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 米海大ナウ!

 2016年米国大統領選とアジア太平洋の安全保障 下平1佐の執筆論文が日本戦略研究フォーラム季報『JFSS』に掲載

(074 2016/08/09)

米海軍大学   客員教授
1等海佐    下平   拓哉

   日本戦略研究フォーラム(JFSS)が編集している季報『JFSS』第69号(2016年7月)に、拙稿が掲載されました。本稿では、これまで全米各州において政党別に行われてきた予備選挙、党員集会における共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のヒラリー・クリントン氏の発言等に注目しつつ、2016年11月の米国大統領選挙とアジア太平洋地域の安全保障に対する考察を加えてみました。



要 旨
「2016年米国大統領選とアジア太平洋の安全保障」

   中国の台頭や北朝鮮の核、ミサイル開発の例を挙げるまでもなく、日本を取り巻くアジア太平洋地域の安全保障環境は厳しさを増している。現在、米国が同地域において採用しているリバランス政策についても、2016年11月に実施される米国大統領選挙の結果によって大きな影響を受けることは間違いない。
   過激な発言で旋風を巻き起こしている政治経験も軍歴もない初の大統領か、米国史上初の女性大統領か。これから本格化する大統領選挙に向けての言動が、選挙対策だけのものなのか、米国の国益を考えたものであるのか、それとも世界の平和と安定に寄与するものなのかといった様々な物差しを持って、冷厳に判断していく必要がある。
   見通しが不透明な2017年の安全保障環境にあって、日本が明らかにしなければならないことは、外交、防衛、経済分野における自らの努力とともに、同盟国米国との協力深化によってアジア太平洋地域の平和と安定を維持していくことである。
   そして、日米同盟の深化とは、アジア太平洋の海洋国家として、日本が同地域の安全保障に積極的に貢献する姿を見せることであり、それが信頼関係を深め、協力関係を発展させることとなり、ひいては日本の防衛とアジア太平洋地域と世界の平和と安定に直結する時代を実現することになるのである。

 (2016年7月25日記)

【日本戦略研究フォーラム HP】
http://www.jfss.gr.jp/kiho.htm