防大かわら版VOL.89

2018年01月30日

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掲示内容一覧
・後期学生隊学生長としての抱負
・3学年冬季定期訓練所感(硫黄島研修)
・ビブリオ競技会の所感

後期学生隊学生長としての抱負

4学年 石橋 勇生 福岡県立伝習館高等学校 (福岡県出身)

平成29年度後期学生隊学生長を拝命致しました、石橋勇生です。創立以来受け継がれてきた伝統のさらなる継承とより一層の発展のために尽力させて頂く所存です。私の勤務目標は「One for All」です。このスローガンには、防大生約2000名“One”が防大の名誉・防大生の品格向上という“All”に向かって一丸となって突き進もうという強いメッセージを込めています。昨今の災害対処、海外でのPKO活動を始めとし、自衛隊には多くの国民そして世界中が注目し、期待しています。将来の幹部自衛官となる、我々防大生にも何かできることがあるはずです。学生一人一人が、自らの使命を強く自覚し、自らを高め、防衛大学校を高めること、ひいては自衛隊を強くすることこそがそれに当たるのではないかと思料します。「One for All」世界、日本、自衛隊、防衛大学校、家族、仲間、皆がそれぞれ何かの一員です。“All”の為に何ができるか、それを考え、実行することを固く約束致して、私の抱負とします。

       後期学生隊のメンバー

          左が本人

3学年冬季定期訓練所感(硫黄島研修)

3学年 森山 敬朗 都立駒場高等学校 (東京都出身)

12月11日から15日までの間、冬季定期訓練において硫黄島研修を行った。硫黄島を訪れることができるのは自衛官でも限られており、研修できることに感謝の気持ちと責任感をもって臨んだ。実際に戦闘が行われ、遺骨や武器、装具の残骸が残されている硫黄島に到着し、私はその重々しい空気に押しつぶされそうな感覚になった。私たちはまず慰霊碑に対し献水と黙祷を行い、私はそこで平和の希求を願った。その後、砲台跡や壕を研修し、そこから想像される戦火の凄まじさに圧倒された。事前に戦史の授業や資料で学習していたものの、現地でしか感じられない緊迫感も多くあり、さらに壕の中の熱さは想像を遥かに超えていた。当時、圧倒的な数を誇り兵器の面でも優れていた米国に対して、日本軍の選択した戦法は持久戦であった。小さな島に取り残された日本兵は死と隣り合わせの状態であり、加えて40℃を超える壕の中での暑さ、食料や水分の不足、そして何より心の支えである家族を本土に残しての戦いであった。まさに地獄の戦いであったことを身をもって感じることができた。この厳しい環境の中で先人が戦い抜くことができたのは忠誠心と愛国心があったからだと感じた。私たちは、日本を守る者としての誇りと使命感をもって戦った先人たちに対して畏敬の念を持つとともに、今に生きる者として先人たちのその強い志を受け継がなければならないと感じた。現在の平和があるのはこのような先人たちが命を懸けて戦った歴史の賜物であり、平和であることに心から感謝した。そして将来の国防を担う幹部自衛官となるべき者として名誉と責任を自覚するとともに、先人の忠誠心と愛国心を見習ってこれからの防衛大学校での生活や自衛官生活に活かしていく。

   記念壁画前にて(左から2番目が本人)

     現在は穏やかな硫黄島の風景

3学年冬季定期訓練所感(硫黄島研修)

3学年 鈴木 雄太 岩手県立一関第一高等学校 (岩手県出身)

島全体が墓標。硫黄島研修のブリーフィングでの一言である。硫黄島に降り立った瞬間、12月とは思えない気温・湿度の高さに驚いた。この環境で島全体に壕を張り巡らせたことを考えると、その過酷さを容易に想像できる。壕は人一人通るのがやっとの幅で、かつ暑く、数十分の研修でも体力を消耗し、喉が渇くものであった。壕内で日本軍将兵の心境に思いを馳せた。水・食料は底をつき、補給は無く孤立無援、また、劣悪な衛生環境の中で、国・家族、大事な人を守るために身命を賭した英霊達の崇高な使命感は、私達が真似できるような軽薄なものではないと感じた。私は、将来幹部自衛官になる者としての使命感と責任、大事な人のために身命を賭す覚悟を学生のうちから醸成することの必要性を強く感じた。また、栗林中将に私達が目指すべき統率の姿を見ることができた。栗林中将は日頃から部下と顔を合わせ、常に同じ目線に立って指揮をされていた。だからこそ、壕の工事において様々な過酷な状況であったにも関わらず、短期間に多くの壕を構築することが出来た。玉砕の禁止という命令に対して、部下が納得し、服従した。私達も防大での集団生活において、上級生としてこのリーダーシップを見習い、下級生に範を示さなければならないと感じた。本研修から多くのことを学び、感じたことを今後の勤務に生かし、理想の幹部自衛官になれるよう励んでいきたい。

         紫の腕章が本人

     すり鉢山を背景に訓練班集合写真

3学年冬季定期訓練所感(硫黄島研修)

3学年 岡本 武道  横浜市立南高等学校 (神奈川県出身)

冬季定期訓練の中で最も印象に残ったのは硫黄島研修であった。あの場所に降り立ち、最初に感じたものは「孤独感」だった。心のよりどころは、周りにいる一緒に来た仲間と島を取り囲む美しい海といった感じだ。当時の守備隊の人たちは、それに加えて二度と帰れないという悲壮感と、10人の敵を倒すまで死ぬことを許されないという絶望感を持ってこの島で戦った。実際に硫黄島に行って雰囲気を感じてみると、当時の人たちに対する哀悼の気持ちと、敬意といったものが自然と湧き上がってきた。私は硫黄島研修の前後に、映画「硫黄島からの手紙」を見た。研修に行った後の劇中における栗林中将の「10人の敵を倒すまで死ぬことは禁ずる」という言葉は、行く前に見たものとは比べ物にならない程、重く受け止められた。ここまでは研修を通じて人間として率直に感じた事だが、将来部下を率いていく立場になる者として感じたことは、あのような過酷な環境下で理性を保ち、合理的な作戦を考案し、それを実行していけるだけの力を果たして自分は身に付けられるかということだ。そのためには学生のうちに積めるだけの経験を積み、過去の先輩方に恥じぬように努力していかなければならないと思った。今回の研修で学んだことを糧に、これからも精進していこうと新たに決意した。

      鎮魂の丘での献水の様子

        すり鉢山に立つ本人

ビブリオ競技会の所感

4学年 前田 拓志 兵庫県立西宮高等学校 (兵庫県出身)

私は、今年度で4回目となるビブリオ競技会(本を紹介し合い、最も読みたいと思う本を投票で決める競技会)において最優秀を獲得することが出来た。個人的な成績も勿論だが、やはり4大隊の大隊優勝に貢献できたことに喜びを感じた。また、ビブリオ競技会を裏方で支えてくれた全ての学生、応援してくれた学生にこの場を借りて感謝申し上げる。さて、私が本競技会において紹介した本は柴五郎という方の伝記、『守城の人』だ。柴五郎は北清事変(義和団の乱)において活躍した軍人であり、私たち防大生の大先輩にして私が尊敬し目標とする軍人である。私がこの本を紹介することで伝えたかったのは、偉大な先輩の極限状況でも更に努力する姿や喜怒哀楽、武人としての高潔な精神そして豊かな国際性である。この本は私たち防大生が何を目指してどう努力すべきなのか、単なる技術や学問だけでなく人間的な成長についてさえ多くの示唆を与えてくれる。私はあと少しで防衛大学校を卒業するが、今後も大先輩の背中を目指して一日一日努力していこうと思う。

               弁舌の様子(本人)

                表彰式の様子(本人)

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