はResearch highlights from the journals of the American Astronomical Society (30 January 2017 ) などでも取り上げられ、幸いにして高く評価されています。今後も幅広く天文学・宇宙物理学の研究を推し進め、その成果を学生教育に活かしてまいります。この度は、誠にありがとうございました。

【寄稿:応用科学群応用物理学科 准教授 宮内 良広】
 この度は、山崎奨励賞という栄誉ある賞を賜り、誠に有難うございます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様並びに選考委員の先生方に厚くお礼申し上げます。この度、受賞の対象となった光第二高調波分光による研究について簡単に申し上げますと、ある物質にレーザー光をあてたときに、その1オクターブ高い周波数の光がその物質の表面でのみ発生し、これを観測し、その表面の特性を理解するという研究です。物質の表面といいますと我々はこの目で見えている気がするのですが、表面科学における表面とは数原子層であり、肉眼では見えない物質の薄皮一枚の薄膜をさします。この様な表面では触媒反応等の重要な化学、物理現象が起きており、また電子、光学デバイスの小型化などで今後さらに重要となる領域であると見込まれております。この様な基礎研究に打ち込むことはデバイス等の仕組みを詳細に理解するという上で幹部自衛官となる防大生の良き素養にもなるかと思いますので、主に卒研指導を通して教育、研究に励んでいきたいと思っている次第です。この度は誠に有難うございました。

【寄稿:人文社会科学群人間文化学科 准教授 中丸 貴史】
 この度は、山崎奨励賞という栄誉ある賞を賜り、誠にありがとうございます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様、選考委員の先生方に心より御礼申し上げます。
 私の専門は日本古典でありますが、古典の概念はそれほど自明ではありません。古ければ古典になるというわけでもなく、今なお研究すべきことが多くあります。私自身は和文と漢文の中間に位置する日本漢文、なかでも平安時代の古記録を中心に研究しておりますが、これまでは歴史資料として扱われてきたものでありました。
 さて、幸いにも日本には千年以上も前の典籍が多く残されてきています。これらはなんとなく伝わってきたものではありません。多くの自然災害や戦乱を経て、残すべきものとして守られて現在に伝わってきたものなのです。また、古典は貴族のみならず、武家にとっても重要なものとして、最後は武家によって守られてきたという歴史があります。そう考えますと、現在の古典にとって最後の砦は、自衛隊ということになります。幹部自衛官を育成する防衛大学校においてそうした研究教育に従事することの意義を改めて自覚しつつ、今後も研鑽を積んで参りたいと存じます。

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