防大かわら版VOL.97

2018年09月13日

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◯掲示内容一覧
・中期学生隊学生長としての決意、抱負
・中期大隊学生長としての決意、抱負(各大隊)
・遠泳訓練参加所感(1学年:各大隊)

中期学生隊学生長としての決意、抱負

4学年 筒井 健司 岐阜県立岐阜高等学校(岐阜県出身)

平成30年度中期学生隊学生長を拝命致しました、筒井学生です。
防衛大学校は世界一の士官候補生学校を目指している。学力や体力等の個人の能力の世界一だけでなく、一人一人の「可能性」・「伸びしろ」の世界一も重要だ。伸びしろの測り方は難しいですが、一つの指標となるのは「どれだけ能動的であるか」だと思う。チームの方針、目指すべきものをうけて「自分はこう頑張ろう」と取り組んだり、「自分はこうしたい」とリーダーシップを発揮したりといった、内から発せられるものに基づいて動くことで、成長の可能性、伸びしろに繋がると考える。
 そのため、中期の学生隊スローガンを「発意」とした。前期は規律を維持し基礎を固めた。それを基に年間のスローガン「向上、真の防大生とは」を追求すべく競技会・行事、普段の学生舎生活に至るまで学生の発意を促し活性化させていく。
 最後に、私の勤務目標は「先駆け」とした。諸先輩から引き継いだ良き伝統を守りつつ、新たな可能性に向けて尽力していく所存である。

ロシア派遣時(右端が本人)

中期第1大隊学生長としての決意、抱負

4学年 三谷 晃平 高知県立岡豊高等学校(高知県出身)

 私は中期大隊学生長の任に就くにあたり「Mind」、この言葉を大切にしていきたいと考えている。
防衛大学校では、学生に自主自律の精神が求められている。私がここで言う自主自律とは、単に「自分のことが自分で出来る。」ということだけではなく、学生自身が防衛大学校や社会の規範の中で、自分のやりたいこと及びやるべきことを考え、それに全力で取り組むことであると考える。自主自律の精神を確立することは非常に難しいが、それに向けてさまざまな取り組みや経験をすることで、防衛大学校学生としてだけでなく社会人として成長できるとともに、そこで経験したリーダーシップやフォロワーシップによって、一人一人のMind(考え方)に幅が生まれてくると考える。そのため、「Mindを各人が充実させること」、この困難な問題に対して私は大隊学生長として取り組んでいきたいと思う。
 前期に大隊学生長を中心に1大隊の学生全員で築いた「基礎事項の徹底」を礎として、中期は学生が自分自身の充実に向けて躍進できるような環境を1大隊として作り上げていく所存である。それにより1大隊はさらに良い大隊になっていくと信じている。

部室前にて(本 人)

中期第2大隊学生長としての決意、抱負

4学年 中村 啓佑 私立鹿児島情報高校(鹿児島県出身)

第2大隊では学生間で「誇りある第2大隊」という年間方針を立て、第2大隊に所属している学生が誇りを胸に持った学生舎生活を送れるよう、大隊運営に取り組んでいきたいと考えている。
 目標である「年度最優秀大隊」を達成するには、中期に数多くある競技会に勝たなくてはならない。競技会は大隊としての総力戦であり、大隊が一丸となった団結が求められる。そのため、第2大隊の学生一人一人が同じ志を抱き、全学生で共に取り組むことが必要である。
 そこで私自身の課題は、第2大隊の学生の目標を同じ方向に持っていくことだと考える。前期大隊学生長である福島学生が築いた基盤を大切に、大隊として一つになって様々な物事に取り組んでいきたいと考えている。第2大隊としてさらなる発展を目指し、大隊学生長として大隊のために尽力する所存である。

インド国防軍士官学校(右が本人)

中期第3大隊学生長としての決意、抱負

4学年 松岡 倫太郎 山口県立宇部高等学校(山口県出身)

 前期の第3大隊は前期3大隊学生長工藤学生の「和衷協同」という勤務方針のもと率いられた。結果としては、カッター競技会準優勝、パレードでは各中隊が上位に入るなど幸先の良いスタートとなった。しかし、服務面に関して多数の問題が生起し、改善が必要な部分も多々ある状況である。
 中期は一年の中で最も期間が長く、多くの競技会が実施されることから平成30年度のカラーが強くでる時期である。また、今年度は中央観閲式も行われ多数の方々に注目される。そのために第3大隊の学生一人一人が理想の防大生像、幹部自衛官像を認識し、自主自律の精神のもとで追い求めていかねばならない。各人が大隊への帰属意識を持ち、前期の競技会に対する勢いをもって中期に臨めば第3大隊は年度最優秀大隊に最も近くなると確信している。
 私は第3大隊全員で大隊年間方針である「改革」を行い、かつての活気を取り戻し楽しい中期にしていきたい。

英空軍士官学校交流戦後の懇親会にて
(左端が本人)

中期第4大隊学生長としての決意、抱負

4学年 松元 平河 宮崎県立小林高等学校(鹿児島県出身)

第4大隊は、前期大隊学生長大西学生以下、各長期勤務学生及び各部屋長の尽力により、平成30年度第4大隊の基礎・基盤は確立されたと考える。
 入校当初は右も左もわからなかったであろう1学年も、日々の学生舎生活、勉学、訓練及び校友会活動を通じ、大きく成長している。また、2・3・4学年に関しても、各学年が持つ役割とは何かを考え、それぞれの理想を追求し、在るべき姿に向かいつつある。しかしながら、防大生として、ひいては1人の社会人として、未熟な部分も散見される。それを受けて私が掲げる中期の勤務方針を「更なる高み」とした。中期は1年間の中で最も長く、各種行事や競技会に加え、今年度は中央観閲式も行われるなど、非常に重要な期であり、個人として、そして大隊として大きく成長できる期であると考える。
 第4大隊学生長として率先垂範の姿勢で勤務し、前期に築かれた基礎、基盤を引き継ぎ、第4大隊を更に飛躍させ、常に高みを目指し、挑戦し続ける大隊にしたい。

米士官学校にて(中央が本人)

遠泳訓練参加所感(1大隊)

1学年 小出 祥太郎 私立海陽中等教育学校(東京都出身)

平成30年7月25日に体力・精神力の向上及び団結力の強化を目的として東京湾で8km遠泳を行った。遠泳は、7月の1ケ月実施される第1学年夏季定期訓練の最大の目玉である。私は、入校後に行った泳力測定において、37mしか泳げず、泳力不足の判定となった。泳力測定終了後まもなく、水泳補備訓練が始まった。課業終了後の校友会時間に水の蹴り方や手の使い方など平泳ぎの基礎を教わった。初めは泳法を身に着けようと必死に泳いでいたが1カ月ほど経った頃から泳げる距離も伸び、そして、6月中旬には基準タイムを大きく上回って水泳補備訓練から抜け出すことができた。夏季定期訓練期間に入り、プールにおける訓練が始まった。補備訓練の成果により、長時間にわたりプールで泳ぐことは、さほど苦ではなかった。最後の30周泳では、本番を想定してバディーを見ながら泳ぐほど余裕ができていた。8km泳本番の10日前から、海面での訓練が始まった。最初の慣熟では、パニックを起こす学生も多く、私も海水をたくさん飲んでしまい、一度溺れそうになった。その後、1km、2km、3km、4kmと距離が伸びていく中で、だんだんと海で泳ぐことに慣れていったが、最前列の学生についていくことで精一杯だった。4km泳の時には食事訓練もあったが、うまく食べることが出来ず、本番がより不安になった。しかし不思議なもので、本番8km泳の当日の朝、私は完泳できる自信しかなかった。おそらく、これまでの訓練を積み重ねてきたことが自信になっていたのだろう。実際、泳ぎ始めてから4kmほどは、あっという間だった。不安要素であった食事訓練もうまくいき、「あとは帰るだけ」そう思っていたのだが、ここからが一番きつかった。進んではいるが、ゴールの走水小学校が近づいてこない。食事訓練があったとはいえ空腹で力が出ない。波にのまれ海水を飲んでしまった。私一人で泳いでいたら、ここで諦めていたであろう。しかし、バディーをはじめ同期がいたからこそ、最後まで泳ぎ切ることが出来たのだと思う。今回の遠泳で私が学んだこと。それは「同期との絆が生み出す力は、過酷な状況をものともしない」ということだ。指導教官や助教の方々、共に泳いだ同期の仲間、応援してくださった全ての方々のおかげで、このような素晴らしい経験をすることが出来たのだと思う。

遠泳集合写真

遠泳訓練参加所感(2大隊)

1学年 江口 周平 山形県立米沢興譲館高等学校(山形県出身)

遠泳、それは1学年の夏季定期訓練の目玉であり、夏季休暇前の大きな行事である。
防衛大学校に入校して最初の水泳検定では、私は平泳ぎで50mしか泳ぐことができなかった。いわゆる赤帽(泳力不足組)として、5月から水泳補備訓練が始まった。2大隊の合格の基準は厳しく、100m平泳ぎを2分以内で泳ぎ切らないといけなかった。しかし、教官の方々の熱心なご指導により、2大隊の補備者はぐんぐんと上達した。
 夏季定期訓練中盤から始まった海面訓練では、高い波や海水の塩辛さ、見えない赤クラゲにプール訓練では感じなかった海の恐怖を感じた。しかし訓練を重ねるごとに隊列を整頓できるようになり、バディーと励ましあって泳ぎ、徐々に自信をつけながら本番を迎えた。
 当日は8km泳ぎ切れるか不安があったが、上級生の方々からの差し入れや激励を力に変え、自分たちを奮い立たせながら入水した。訓練の時よりも波が高く、何度もくじけそうになったが、その度に列長やバディーが私を励ましてくれ、約5時間半で8kmを完泳できた。
 この遠泳訓練を通じ、様々なものを得ることができた。水泳が得意でなかった私が水泳を好きになったこと、同期と団結して完泳を目指し、絆を深めたことはこの夏の最高の思い出になった。

集合写真(1番右列、前から7番目が本人)

遠泳訓練参加所感(3大隊)

1学年 田村 美樹 愛知県立豊丘高等学校(愛知県出身)

防衛大学校に入校して怒濤の前期も終わりが見えてきた7月、1学年全員が待ち望んでいた夏期定期訓練が始まった。定期訓練は様々な訓練が行われるが、1学年にとって最も大きな試練となったのは、定期訓練の締めくくりに行われる「8キロ遠泳訓練」です。私は水泳経験があり、泳ぎには自信があったものの、水泳が苦手な同期もいて、遠泳訓練の組の副組長を任された私には全員で8キロを泳ぎ切ることができるかという不安があった。
 遠泳訓練はまず初めにプールで泳力の錬成が行われた後に海面での訓練が行われた。訓練のない空き時間などを利用して、泳ぎ方や楽に泳ぐコツなどを一緒に練習していく中で、1学年全員で遠泳を乗り切ろうという一体感が芽生えていくのを感じた。そして遠泳訓練の本番、この日は天候にも恵まれ多くの上級生に見送られて私たちの8キロ遠泳が始まった。8キロという距離は果てしなく長い道のりのように感じたが、今まで一緒に訓練した同期と励まし、支えあいながら泳ぎ切ることができた。
 遠泳訓練は水泳経験のある私にとっても決して楽なものではなく、訓練の目的に掲げられた「体力と気力の向上」を達成する以外にも様々なものを得ることができた。泳ぎが得意な学生も不得意な学生も同じ目標を目指して一緒に成長していくなかで同期との絆をより強固なものにできたことは、私にとってかけがえのないものであり、一生忘れることのない経験になった。

8㎞遠泳訓練入水前

遠泳訓練参加所感(4大隊)

1学年 不動 翔基 陸上自衛隊高等工科学校(兵庫県出身)

私達1学年は7月の約1か月間に及ぶ夏期定期訓練において遠泳訓練を実施した。ただし、泳ぎの苦手な一部の学生は5月から練成を開始した。
 私は4大隊B組長を務めた。私が組長として感じたことは、特殊な条件下で行う指揮の難しさである。遠泳訓練は特性上プールや海など普段と異なる場所で行われるため学生は気分が高揚して私語をしたり、クラゲなどに驚きパニックになったりすることがあった。1人、2人がこれらのことを行うと教官の指示が聞き取れずに非常に危険なので、注意喚起を事前に行うなど先を見据えた行動が必要だと感じた。
 また、波がある中で泳ぎながら指示をする際は、内容を端的にまとめ、端まで聞こえるように大きな声を出すことなど様々な工夫が必要であり、苦労した。 
 遠泳訓練最終日には8キロメートルを泳いだ。私は海の潮の流れの影響は全く受けないものと思っていたが、実際に泳いでみると、向かいの潮では全く進まず、横方向に潮の流れがあると気がついたときには沖に流されるなどプールとは全く異なる環境に驚いた。
今回行った遠泳訓練で辛いことを同期の仲間で協力して乗り超えるという他の大学では経験することのできない貴重な経験をすることができた。この経験を基に更に同期との団結を深めていきたい。

      本 人

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