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 米海大ナウ!

 米海大ミュージアム (U.S. Naval War College Museum)

(014 2015/07/24)

米海軍大学   客員教授
本校戦略研究会(SSG)
1等海佐    下平   拓哉


   1890年刊の『海上権力史論(The Influence of Sea Power upon History, 1660-1783)』によりシーパワーを提唱したマハン(Alfred Thayer Mahan) が教鞭を執っていたのが、現在の米海大ミュージアムです。このたび、全米の「最も面白いミュージアム50(The50 most amazing college museums)」の第9位に選ばれました。
   米海大ミュージアムは、米海大設立当時に存在した唯一の建物で、1820年に救貧院として建てられたものです。現在は、「創立者ホール (Founder’s Hall)」とも呼ばれています。世界最古の軍事大学である米海大の設立の動機は、戦争形態の変化に応じたものでした。1880年代に入って、それまで洋上での訓練に主眼をおいていた米海軍においても、南北戦争の経験を踏まえ、陸上における専門的な教育の重要性が指摘されました。1881年、米海軍は、コースター・ハーバー島に用地を取得、1883年6月4日、米海軍初めての教育隊を開設します。そして、1884年10月6日、チャンドラー(William E. Chandler)海軍長官が一般命令325号に署名し、米海大が設立されました。米海大としては、1892年に初めて校舎が建てられ、その後、初代校長の名前をとってルース・ホールと言われています。

   米海大の初代校長は、ルース(Stephen B. Luce)提督であり、「新鉄鋼海軍(New Steel Navy)」の「知的指導者(Intellectual Leader)」と呼ばれています。ルースは、この地に米海大を定めた理由として、帆走に適した風が吹くこと、適当な水深があること、艦隊の訓練ができるスペースがあることの他に、ボストン、プロビデンスに近く海軍軍人に必要な知的環境が整えられることを挙げています。
   「海軍大学は、戦争、戦争に係る政治的手腕、もしくは戦争予防に係るすべての問題に係る独自の研究をする場所である。(“The War College is a place of original research on all questions relating to war and to statesmanship connected with war, or the prevention of war.”)」(Luce)

   【米海大ミュージアムHP】
   https://www.usnwc.edu/About/NWC-Museum.aspx/.

   【最も面白いミュージアム50】
   http://www.collegerank.net/most-amazing-college-museums/.