防大かわら版VOL.59

2015年09月11日

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遠泳訓練参加の所感

1学年 上田 拓己   県立第二高等学校 (熊本県)

私は夏季定期訓練において、防衛大学校1学年としての登竜門である8キロの遠泳を完泳することができたが、この遠泳訓練参加を通じて私が感じたのは以下の2点である。
 1点目は、同期の大切さである。訓練当日は天候にも恵まれ、最高の遠泳日和であったが、穏やかだった波も沖に進むにつれて高くなり、隊列が何度も崩れそうになり、8キロという距離に幾度となくくじけそうになった。しかし、その度にバディーの川底学生や隊の仲間の励ましがあり、無事完泳することができた時には、同期の有り難さを肌で感じました。
 2点目は、努力は裏切らないということである。4月当初は61メートルしか泳ぐことのできなかった私にとって、8キロという距離は途方もないような距離であり、泳ぎ切れるのか不安であった。しかし、毎日の水泳訓練に参加することで、少しずつ泳げる距離が伸び、ついに基準値まで泳げるようになった。日々の努力が、結果として大きな成果を残すことを感じた。
 私は、今回の遠泳訓練を通じて、大きな自信を得ることができた。この経験を糧に、今後、教育訓練、学生舎生活及び校友会活動に生かしたいと思う。

右奥が本人

1学年 湯川 竜太郎  私立熊本学園大学付属高等学校 (熊本県)

「自分の持つ力を仲間の為に使い、分隊に貢献する」これが私の目標であった。5歳からスイミングスクールに通い、高校では水球に明け暮れ、防衛大でも水球部に所属している私にとって、泳ぐことは息をするのと同じくらい自然なことであった。そういうわけもあり、私は副班長という隊列の最も後ろで泳ぎの得意でない列員をサポートするという役目を与えられた。
   しかしながら初めての海面訓練の際、私は自然の恐ろしさを思い知った。海とプールでは大きく違う点が2つあるのだ。それは海にはクラゲが棲んでいるという点と、波があるという点だ。私は赤クラゲに刺され、激しい痛みに耐えながら必死に泳いだ。前方では水を大量に飲みパニックに陥った同期が私に助けを求めている。痛みに耐えながらも私は彼を掴まらせて泳いだ。初めての海面訓練はそのような感じであった。    
   同期を助ける際は水球の練習で身に着につけた腰もちクロールや、重りまき足で培った技術がとても役にたった。また、教官から教えていただいた、蹴伸びした足を前方に押し出して推進させる技術も海面訓練を重ねるごとに上達し、仲間を効率よくサポートできるようになった。
  遠泳本番では6時間という長丁場であったが、全員で泳ぎ切ることができて本当に嬉しく、達成感があった。私はたまたま水泳が得意で今回は助ける側であったが、次は助けられる立場になるかもしれない。しかしどんな困難も助け合いの精神を持って取り組めば、乗り越えることができる。そんなことを学んだ定期訓練であり、8キロ遠泳であった。

左下緑色の水着が本人 (校友会活動にて)

1学年 髙木 智帆 私立洗足学園中学高等学校 (神奈川県)

防衛大の1学年にとって、夏の最後の試練とされる8km遠泳。副組長として参加した私は、組長とともに70人を超える組員を率いることとなった。日々の海面訓練では、海水をはじめ、容赦なく襲ってくる波や体温を奪っていく不安定な水温に悩まされた。また、それに伴う組員の体力低下及び隊列の乱れの改善方法を模索する毎日であった。
   遠泳当日の天候は曇り。学校長はじめ多くの防衛大関係者、学生のご家族や近隣にお住まいの方々からの熱いエールを背に、平成27年度の遠泳が実施された。水温の低さが危ぶまれたが、出だしは順調。長丁場だった遠泳もラスト2km、そんなとき、体力的にも精神的にも疲れが出ている学生が目立ち始めた。副組長として私ができることは一体何か。少しでも励みになったらとその一心でひとりひとりの元まで行き、声掛けを行った。
   無事完泳したわけであるが、私が一番の達成感を得たのは泳ぎきったことよりも、遠泳終了後のことだ。最後の声掛けに関して、同期からたくさんの感謝の言葉を受けとった。だれかのために、その思いで行動することがどれだけ素敵なことで、どれだけやりがいのあることなのか、今回、身をもって学ぶことができた。
   将来、部下をはじめ、国民に「尽くす」自衛官となるためにも、遠泳で感じた思いを忘れず、今後の訓練に励んでいきたい。

当日の訓練風景

1学年 伊藤 涼太 私立松山聖陵高等学校 (愛媛県)

入校当初、私は全くと言っていいほど泳げない金槌でした。最初の泳力判定では5mしか泳ぐことができず、本当に8kmの距離を泳げるようになるのかどうか不安でした。平泳ぎの泳ぎ方もわからず、息継ぎもうまくできず、水に浮くことさえできなかった私は、夏期定期訓練に先駆けて行われた水泳補備訓練に参加しました。私は補備訓練でもなかなか成果をあげられず、自分よりも先に補備訓練から抜ける同期達を見て焦りを抱きつつ訓練に臨んでいました。しかし、最後まで諦めずに指導官の方々のアドバイスを実践していくうちに少しずつ上達していき、遂には補備訓練から抜けることが出来ました。
   その後、夏季定期訓練での水泳訓練が始まりました。私の大隊ではプールでの訓練時間が他の大隊に比べて長かったため、非常にきつい訓練に感じました。しかし、長時間泳いだ甲斐あって泳力が大きく伸び、自信をつけることが出来ました。遠泳当日は波が高く、中々前に進むことができなかったため何度も心が折れそうになりましたが、補備訓練から培ってきた精神力や同期の激励のお陰で無事完泳すること出来ました。
   私が遠泳を完泳することが出来たのは同期や指導官の方々の存在があったからです。特に、バディは自分自身もきつかったはずなのに、私のことを気遣い、励ましてくれました。バディの支えがなければ完泳することはできませんでした。遠泳訓練では、「同期」の大切さを身に染みて感じることができました。今後は、私が同期を気遣い、励ますことが出来るようになりたいと思います。

左が本人

~校友会(部活)の紹介~
◇儀仗隊 ◇ヨット部(小型)


4学年 近藤 稔将  県立川越高等学校 (埼玉県)

「儀仗隊隊長挨拶」

平成27年度儀仗隊隊長を務めている近藤稔将です。

我々儀仗隊は学生のみで編成されています。防大に来校するVIPに対して儀じょうを行うのが我々の存在意義です。しかし、VIPが毎日来校されるわけではありません。そのため、技量の維持・向上のために普段はファンシードリルを中心に練習しています。入校式や卒業式、開校記念祭といった校内における場だけでなく、各駐屯地祭や日本武道館で行われる自衛隊音楽祭など校内外において活躍の場を頂いております。そのため、儀仗隊員は、防衛大学校の学生の代表であるという自負を胸に抱き、日々の訓練に励んでおります。
 ファンシードリルとは、軍事教練を指します。ファンシードリルを行う部隊や軍は多数存在し、それぞれに特色があります。防大儀仗隊の特徴は、ドラムだけによる音楽及びフォーメーションの精密さがあげられます。
 最後に、是非、実際に儀仗隊の演技を一度ご覧になっていただき、本校儀仗隊への理解を深めていただければ幸いです。何卒、宜しくお願い申し上げ、隊長の挨拶とさせていただきます。

右から2番目が本人

4学年 三澤 俊哉 県立柏高等学校 (千葉県)

「ヨット部(小型)主将挨拶」

年間目標「勝ちへの執着」
 最終目標「秋季インカレ決勝進出」
 我がヨット部(小型)は部員数の少ない中、インカレ出場に向けて日々練習しています。部員全員がヨット未経験でかつ練習時間が限られた環境の中で、いかにしてチームを勝利に導くかを考え、日々の練習に励んでいます。
 本スポーツの特徴としては、海上での練習以外にも、陸上での準備が勝利に繋がる重要な要素となることです。また、個人がチームのことを思い行動し助け合うことも非常に重要となります。
 我が部では、「時間管理」「整理整頓」「礼儀」「感謝」といった一社会人として身に付けるべき躾事項を最も大切にしています。また、他大学との交流を積極的に行っており、幅広い視野を養うことに繋がっています。ヨットというスポーツを通じて、人として大きく成長できるのがこの部活です。それを部の土台として「秋季インカレ決勝進出」を目指し日々精進していきます。
今後ともご理解ご協力のほどよろしくお願いします。

右から4番目が本人

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