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令和5年度海上自衛隊演習開始に際する日米豪加共同記者会見の実施について

 11月11日、自衛艦隊司令官 齋藤聡海将は、米海軍第7艦隊司令官カール・トーマス中将、オーストラリア海軍運用部長ミシェル・ハリス准将、在日カナダ大使館国防武官ロバート・ワット大佐とともに、太平洋を航行中の米海軍空母「カール・ヴィンソン」で執り行った日米豪加艦隊司令官級共同記者会見において、令和5年度海上自衛隊演習を万全かつ円滑に開始したことを発表しました。
 齋藤司令官は冒頭発言として、「今回の演習では、ハイエンドな訓練を通じて、各級指揮官の戦術判断等を演練し、海上自衛隊の任務遂行能力の向上を図ります。また、米海軍との共同対処能力及び相互運用性の向上を図るとともに、オーストラリア、カナダ海空軍及びフィリピン海軍との連携の強化を図ります。海上自衛隊と米海軍との関係はかつてないほど強固であり、日米同盟の抑止力・対処力の強化に貢献しているとともに、グローバルな連携体制の構築の一翼を担っています。力による現状変更の試み等、海洋安全保障に係る脅威が増大している情勢において、インド太平洋地域の安定化、ひいては世界の平和と安定のためには、強固な海軍種間の連携が不可欠です。自衛艦隊は引き続き、米海軍第7艦隊とともに、様々な事態に対応するとともに、『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けて、同志国軍との連携をさらに強め、我が国防衛及びインド太平洋地域の平和と安定に寄与してまいります。」と述べました。
 海上自衛隊演習は、昭和29年から実施している海上自衛隊最大の実動演習です。
 続けて、トーマス米海軍第7艦隊司令官は、「演習の開始を共に迎えることができ光栄です。我々4か国は、すべての国に恩恵をもたらし、インド太平洋地域の平和と安定を確保するための法に基づいた国際秩序の維持という価値を共有し、活動をしています。今回の演習を通じて、米海軍は参加国海空軍種との相互運用性の向上を図ります。」と述べました。
 今回の演習には、海上自衛隊のほか、米豪加軍から合わせて艦艇40隻、航空機30機以上が参加し、対潜戦や共同/統合対艦攻撃訓練をはじめとした実戦的な戦術訓練を実施します。
 ハリス豪海軍運用部長は、「再び海上自衛隊演習に参加し、地域の同盟国やパートナー国との長年にわたる関係の深化や共に活動する能力の向上を図ることができるとともに、地域の安全保障と繁栄を支援することができることを大変嬉しく思います。本演習への参加は、平和で安定した、回復力及び豊かさを持つインド太平洋地域の実現という我々の決意を示しています。」と述べました。  本演習には、昭和56年から米軍が、平成29年からカナダ軍が、令和元年からオーストラリア軍が参加しており、今回、フィリピン海軍が、オブザーバーとして初めて参加しました。
 ワット在日カナダ大使館国防武官は、「カナダは、太平洋国家として、同地域への部隊の派遣を通じ、近隣諸国と協力できることを誇りに思っています。今回のような大規模演習では、カナダ海軍の総合的な能力を向上させると同時に、海上でしか築けない信頼を築くことができます。我々は、パートナー諸国とともに『自由で開かれたインド太平洋』を築き続けていきます。」と述べました。  また、米海軍空母「カール・ヴィンソン」では、米海軍の主力戦闘機F/A-18及び最新鋭ステルス艦上戦闘機であるF-35Cの発着艦や同空母と並走する護衛艦「ひゅうが」との間をローパスする等の状況が、報道陣に公開されました。
 自衛艦隊は、即応態勢を維持し、我が国の防衛のみならず、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、同盟国・同志国海軍と協働して、インド太平洋地域の平和と安定に貢献しています。