「海上自衛隊音楽隊シンフォニック・コンサート(東京都港区)」
平成23年12月5日(月)、サントリーホールにおいて海上自衛隊音楽隊シンフォニック・コンサート(海上自衛隊東京音楽隊第45回定例演奏会)が行われました。
このコンサートは「海の音楽隊 ここに集まる〜全音楽隊から選ばれた奏者たちの響演〜」をコンセプトに開催され、北から南まで全国の海上自衛隊音楽隊のピックアップメンバーによって、演奏されました。
「全国の音楽隊って、どこにいくつあるの?」という方のために、少しご説明いたしましょう。
海上自衛隊には、日本全国を活動範囲とする防衛大臣直轄の東京音楽隊のほか、各警備区域を主な活動範囲とする地方総監直轄の横須賀音楽隊(神奈川県)、呉音楽隊(広島県)、佐世保音楽隊(長崎県)、舞鶴音楽隊(京都府)、大湊音楽隊(青森県)の合計6つの音楽隊があります。
この全国の海上自衛隊音楽隊から集まった演奏者は81人。この大所帯でコンサートに向け、4,5日前から地方隊の隊員は東京音楽隊に宿泊し、釜の飯を共にし、リハーサルをしました。
釜の飯と言えば、東京音楽隊には食堂があり、調理員が勤務しております。彼らももちろん海上自衛官。そして、調理を専門とするプロの料理人です。いつもは音楽隊内に居住している隊員の食事を作っているわけですから、今回の調理の量は普段のおよそ3倍。演奏だけではなく、調理をはじめ、バックアップする様々な隊員がサントリーでのコンサートに向けて一丸となりました。
「サントリーホール」は、港区赤坂にある国内最高峰のコンサートホールです。世界最大級のパイプオルガンと全2,006席の大ホールはヴィンヤード形式で、(ぶどう畑を意味するステージを囲む席の配置のことです。)残響時間は満席時、中音域で2,1秒と言われています。この素晴らしいホールでの海上自衛隊単独でのコンサートは史上初で、隊員一同も楽しみにしておりました。
2部形式で構成された今回のコンサート、第1部は吹奏楽オリジナル作品を中心に、第2部はクラシック音楽や映画音楽など、様々なジャンルの作品を織り交ぜて演奏しました。
指揮:東京音楽隊長 2等海佐 河邊 一彦
第1部
イージス〜海上自衛隊ラッパ譜によるコラージュ/河邊 一彦
リンカーンシャーの花束/P.A.グレインジャー
第1楽章リスボン
第2楽章ホークストウの農場
第3楽章ラフォード公園の密猟者
第4楽章元気な若い水夫
第5楽章メルボルン卿
第6楽章行方不明の女性が見つかった
交響組曲「高千穂」から
T.天の逆鉾/河邊 一彦
ディエス・ナタリス/ハワード・ハンソン
第2部
劇的物語「ファウストの劫罰」から
ハンガリー行進曲/エクトル・ベルリオーズ
喜歌劇「美しきガラテア」序曲/フランツ・フォン・スッペ
歌劇「ジャンニ・スキッキ」から
私のいとしいお父さん/ジャコモ・プッチーニ
ソプラノ:海士長 三宅 由佳莉
映画「風とともに去りぬ」から
タラのテーマ/マックス・スタイナー
祈り/河邊 一彦
ソプラノ:海士長 三宅 由佳莉
バレエ音楽「くるみ割り人形」から
パ・ド・ドゥ-イントラーダ/P・I・チャイコフスキー
戴冠式行進曲「クラウン・インペリアル」/ウィリアム・ウォルトン
アンコール
行進曲「軍艦」/瀬戸口 藤吉
デリー地方のアイルランド民謡/P.A.グレインジャー
「吹奏楽」と一言に言いましても、オーケストラのアレンジ作品、ジャズやポピュラーのアレンジ作品、様々な国の行進曲や、国内外のオリジナル作品など、実に様々です。ですから吹奏楽のコンサートは演奏会のコンセプトやどのような演奏曲をセレクトするかで、コンサート会場の雰囲気を、緊張感のあるクラシックのコンサートホール風にも、楽しいライヴハウス風にもすることができます。
今回は、シンフォニック・コンサートでしたが、クラシックに偏るわけでもなく、河邊隊長の作品をはじめ、三宅士長の歌や映画音楽など、今の海上自衛隊音楽隊にしかできない、海上自衛隊音楽隊らしい演奏会だったのではないでしょうか。
国内最高峰のサントリーホールで、惜しみない拍手をいただき、足を運んでくださったお客様に心からお礼申し上げます。

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