パキスタンへの国際緊急援助｜海上自衛隊〔JMSDF〕オフィシャルサイト

パキスタンへの国際緊急援助

パキスタンへの国際緊急援助海上輸送隊（輸送艦「しもきた」）の出港

　2010年7月末に発生したパキスタン・イスラム共和国における大規模な洪水被害に対し、8月20日に防衛大臣から自衛隊部隊による国際緊急援助活動の実施について命令が発出されました。
これを受けて、海上自衛隊の輸送艦「しもきた」がパキスタン国際緊急援助海上輸送隊として、パキスタン国際緊急航空援助隊の輸送ヘリコプターを海上輸送することになりました。

パキスタン国際緊急援助海上輸送隊について

■輸送する「パキスタン国際緊急航空援助隊」の物資等

・輸送ヘリコプター（CH－47J型ヘリコプター）2機
・車両3台
・陸上自衛官4名

写真で見る活動の様子

出港までの準備

輸送ヘリコプター搭載8月23日・8月24日、海上輸送する輸送ヘリコプターをそれぞれ1機ずつ「しもきた」に搭載しました。ヘリコプターの着艦は横須賀港沖で実施しました。
輸送ヘリコプター搭載8月23日・8月24日、海上輸送する輸送ヘリコプターをそれぞれ1機ずつ「しもきた」に搭載しました。ヘリコプターの着艦は横須賀港沖で実施しました。
海上輸送に向けての作業搭載したヘリコプターは、横須賀入港後、海上輸送に備えるため、国際緊急航空援助隊の陸上自衛隊員により、ブレードが取り外されて専用の覆いがかけられ、艦の動揺に耐えられるよう、固定されました。作業は両日とも夜中まで続きました。
海上輸送に向けての作業搭載したヘリコプターは、横須賀入港後、海上輸送に備えるため、国際緊急航空援助隊の陸上自衛隊員により、ブレードが取り外されて専用の覆いがかけられ、艦の動揺に耐えられるよう、固定されました。作業は両日とも夜中まで続きました。
車両搭載8月24日には岸壁において陸上自衛隊の車両も搭載しました。
生糧品搭載また、長期航海に備えて、「しもきた」の乗員総員で食料品の搭載も実施しました。

出港

出港の挨拶8月26日、「しもきた」は横須賀基地からパキスタン・カラチに向けて出港しました。
港にて8月26日、「しもきた」は横須賀基地からパキスタン・カラチに向けて出港しました。
出港「しもきた」は、第1輸送隊司令が自衛艦隊司令官に挨拶して乗艦すると、速やかに出港していきました。
見送り出港には、横須賀に勤務する海上自衛官らが集まり見送りました。
出港「しもきた」は9月中旬頃、現地に到着する予定です。
見送り出港には、横須賀に勤務する海上自衛官らが集まり見送りました。

航海中

パキスタンに向けて航行する輸送艦「しもきた」輸送艦「しもきた」の横を並走するのは、「しもきた」に搭載している輸送艇　「エアクッション艇」です。エアクッション艇は、上陸地の地質などに影響を受けにくい、ホバークラフト型となっており、2004年12月に発生したインドネシア・スマトラ沖大規模地震の被災地でも活躍しました。様々な物資を、重量にして約50トン積載する能力があります。
8月28日　艦上体育航海中、乗員らは航海当直や訓練のない時間を利用して、体力の増強及び気分転換の目的で、甲板上をランニングするなどの艦上体育を実施します。
8月29日　12.7mm機関銃射撃訓練国際緊急援助海上輸送隊である「しもきた」の任務は国際緊急航空援助隊の輸送ヘリコプターをパキスタンのカラチに海上輸送することですが、この任務中も、乗員は技能の維持向上のため、平素の訓練を怠りません。写真は12.7mm機関銃射撃訓練を実施しているところです。訓練に臨む機関銃手の眼差しは、標的ただ1点に注がれていました。
8月29日　輸送ヘリコプターの固定状況の確認9月1日、「しもきた」は台風の影響を受ける海域を航行することになりました。「しもきた」はこれを予測し、荒天の中を航行する準備として、同乗する陸上自衛官と共に輸送ヘリコプターの固定状況を念入りに確認しました。
8月29日　輸送ヘリコプターの固定状況の確認9月1日、輸送艦「しもきた」は台風の影響を受ける海域を航行することになりました。「しもきた」はこれを予測し、荒天の中を航行する準備として、同乗する陸上自衛官と共に輸送ヘリコプターの固定状況を念入りに確認しました。
8月31日　不測事態対処訓練海難事故や遭難者救助などの突発的な事態に対しては、いざという時に対応できるよう、普段から訓練を重ねる必要があります。この日は、「他の船舶と衝突し、相手船の船員が海に投げ出された」との想定で、不測事態対処訓練を実施しました。「しもきた」乗員は刻々と変わる状況に対して迅速・的確に対応しました。
9月2日　荒天航行の後　－輸送ヘリコプターの洗浄－台風の影響を受ける中、輸送艦「しもきた」は波をかぶりながら航海を続けました。それは甲板上の輸送ヘリコプターも例外ではありません。天気が回復すると、乗員らはヘリコプターが浴びた海水を真水で洗い流し、錆の防止に努めました。
9月2日　荒天航行の後　－輸送ヘリコプターの固定状況の再確認－また、「しもきた」乗員らは、荒天航行により輸送ヘリコプターの固定に異常が発生していないかを再確認しました。
9月2日　荒天航行の後荒天航行後の輸送ヘリコプターに対する一連の作業を、第1輸送隊司令も見守りました。
9月3日　特別警戒配備訓練海上自衛隊の艦艇といえども、テロリストの攻撃を受ける可能性は否定できません。「しもきた」は万一の場合に備え、特別警戒配備訓練を実施しました。非常に張り詰めた空気の中で訓練は実施され、普段はにこやかな「しもきた」乗員たちですが、訓練中は真剣なまなざしで臨んでしました。
9月3日　特別警戒配備訓練「しもきた」は万一の場合に備え、特別警戒配備訓練を実施しました。非常に張り詰めた空気の中で訓練は実施され、普段はにこやかな「しもきた」乗員たちですが、訓練中は真剣なまなざしで臨んでしました。
9月3日　特別警戒配備訓練海上自衛隊の艦艇といえども、テロリストの攻撃を受ける可能性は否定できません。「しもきた」は万一の場合に備え、特別警戒配備訓練を実施しました。非常に張り詰めた空気の中で訓練は実施され、普段はにこやかな「しもきた」乗組員たちですが、訓練中は真剣なまなざしで臨んでしました。

カラチ

9月18日　パキスタン・カラチ港に入港多数のコンテナが積載された接岸岸壁では、艦を守るようにコンテナの壁が設置されている。
9月18日　パキスタン・カラチ港に入港パキスタン連絡幹部と「しもきた」艦長
9月18日　パキスタン・カラチ港に入港甲板上で警戒にあたる「しもきた」乗員
9月18日　パキスタン・カラチ港に入港飛行甲板から、ヘリコプターと入港岸壁を望む。
9月18日　パキスタン・カラチ港に入港パキスタン海軍の「しもきた」艦内見学
佐藤在カラチ日本国総領事来艦と列員が佐藤総領事を出迎える
9月18日　総領事に対するブリーフィング第１輸送隊司令が総領事に対して任務の概要説明を行った。
佐藤在カラチ日本国総領事来艦総領事に「しもきた」の艦内を説明する第1輸送隊司令
佐藤在カラチ日本国総領事来艦佐藤総領事が、「しもきた」艦内を見学
9月18日　カラチプレスクラブにて、在カラチ日本国総領事主催の記者会見終了後の記念撮影。写真向かって右から、統合運用調整所・笠松1陸佐、「しもきた」艦長・三浦1佐　第1輸送隊司令・佐々木1佐、佐藤在カラチ日本国総領事、統合運用調整所・牛島1陸佐
9月20日　現地メディア等による取材「しもきた」士官室にて、報道関係者へ任務の内容を説明する。
9月20日　パキスタン海軍カラチ司令官表敬パキスタン海軍カラチ司令官（RADM Sayid Khawar Ali Si(m) )へ盾を手渡す第１輸送隊司令
9月20日　パキスタン海軍第25駆逐戦隊司令表敬第25駆逐戦隊司令(CDR Kaleem Shaukat Si(m))から楯を受け取る第1輸送隊司令
9月20日　54号機発艦前に記念撮影CH-47JA54号機発艦を前に、航空支援隊と記念撮影を実施
9月20日　54号機発艦54号機を見送るしもきた」乗員
9月20日　54号機発艦54号機が発艦し、任務先である「ムルタン」に向かう。見送る「しもきた」乗員
9月20日　54号機発艦54号機発艦、「しもきた」作業艇から撮影
9月20日　54号機発艦発艦した54号機のパイロット越しに「しもきた」を撮影
9月21日　パキスタン海軍艦隊司令官表敬訪問パキスタン海軍艦隊司令官（VADM Tanveel Faiz HI (M)）と懇談する佐藤在カラチ日本国総領事、第1輸送隊司令
9月21日　パキスタン海軍艦隊司令官表敬訪問パキスタン海軍艦隊司令官（VADM Tanveel Faiz HI (M)）へ盾を贈呈する第1輸送隊司令
9月21日　69号機の試飛行発艦直前の69号機
9月22日　早朝69号機発艦前の最終点検を行う
9月22日　69号機発艦発艦直前の69号機と誘導員

カラチ撤収

10月14日　パキスタン・カラチ港に入港コンテナが取り囲む岸壁に再び入港した。
10月14日　カラチ日本人学校児童の艦内見学生徒たちに説明を行う第1輸送隊司令
10月14日　カラチ日本人学校児童の艦内見学日本人学校児童との記念撮影
10月15日　陸自航空援助隊ヘリコプター搭載ＵＨ－４７ＪＡの着艦風景
10月15日　陸自航空援助隊ヘリコプター搭載ＵＨ－１Ｊ、ＵＨ－４７ＪＡの着艦風景
10月15日　陸自航空援助隊ヘリコプター搭載着艦直前のＣＨ－４７ＪＡから、眼下の「しもきた」を撮影
10月15日　陸自航空援助隊ヘリコプター搭載６機目（最終）のＣＨ－４７ＪＡが着艦する
10月15日　陸自航空援助隊ヘリコプター搭載海上輸送隊及び航空援助隊主要幹部の記念撮影
10月15日　陸自航空援助隊ヘリコプター搭載握手を交わす海上輸送隊指揮官と航空援助隊長
10月16日　陸自航空援助隊ヘリコプター搭載ＵＨ－１Ｊのブレード取り外し作業を実施
10月16日　陸自航空援助隊ヘリコプター搭載夜を徹してブレード取り外しと防錆作業が行われた。
10月17日　カラチ出港に向けた準備生糧品の搭載
10月17日　カラチ出港に向けた準備ブレード解体の作業
10月17日　カラチ出港に向けた準備防錆作業を終えたＣＨ－４７ＪＡにカバーをかけ、移動する
10月17日　カラチ出港に向けた準備ＣＨ－４７ＪＡに海上輸送用の機体カバーをかける陸自隊員
10月18日　パキスタン海軍特別児童学校訪問児童たちを前に空手道の演武を行う「しもきた」乗員
10月18日　パキスタン海軍特別児童学校訪問児童学校の代表者と記念撮影
10月18日　在カラチ総領事表敬訪問自衛隊側を代表してあいさつを述べる第1輸送隊司令
10月18日　パキスタン海軍潜水艦隊司令部表敬訪問パキスタン海軍潜水艦隊司令官との懇談
10月18日　パキスタン海軍潜水艦隊司令部表敬訪問パキスタン海軍潜水艦隊司令官に盾を贈呈する第１輸送隊司令
10月18日　パキスタン海軍潜水艦隊司令部表敬訪問パキスタン海軍潜水艦隊司令官から盾を受け取る第１輸送隊司令
10月19日　ヘリコプターの甲板固定作業協力して作業を行う陸自・海自隊員
10月19日　陸自航空援助隊の搭載作業海上輸送隊及び航空援助隊主要幹部の記念撮影
10月19日　陸自航空援助隊員が退艦「しもきた」乗員一同に見送られる陸自航空援助隊員
10月19日　カラチ出港前　最後の夕日甲板上のＣＨ－４７ＪＡと沈む夕日。無事に作業を終え、帰国の途につける安堵感が広がる。

カラチ出港

10月20日　カラチ出港陸自航空援助隊長から盾を受け取る第１輸送隊司令
10月20日　カラチ出港陸自航空援助隊先任上級曹長から記念品を受け取る「しもきた」先任伍長
10月20日　カラチ出港パキスタン海軍のホストシップ艦長から盾を受け取る第1輸送隊司令
10月20日　カラチ出港カラチ出港時、甲板上に整列する「しもきた」乗員
10月20日　カラチ出港岸壁から「しもきた」の出港を見送る陸自隊員及びパキスタン海軍関係者
10月20日　カラチ出港「しもきた」出港時、岸壁で演奏するパキスタン海軍音楽隊
10月20日　カラチ出港パキスタン海軍の見送りに帽振れで応える「しもきた」乗員
10月20日　カラチ出港「しもきた」出港時、見送りに対して日・パ両国旗で応える。
10月20日　カラチ出港飛行甲板上のＣＨ－４７ＪＡと遠ざかるカラチ港