防大かわら版VOL.82

2017年06月23日

サンドハースト競技会

4学年 伊藤 貴晃 私立自由ケ丘高校(福岡出身) 

サンドハースト競技会(29.4.2~4.8)において分隊長を務めた伊藤学生です。サンドハースト競技会とは毎年米陸軍士官学校で行われる戦技競技会で、米国はもちろん、イギリスやカナダといった世界12カ国の士官候補生が参加しています。競技会は非常に厳しいもので、精神的、肉体的に限界を感じることもありました。しかし私には途中でやめたり諦めたりするという考えは一切浮かびませんでした。なぜかと言うと、自分で参加を熱望したこと、教官や助教の方々は、自分と家族の時間を犠牲にしてまで指導してくださったこと、共に訓練をしながらアメリカへ行けなかった仲間達がいること、また、何よりこの競技会で日本・防大生としての存在感を発揮して、日本の安全保障に貢献したいという強い意志があったからだと思います。競技の間、各国の士官学校の学生や教官の「Good job Japan!」という言葉を何度も聞くことができ、我々が目指していた目標をある程度達成できたのではないかと感じましたが、我々の挑戦はまだ始まったばかりです。この経験を活かし、今後も精進していきたいと思います。このような得難い機会を与えて頂いた防衛大学校、先輩や同期・後輩、また、丈夫な人間に生み育ててくれた両親に感謝します。

後列の向かって左から3人目が本人

向かって左から4人目の日の丸をもっているのが本人

カッター競技会 大隊責任者の任を終えて(優勝大隊 4大隊)

4学年 土谷 海斗 北海道函館中部高校(北海道出身)

このたび我々4大隊は、カッター競技会において予選5レース中3レースを制するという好成績で5年ぶりの大隊優勝を勝ち取ることができました。この結果を受け「優勝の要因は?」という旨の質問を度々されましたが、一口に「○○のおかげ」と断定できるものではないと考えています。4大隊の2学年各個人の高い意識及び潜在能力、そしてそれを如何に引き出すかを自分の時間を削り考えぬいてくれた各スタッフ(競技に参加する2学年の指導にあたる主に4学年)の努力、本番で力を最大発揮できるよう過酷な環境下で整備作業に従事してくれた学生の支援、学生の計画を最大限に尊重してくださった指導教官の助言、これらを有機的につなげた4大隊の雰囲気、これら一つでも欠けていれば大隊としての優勝は困難だったと考えています。また、当初はあまり積極的ではなかったスタッフもいましたが、日を経るごとに2学年に対する愛情が高まり、競技会本番には2学年と同じ鉢巻を巻き、負けても2学年とともに涙を流し、語り合う姿を見てカッター競技会の本質を見ることができ、大隊責任者として感無量でした。最後になりましたが本競技会に至るまで様々な指導をしてくださった指導教官の方々、支援していただいた全学生、そして何より、最後までついてきてくれた2学年に感謝の意を表します。

第4大隊の優勝記念写真(前列看板を持つのが本人)

朝礼台にて優勝報告

カッター競技会参加の所感(1大隊)

2学年 佐藤 真琳  秋田県立秋田南高校(秋田県出身)

 我が中隊の艇が競技会で優勝するまでの道のりは、まさに青春ドラマのように劇的なものであった。集まったメンバーは目立って身体能力が高い者もおらず、声を上げて互いを鼓舞しようとする者もおらず、約1か月続く訓練の出だしは良くはなかった。しかし本番までの約1ヶ月間は、艇に乗る12人はひたすら漕ぎ、それ以外のメンバーは全力で応援した。最初は全く合わなかった櫂の動きも、勝ちたいという気持ちが揃ったことでピッタリと合うようになった。そして全員が、絶対に優勝するという意思を堅持してレースに臨んだ。競技会延期も危ぶまれた荒れた天候の中での勝負になった。波が高く思うように漕げなかったように見えたが、焦らずしっかりと櫂を合わせたことで他の艇にドンドン差をつけていった。私は艇を指揮するポジションであったが、この決勝レースが今までで一番仲間の息が揃っていたと感じた。折り返し地点を回頭したら他の艇の姿はなかった。優勝を狙えると全員が思った瞬間だった。私は、残り約800メートルあたりから号泣しながら漕いでいる仲間の顔が忘れられない。カッター競技会で手に入れたものは優勝だけではなかった。それは2学年としての団結、上級生との信頼関係である。また、何か一つのことに全員が全力で挑むことの楽しさと厳しさを知った。我が中隊の艇の指揮官になり、仲間とゴール出来たことは私の誇りである。

左から2番目が本人

本人

カッター競技会参加の所感(2大隊)

2学年 中野 佑弥  大阪府立四條畷高等学校(大阪府出身) 

私たち22中隊2学年は、カッター訓練開始直後バラバラな状態だった。仲間である同期の名前もお互いにわからない、指導に当たる上級生の名前もわからない、乗艇する際の安全事項の筆記テストで平均7割しか取れないなど、最悪のスタートを切った。安全事項の知識が完璧になるまで危険であると判断され、カッターに乗ることすら許されず、陸上でミーティングが続いた。そのミーティングを通して出た目標が、「一(ひとつ)」である。1か月しかない・1度しかない・一生の思い出・気持ちを一つに・1位を取る…そんなメンバーの思いを込めて、自然とこの目標は出来上がった。様々な厳しいトレーニングをお互いに励まし合って乗り越え、カッター競技会当日の天候は曇りで、風は今までの練習の中で一番強く感じた。22中隊の艇は予選第1レースであった。私たちは練習で習得した、持ち前のスタートダッシュで他の艇を突き放そうとしたが、隣の42中隊の艇はぴったりとくっついてきて、回頭まで全く差がなかった。しかし、前日まで回頭練習を集中的に行ったことが功を奏し、ブイ回頭とその直後のダッシュが決まり、42中隊に差をつけることができた。結果は、1艇身差で決勝進出となった。タイムは予選5個レースの中で最速だった。決勝は、予選以上に荒れた海の中で行われた。結果は4位だったが、どの艇が勝ってもおかしくない白熱したレースとなった。結果がすべてとも言うが、回頭もうまく成功し、全員が全力漕ぎをして、自分たちができることは全てやりきったので悔いはない。みんなも同じ気持ちだと思う。この1か月に渡る訓練期間を終えて、日々の厳しい訓練の中、きつい時こそ声を出して励ましあった22中隊は、「ひとつ」になることができた。私にとって22中隊の2学年はかけがえのない仲間である。頼りない私を支えてくれた仲間に心から感謝している。

レース写真(手前右から3人目が本人)

集合写真(最前列右から3人目が本人)

カッター競技会参加の所感(3大隊)

2学年  大平 久美子  新潟県立新潟中央高等学校(新潟県出身)

今年度のカッター競技会において、私は選手(クルー)のリーダーを経験する、自分自身がとても成長できたことを実感している。カッター訓練期間中、私はリーダーとして、クルーをまとめていかなければならないと考え、一生懸命に取り組んだ。思うようにいかないことも多く、時には自分の一人よがりが原因で、仲間であるはずのクルーに迷惑をかけることもあった。しかし、仲間はそんな私を励ましながら支えてくれた。私はその中で同期との団結・絆及び友情の素晴らしさ、リーダーシップ及びフォロワーシップの大切さを学ぶことができたと思う。また、私たちにカッターの教育を実施してくれた上級生は、厳しさと愛情をもって私たちクルーを根気強く教え導いてくれた。そして競技会本番、カッターを教えてくれた上級生、多くの学生が応援する中、信頼するクルーとともに「優勝」を目標に競技に挑んだが、優勝できず、本当に悔しい思いをした。競技会である以上、勝つことが目的ではあったものの、それ以外に訓練を通じて得たものは多い。今回の訓練を通じて得た教訓及び悔し涙を共有したクルーとの思い出は、将来幹部自衛官となる私にとって、今後に活かして行けるかけがえなのないものになると確信している。これからも、防大生活だけでなく様々な人生の荒波も乗り越えていきたい。

(練習にて 右最前列が本人)

(カッター競技会本番にて 中央)

カッター競技会参加の所感(4大隊)

2学年 黒木 攻樹  宮崎県立宮崎北高等学校(宮崎県出身)

カッター競技会、それは防大生にとって乗り越えなければならない辛く厳しい競技である。最初は「優勝する」といった思いもなく、1か月に渡る厳しい訓練を何とか乗り切ろうという気持ちだった。迎えた訓練初日、不安な気持ちを抑えながら訓練集合の放送を聞いた。始まってみるとイメージしていたものとは違い、やらされるというよりも、自分たちで盛り上げ、作り上げていくような、厳しくも楽しい訓練だった。訓練を重ねるにつれ、同期間の団結や絆が深まっていき、競技会が近くなるとこのまま終わってしまうのが寂しくさえ感じた。そしてカッター競技会当日、海面の状況はあまり良くなかったが、クルーのモチベーションは最高潮で優勝することしか頭になかった。予選を順調に勝ち上がり、迎えた決勝、海面はさらに荒れていた。本番スタート位置まで曳航され各艇をつなぐ索が外された。それと同時に12人の漕ぎ手のオールは海中に突き刺さり艇を進めていった。しかし、この1か月間の訓練で経験したことのないぐらい艇が重たく進まなかった。何度も波にぶつかり艇が止まり、その度に心が折れそうになった。しかし、周りには同期がいて、同じように歯を食いしばり漕ぎ続けている。互いにそれを感じていたのだろう。誰1人として漕ぐことをやめなかった。誰1人として諦めなかった。長いレースが終わり、結果は3位であった。悔しくて涙が止まらなかった。これほど1つのことに没頭したのは初めてだった。だからこそ本当に悔しい思いをしたが、その悔しさ以上に多くの物を得た。この1か月間は大変充実したものであり、この期間で得た多くの、そして大切なものを糧として、防大生として生きていく。競技会は終わったが、まだ私は国防という大海原に漕ぎ出したばかりなのだ。 

競技会後の集合写真(二列目右から5番目本人) 

決勝の様子(奥の左から二番目本人)

空手道部紹介

4学年 田中 雄斗 熊本マリスト学園高等学校 (熊本県出身)

本年度、空手道部主将を務めます、田中雄斗です。我々空手道部は、年間目標として、「全国国公立大会男女共に優勝」「全日本大会男女共に出場」「関東リーグ1部男女共に3位以上」「協会全国大会男女共に優勝」の4つを掲げ、日々の練習に励んでいます。昨年度は全国国公立大会男子優勝(2連覇)、女子2位、全日本大会出場をし、校友会褒章も頂きました。現在の空手道部はレギュラー陣の層がとても厚く、初心者から始めた者もメキメキと力をつけ、出場した大会では好成績を収めるほどに成長しています。目標の大会に出場できるのは部員の中でも数人ですが、部全員で切磋琢磨し合い、協力し合い、チーム力を上げて全員で、目標を達成します。昨年度の全日本空手道選手権大会では、男女共に私立の強豪大学相手に引けを取らない試合をしています。限られた少ない時間で、一人一人が高い意識を持ち謙虚な姿勢で自分に厳しく練習し、練習内容をより濃いものにして今年こそは勝ちたいと思っています。最後に、みなさんの支えがあって、私たち空手道部は大好きな空手をできています。感謝の気持ちを忘れずに日々努力し頑張っていきますので、これからも一層のご支援、ご鞭撻を贈りますようお願い致します。

全日本大学空手道選手権大会にて

集合写真

紅太鼓同好会紹介

4学年 粟生 木栞 石川県立小松高等学校(石川県出身)

紅太鼓同好会は、2学年1名、3学年3名、4学年3名の7名のメンバーで活動しています。今まで女子学生のみで構成していましたが、昨年度男子学生が1名入部しました。今までは女性の繊細さやしなやかさを意識した演奏を行っていましたが、男子学生が入部したことで女子学生だけでは表せきれなかった力強さもこれからの演奏に取り入れ、今後より一層迫力のある演奏を目指して活動中です。同好会ということもあり、全員が他の運動部に加入しているため、太鼓ばかりに練習時間を費やすことは難しいのが現状です。しかし、外部から顧問をお呼びして練習時間が短いながらも質のある練習を行っており、太鼓に触れたことのない人でも必ず演奏できるように太鼓の基礎を一から学んでいます。活動内容としては、コンクールといった大会には参加していませんが、毎年6月に行われる文化部合同発表会と11月に行われる開校記念祭で演奏を披露しています。当同好会の目標はそこで日頃の練習の成果を発揮し観客に太鼓の魅力を感じていただけることとし、特に、開校記念祭では学生だけでなく一般の方々も見に来られるので力を入れて臨んでいます。今後は外部の発表会にも参加したいと思っており、外に向かって紅太鼓同好会のアピールをしていくことも視野に入れて取り組んでいきます。

ハーバード大学合唱団招聘時の演奏にて

ハーバード大学合唱団招聘時の演奏(中央が本人)

合気道部紹介

4学年 中屋敷  耀文 私立札幌光星高等学校 (北海道出身)

お初にお目にかかります。防大合気道部59代主将の中屋敷耀文です。この度は防大かわら版の紙面をお借りして私たちの部を紹介する機会をいただきありがとうございます。さて、皆さんは「合気道部」についてどのようなイメージを持たれているでしょうか?防大関係者の方においては、「合気道、テイ・テイ・ター」と言いながら道着で走っている集団という認識を持たれているかもしれませんが、合気道の稽古も陸トレ(陸上での体力トレーニング)以上に精力的に取り組んでいます。そもそも私たちがあれほど陸トレに力を入れているのは、自衛官としての体力や気力の養成の他に合気道で必要な強靭な足腰や体幹を鍛えるためです。その上に厳しい稽古を積み重ねることで、防大合気道部が誇る高い練度と躍動感ある演武を可能にしています。私たちの部は昨年11月に行われた全自衛隊合気道演武大会では2年連続で優秀支部に選んでいただく名誉に預かりました。また、全国大会においても防大の演武やその技量は高く評価されています。あまり知られていないのですが、私たちは全国有数の専用道場と高名な師範にお越しいただき、非常に恵まれた環境で稽古に励んでいます。私たちは合気道を通じて、知・徳・体の研鑽に励んでいます。磨いた技と苦楽を共にしてきた同期、上級生・下級生との隔たりのない関係性は我々の財産です。今後も、一層精進していきますので私たち合気道部をどうかよろしくお願いします。

全自合気道演武大会にて

中央で開祖の写真を持っているのが本人

少林寺拳法部紹介

4学年 清田 将太朗 私立文徳高校(熊本県出身)

防衛大学校少林寺拳法部62期主将の清田将太朗です。少林寺拳法部は、現在約60名の部員で活動しており、OBや顧問の支援を受けながら、我々62期政権が運営・指導を行っております。少林寺拳法部の目標は「日本一」であり、11月に行われる全日本学生大会の最優秀のために、日々の練習を行っております。昨今の少林寺拳法部の成果として、前回の全日本学生大会で3位入賞、2月に行われた全自衛隊大会での優勝等が挙げられます。防衛大学校の少林寺拳法部の特徴として、団体演武という競技種目に力を入れていることです。団体演武とは、通常2人組で行う演武を8人で行う競技であり、動きをそろえるための協調性や団結が求められます。少林寺拳法部は代々、この団体演武で日本一をとってきており、現在もなお、団体演武での日本一を目標としております。団体演武での練習で、時には同期とぶつかり合いながらも、共に日本一を目指していくことにより、その絆はより一層深まります。このような親密な横のつながり、または縦のつながりが防衛大学校少林寺拳法部の魅力ではないかと私は思います。

集合写真(前列右から5番目が本人)

全日本学生大会 団体演武

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