2016年04月19日
防衛大学校は、平成２８年４月５日（火）、防衛副大臣ご臨席の下、本科第６４期学生、理工学研究科前期課程第５５期学生、同後期課程第１６期学生、総合安全保障研究科前期課程第２０期学生及び同後期課程第８期学生の入校式を挙行いたしました。國分良成学校長による本科学生の任命の後、本科入校生全員で「防衛大学校学生たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法、法令及び校則を遵守し、全力を尽して学業に励むことを誓います。」と宣誓しました。本科留学生及び研究科入校生の任命に引き続き、学校長から式辞、若宮健嗣防衛副大臣から訓示、来賓代表の統合幕僚副長 山崎幸二陸将から祝辞が述べられました。
公益財団法人防衛大学校学術・教育振興会は、平成２８年３月９日、防衛大学校において、顕著な業績を上げた防衛大学校研究者に対し、西原正理事長から平成２７年度「山崎賞」「山崎奨励賞」「教育奨励賞」「研究奨励賞」の各賞を贈呈し、業績を称えました。また、平成２８年３月２０日に実施された学生の褒賞等授与式において、優秀な成績を修めた学生等に対し、岡﨑匠常務理事から「山崎学生奨励賞」「校友会活動奨励賞」を贈呈し、業績を称えました。
○山崎賞
電気情報学群電気電子工学科 准教授 立木 隆
○山崎奨励賞
応用科学群応用化学科 准教授 竹清 貴浩
電気情報学群機能材料工学科 准教授 青野 祐美
総合教育学群体育学教育室 助 教 蒔苗 裕平
○教育奨励賞
電気情報学群機能材料工学科 教 授 石井 啓介
防衛学教育学群戦略教育室 准教授 関口 高史
○研究奨励賞
応用科学群応用物理学科 講 師 宮内 良広
システム工学群機械工学科 講 師 山田 俊輔
○山崎学生奨励賞
理工学研究科後期課程 大韓民国空軍少佐 金 鎭雄
理工学研究科前期課程 ２等海尉 小倉 雅樹
理工学研究科前期課程 ２等陸尉 外川 雪
総合安全保障研究科前期課程 ３等陸佐 五十嵐 隆幸
○校友会活動奨励賞
空手道部
バスケットボール部
弓道部
少林寺拳法部
【寄稿：電気情報学群電気電子工学科 准教授 立木 隆】
この度は、栄誉ある山崎賞を賜りまして、身に余る光栄でございます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様、選考委員の先生方に心より御礼申し上げます。受賞対象の研究テーマは、超伝導体の結晶構造の特徴を積極的に利用して、現在、様々な分野で注目されているテラヘルツ帯の電磁波（テラヘルツ波）を連続的に発生できる固体素子を開発するものです。超伝導体は低温に冷却しなければ、その特異な性質を示すことができませんが、高温超伝導体はコストのあまり掛からない液体窒素による冷却で動作することができます。発生したテラヘルツ波は、天文学や分光分析等の基礎科学分野から建物の非破壊検査や次世代ICT等の応用分野に至るまで幅広い利用が期待されています。今後もテラヘルツ波や赤外線に関わる超伝導エレクトロニクスの研究に精進し、その成果を学生教育に生かしたいと考えております。この度は、誠にありがとうございました。
【寄稿：応用科学群応用化学科 准教授 竹清 貴浩】
この度は、栄誉ある山崎奨励賞を賜りまして、大変光栄に存じます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様をはじめ、山崎賞等選考委員の先生方ならびに関係各位に深く御礼申し上げます。この度授賞対象となりました研究テーマ「不均一系溶媒中における蛋白質の立体構造安定性とその溶液構造解析」は、イオン液体を含む様々な添加物と水との混合溶液中における蛋白質の立体構造安定性とその溶液構造の相関から、どのような溶媒環境が蛋白質の安定性を維持できるのかを明らかにしたものです。本研究の成果は、大腸菌や酵母等の細胞を用いて発現させた希少価値の高い組み換え蛋白質を安定に保存できる溶媒構築に繋がります。今回の受賞を励みに、今後も蛋白質の新規保存溶媒構築の研究活動に邁進するとともに、学生により幅広い視野を与えるべく努力して参ります。この度は、本当にありがとうございました。
【寄稿：電気情報学群機能材料工学科 准教授 青野 祐美】
この度は、山崎奨励賞を賜りまして、大変光栄に存じます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様、選考委員の皆様、今回ご推薦をいただいた電気情報学群長、機能材料工学科長、共同研究者に心より御礼申し上げます。受賞対象となった研究は、アモルファス窒化炭素を中心とした複数の材料の光学的・電気的・化学的特性に関する物性研究です。今後も、材料の新しい機能発見を目指し、複数の領域にまたがる幅広い研究活動に邁進し、本校の学生教育に生かしていきたいと思います。この度は、誠にありがとうございました。
【寄稿：総合教育学群体育学教育室 助 教 蒔苗 裕平】
この度は、栄誉ある山崎奨励賞を受賞させて頂き、大変光栄に存じます。防衛大学校学術・教育振興会の関係各位、選考委員の先生方に感謝申し上げます。「骨格筋肥大」という言葉を聞くと、ボディビルダーやアスリートのための研究、というイメージを持たれる方も多いかと思います。しかし、我々一般人にももちろん骨格筋はついており、その量の維持増加は健康寿命（QOL）の延伸に重要であることがわかっております。私は主に運動による骨格筋肥大のメカニズム解明を目的として研究を行っています。そして、将来的には、より効率的・効果的に筋肥大を生じさせることのできる運動プログラムや栄養介入法を開発したいと考えております。今回の受賞を励みとして、今後はさらに研究活動に精進して参りたいと考えております。また、研究成果を学生教育に還元していく努力もあわせて行っていく所存です。この度は誠に有難うございました。
平成２８年３月１５日、訪日中のタウル・マタン・ルアク・東ティモール民主共和国大統領は、防衛大学校を訪問されました。ルアク東ティモール大統領は、國分良成学校長と将来の軍指導者の育成の重要性等について懇談されたのち、学生舎を見学され、防衛大学校の教育方針について知見を深められました。また、訪問の最後には東ティモールから派遣されている留学生と懇談し、激励されました。
防衛大学校では、平成２８年３月１５日に平成２７年度第２回古典芸能鑑賞会を開催しました。この鑑賞会は、防衛大学校学術・教育振興会の御支援を得て防衛大学校が主催しており、全学生に対して我が国の伝統芸能に触れる機会を提供し、日本文化に対する理解を深め、幹部自衛官として必要な教養を養わせることを目的としています。
今年度第２回目は、人間国宝にも認定されている歌舞伎界を代表する女形であり、紫綬褒章やフランス芸術文化勲章コマンドゥール章を受章される等、日本のみならず海外での評価も高く、舞台・映画等の分野でも活躍されている５代目坂東玉三郎氏をお招きし、國分良成学校長、山近久美子教授が進行役となってトークショー形式でお話を伺いました。トークテーマは歌舞伎における型の重要性や伝統継承の困難さに始まり、日々の生活への取り組み方や意識・自覚の必要性に至るまで、極めて多岐にわたりました。特に、細部の積み上げからのみ大きいものが立ち上がる、芸の土台作りについてのお話は、学生生活のみならず防大生の今後の自衛官人生のあり方にも通じるテーマであり、会場の関心を大いに集めました。
様々なご経験を踏まえた坂東玉三郎氏のお話を直接伺える貴重な機会ということもあり、学生からの質疑も非常に活発に行われ、鑑賞会は盛況のうちに幕を閉じました。
