海上自衛隊幹部学校

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 米海大ナウ!

 クラス2015卒業

(010 2015/06/29)

米海軍大学   客員教授
本校戦略研究会(SSG)
1等海佐    下平   拓哉


   6月19日、「クラス2015」の卒業式が実施されました。10か月の正規履修学生と通信教育学生併せて1,606名が卒業しました。米海軍、海兵隊、陸軍、空軍、沿岸警備隊、シビリアンの他、63か国の国際学生が巣立ちました。
    米国の学生には、国家安全保障・戦略研究の修士号が付与されます。学位記授与の際、名前が呼ばれた後、上位5%は最優秀賞(Highest Distinction), 15%には優等賞(Distinction)が付されて紹介されるほど、成績評価はシビアです。
   118名の国際学生に対しては、修士号の代わりに卒業証書(diploma)が授与されます。卒業証書授与に先立ち、エッセイの表彰式が実施されました。今回、幕僚課程を履修した臼井3佐、川浪3佐の両名が表彰され、「JAPAN」との紹介には会場から大きな喝采を浴びておりました。式典後、私の同僚の多くの教授陣からも、多大な祝福を得ることができ、日本のプレゼンスを大いに高めることができたように感じます。
   国際学生には課程中延1か月以上にも及ぶ国内研修があり、履修要件を満たすことができないため、残念ながら修士号は付与されません。しかしながら、米海大と学術提携を結んでいるサルベ・レジーナ(Salve Regina)大学において、夜間やオンラインを使っての講義を受講すれば、修士号取得のチャンスがあります。例年、米海大の指揮課程及び幕僚課程を履修する国際学生は100名程度ですが、その内20名程がサルベ・レジーナ大学で修士号を取得しています。
   1956年、米海大が初めて国際学生を受け入れてから、日本は毎年学生を送っていますが、「クラス2015」の今年、幕僚課程の川浪3佐が、日本人として初めてここで修士号を取得できる予定です。この快挙に、戦略作戦統率部長のケリー学部長も、日本人学生の知的レベルの高さを象徴するものと大喜びです。
   式典に際し、グリナード米海軍作戦部長は、「米海大は、様々な軍種、様々な省庁、様々な国々から集う知的中枢である。」とし、厳しい安全保障問題に挑戦するためにニューポートの経験を生かし、今後とも米海大の最高の教授陣と連絡をとってゆくことを強調していました。
   真摯な知的挑戦は、真の尊敬と真の信頼の欠くべき基盤であることを強く認識した次第です。

【米海大卒業式】
   https://www.usnwc.edu/About/News/June-2015/Naval-War-College-graduates-1,606-joint,-multinati.aspx

【サルベ・レジーナ大学 HP】
   https://www.salve.edu/graduate-studies/international-relations