海上自衛隊幹部学校

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 タフツ大学フレッチャースクール博士課程 中澤2佐への取材ついて

   タフツ大学フレッチャースクール法外交学術博士課程に入校中の中澤2佐 が同大学の広報部門によるインタビューを受けました。
   その際の記事は以下のリンクから参照可能です。

    (http://fletcher.tufts.edu/News-and-Media/2018/03/30/Meet-a-PhD-Noriya-Nakazawa)

なお、同記事の日本語訳は以下のとおりです。

博士課程の中澤憲弥氏へのインタビュー

1 フレッチャースクールで学ぶこととなった経緯について教えて下さい。

   約20年前、私は防衛大学校に入校しました。当時、私は陸上自衛官になりたいと思っていましたが、その後の進路で海上自衛官、そして船乗りになりました。海上自衛隊は私が自ら選んだ道ではありませんでしたが、今はこの進路が私にとってベストであると思っています。これまでの海上勤務を通じて、世界中の海と幾つもの国々を訪れる機会に恵まれた結果、私は国際関係に興味を抱くようになりました。

   2012年のある良く晴れた日、私は護衛隊群司令部幕僚として作戦計画を立案していました。その日、私は突然上司から米国大学院への出願手続きを実施するように指示されたのです。それ以来、大学院受験準備のため、洋上でも自身の非番時には何千という学術用語を暗記しました。極めて多忙な洋上勤務の合間を縫っての英語学習は楽ではありませんでした。しかし、今は米国大学院受験の指示に感謝しています。なぜならば、その指示のお蔭で、それまでの人生で知っていたつもりになっていた世界よりも、実際の世界がどれほど大きく、又、より複雑なものであるかということに気づいたからです。フレッチャースクールは私の人生を変えました。

   フレッチャースクールでの修士課程の初年度を終え、私は博士課程にも挑戦できるという手応えを感じていました。そして、博士課程を履修すれば、自身の戦略的思考力を更に進化させることができるに違いないと確信していました。博士課程進学が将来どのように活きるのかについて、現時点では知る由もありません。少なくとも、博士号取得までの道のりは、海上自衛官としての私自身を今よりも良いどこかへ導いてくれるものと信じています。

2 これまでの博士課程の経験で、最も印象的なエピソードは何ですか。

   博士課程学生として、歴史や政治学を共に履修しています。博士号の取得を目指す実務家として、学術的に厳格である様々な新しい考え方を学ぶことができるのはたいへん有益です。また、歴史や政治学に関する専門書を読み、相互の思考的アプローチの違い等について、自身の中で思索を巡らす作業も味わい深くやりがいがあります。

   加えて、私はフレッチャースクールの受容性に溢れる雰囲気が大好きです。私は英語のネイティブスピーカーではありませんが、クラスメイトは、私が発言する際、私の発言に耳を傾け、私の発言を理解しようと努めてくれるからです。

3 あなたの博士号の研究テーマと、それを選んだ理由について

   私の研究テーマは、「既存の同盟関係に対する反対運動がどのように国内(国際)政治に影響を及ぼすか」です。歴史を鑑みても、同盟関係は国外よりも国内からの圧力に対して弱い場合があります。このような視点に基づき、私は国内の反対運動がパワーダイナミクスにどのような影響を及ぼすかについて探求しようと考えています。

4 博士課程における学習環境はあなたの研究に役立っていますか。

   専門性がそれぞれ大きく異なるフレッチャースクール教授陣は大きな助けとなっています。その一例として、歴史学者とのディスカッションの後、私は直ぐに階下の別の教授に対して政治学的な質問を投げかける事ができます。更にもう何分か歩けば、経済学者や国際法学者や米国軍人研究員とも話すことができます。この理由だけをとってみても、フレッチャースクールは研究する際に非常に便利で有用な環境を持っています。

   博士課程の同僚たちもまた大いに研究の助けになります。フレッチャースクールに集う人々はみな一様に特徴的な学術的背景や職業経歴を有しています。フレッチャースクールの仲間たちの言葉はいつも私にインスピレーションを与えてくれますが、それ以上に、彼らはみな優しくいつでも喜んで多くの学術的資料や経験を共有してくれるのです。

5 博士課程を目指す人たちへのアドバイスをお願いします。

   博士課程の勉学を通じた博士号の取得は、言わば長期の海上作戦と似たものがあります。洋上で行動する艦艇は時化に遭い強風に煽られ、あるいは凍てつく吹雪と向き合うかと思えば、ぎらつく日差しに照りつけられる時もあります。このような状況に身をさらすことは博士課程学生にも共通して言えますが、それでもなお、その船は前進して時間通りに目的地に到達しなければならないということです。

   従って、博士号取得という挑戦は、良く練れた戦略に基づく一種の作戦であると言えます。博士課程学生は自分自身で目標達成のための計画を立案し、それを堅持し、常に情勢に応じた最新のものにアップデートしなければならないのです。艦船(博士課程学生)が良い戦略のもとに前進し続ける限り、いつか水平線の向こうに博士号という山の頂きを望むことができるのです。