海上自衛隊幹部学校

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 米海大ナウ!

 シー・ビー

(052 2016/03/23)

米海軍大学   客員教授
1等海佐    下平   拓哉

   1942年3月5日は、シー・ビー(Sea Bees)の誕生日です。米海大が所在するロードアイランド州のニューポートから西へ20キロほどのデイビスビル(Davisville)に、初の米海軍建設工兵隊が誕生しました。シー・ビーとは、もともと建設大隊(Construction Battalion)の省略形であるCBと蜂 (Bee) のように働き者であるということから海の蜂(Seabee)として語呂を合わせたものです。

【米海大アーカイブ所蔵:シー・ビーのパレード】 【シー・ビーのエンブレム】

【米海大アーカイブ所蔵:1944年当時の米海大にあったクォンセット・ハット】


   デイビスビルは、ナラガンセット湾に面したクォンセット・ポイント(Quonset Point)に位置しています。ここには、クォンセット・ポイント海軍航空基地があり、水深が深いことからエセックス級空母が集結していたところです。クォンセットと言えば、クォンセット・ハット(Quonset Hat)と呼ばれるトタンのプレハブ住宅、かまぼこ兵舎が有名であり、第2次世界大戦中、500余りの兵舎で10万人のシー・ビーが訓練を受けていました。軽量で輸送も容易で、多目的に使用できることから、米海軍においては、1941年以降多く製作されています。


   シー・ビーは、1942年の6月から本格的に活動を開始し、1942年7月にはミッドウェー島の滑走路建設にも当たっています。32万人以上のシー・ビーが世界中400箇所以上の場所で建設や戦闘に従事したと言われております。そのモットー“Can Do”「できる」に象徴されるように、その活躍は太平洋戦争中に限らず、戦後においても目覚ましいものがあります。

【米マクナード南極基地】

   その一つが南極です。シー・ビーは、1955-56年、「ディープ・フリーズ(Deep Freeze)」作戦に従事し、米マクナード南極基地の建設と6000フィートの滑走路建設に多大な貢献をしました。1962年には南極初の原子力発電所も建設しています。
   シー・ビーとよく比較されるのが帝国海軍の海軍設営隊です。当時、圧倒的な機械化の差があったとされていますが、やはり軍事活動におけるテクノロジーの重要性は極めて大きいことは自明でしょう。

   

(2016年3月5日記)

【シー・ビーHP】
http://www.seabeesmuseum.com/