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田戸台分庁舎は横須賀鎮守府長官の宿舎として1913年(大正2年)に完成しました。

TEL. 046-822-3551

〒238-0015 神奈川県横須賀市田戸台90

田戸台分庁舎概要

田戸台分庁舎 (旧海軍横須賀鎮守府司令長官官舎)概要

 東京湾を一望に見晴らす田戸台分庁舎は、横須賀鎮守府長官の宿舎として、 1913年(大正2年)に建設されました。

 時の横須賀鎮守府長官はアメリカ海軍兵学校を卒業した海軍中将瓜生外吉男爵であり、 夫人は1871年(明治4年)日本政府が初めて勉学のためアメリカに送った数名の女子留学生に選ばれ、 1881年(明治14年)にはアメリカの大学を卒業しました。

 更にこの官邸を企画設計に当たった横須賀鎮守府施設部長桜井小太郎氏は、1890年(明治23年) ロンドン大学建設学科を卒業し日本人として始めて英国公認建築士の称号を得た人物です。
 田戸台分庁舎は瓜生夫婦と桜井小太郎氏の3人の博識と創造力による合作によるものです。

 最初の居住者は海軍中将東伏見宮依仁親王であり、以来1945年(昭和20年)終戦まで34代(31人) の歴代長官が居住しました。

 終戦後、アメリカ合衆国に接収され、1964年(昭和39年)まで9人の在日米海軍司令官等が 居住しました。1969年(昭和44年)防衛庁に移管され、海上自衛隊横須賀地方総監部が管理しています。

 現在では、国内外高官・要人の接遇、各種の会議場等として使用しています。

半世紀の時を超えて

 歴史遺産的価値も認められているこの施設には、建物と同じくらい歴史を刻んできた古いピアノがあり、現在においてもその美しい音色で聴衆を魅了しています。
 この美しい音色が復活するまでには様々な経緯がありました。

 事の発端は平成10年4月。
 横須賀方面を視察された当時の防衛政務次官が、居間の片隅に置かれていた古ぼけたピアノが、有名なスタインウェイ社製グランドピアノC型である、とコメントしたことに始まります。
 調査の結果、大正14年にハンブルグで製造されたものと分かり、現在価格にしておよそ1,000万円以上ということで大騒ぎになりました。 さっそくスタインウェイ社から主要な部品を取り寄せ大規模な修理を実施しましたが、一部に不完全な修理部分があったことや、湿気等による部品の劣化により、平成25年改めて修理を敢行。美しい音色が復活しました。

 当該ピアノがどのように田戸台に設置されたか確かな記録は残っていませんが、当時ロシアで日本海軍の従軍カメラマンであった野坂保雄氏(故人)が現地で購入し、 軍艦に積載、日本に持ち帰り、1929年(昭和4年)野坂氏の転居に伴い海軍に寄贈したとのご遺族からの情報があり、このピアノがはるばるドイツからロシアを経由し、 海を渡って田戸台に設置されたものかもしれません。

大正の音色

長い年月と数奇な運命をたどってきた田戸台分庁舎のピアノ。
ショパン『幻想即興曲 作品番号66


バナースペース

お問い合わせ:
横須賀地方総監部 広報係

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TEL 046-822-3551
平日:9時〜12時、13時〜15時