防大かわら版VOL.105

2019年02月18日

防大かわら版ロゴ

◯掲示内容一覧
 ・冬季定期訓練参加所感(硫黄島研修)

冬季定期訓練参加所感(硫黄島研修)

3学年 山本理紗 広島県立広島国泰寺高等学校(広島県出身)

3学年冬季定期訓練の中で最も印象に残ったのは硫黄島研修であった。
 島に降り立って一番初めに感じたのは「蒸し暑さ」。到着した日の最高気温は27度であった。「硫黄島は島全体が墓標。私達は今、先人達の骨の上に立っている。」これは島に到着して最初に言われた言葉だ。本土とはまるで違う美しい自然に感動していた私に、その言葉は深く突き刺さった。硫黄島は太平洋戦争の中でも屈指の激戦地であり、現在も発見されていない遺骨が大量に残っている。これが「島全体が墓標」と言われる所以だ。
 硫黄島研修では、日米の慰霊碑や壕、トーチカを研修した。特に印象に残ったのは千田壕の研修である。壕の内部は湿度が非常に高く、気温も地熱によって40度以上となる。光は届かず、風も吹かず、水もない、外の世界とは全く隔絶された世界だった。私が実際に壕に入り、真っ先に感じたことは「この中で2か月は無理だ。」であった。ここで戦った先人達は、大切な家族や友人を守るために如何程の覚悟を以って戦ったのか。私は先人達の勇気と使命感に感嘆せざるを得なかった。
 しかし、私達が将来担う任務も彼らと同じ「国防」という任務である。私達は先人達と同じように、どのような状況・環境であっても命を賭して国を守らなければならない。先人達が守ってくれた国、そして平和を今後も守り続けるために、より一層勉学・訓練に励まなければならないと感じた。この研修を通じ、自身の責任の重さを改めて実感することができた。

米軍上陸地の南海岸にて
(上段左から3番目が本人)

摺鉢山から望んだ南海岸

3学年 田代 龍太郎 福岡県立修猷館高等学校(福岡県出身)

今回の硫黄島研修は、書物や映画等のメディアや他者からの伝聞では分かり得ないことを直接肌で感じるとともに、誰でも訪れることが可能な場所ではないということで、非常に貴重な経験となった。
 全般として、想像力が試される研修だと実感した。絶海の孤島での過酷な状況の中で1ヶ月生き抜くにはどれほどの覚悟があったのかなど、常に自分の身に置き換えて研修することを意識した。実際に実地に足を踏み入れることが、当時の硫黄島で命を賭して戦われた先人方の行動心理を少しでも理解する一助となった。
 特に印象に残ったのは、壕内での過酷な生活を耐え抜いた兵士の方々、そして彼らの士気を保ち、秩序を維持した指揮官の方々の行動であった。壕内の環境も想像していたより格段に厳しい状況で、まさに百聞は一見に如かずであった。指揮官の方々の統率力や兵士の方々の国防にかける想いに心を打たれた。
 硫黄島で亡くなられた方々の中には我々と同じ年代の方々も多数いたと承知している。そのような方々が命を懸けて遺したものを、次世代を担う我々は後世にこれからも伝えていくべく、研修で学んだ事を活かし日々邁進していかなければならないと実感した。

        本 人

擂 鉢 山 

防大かわら版