海上自衛隊幹部学校

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 米海大ナウ!

 CMSIの一員として研究・発信・教育

(002 2015/05/19)

米海軍大学連絡官/インターナショナル・フェロー
本校戦略研究会(SSG)   1等海佐    下平  拓哉


   中国の海洋における急速な台頭を踏まえ、2006年、米海大に中国海事研究所(China Maritime Studies Institute: CMSI)が設置されました。所長のダットン(Peter Dutton)教授とともに、エリクソン(Andrew Erickson)准教授やゴールドスティン(Lyle Goldstein)准教授ら4名のコアメンバーがCMSIの原動力であり、彼らが主な研究テーマ設定をし、それぞれのテーマに応じて、米海大の教授陣がアフィリエイト(会員)として支援する態勢となっています。
   研究テーマは、エネルギー、通商、海洋法、海洋技術、商船、海軍建設、海軍外交、建造等多岐にわたり、そのなかでも特に重要性の高いものは、毎年企画しているCMSI会議やCMSIワークショップにおけるテーマとして掲げ、議論を深めています。また、それらの成果をまとめて、『中国海事研究(China Maririme Studies)』通称「レッド・ブック」を発刊していますが、これまで近海作戦能力、機雷戦能力、海洋法執行能力、軍民関係、教育訓練等を扱っており、現代中国海軍を知る上で、必読の文献でしょう。
   最近のCMSIの定例会議においてよく議論されている話題は、今後の研究領域についてであり、米中関係、近海/遠海海洋戦略、宇宙ミサイル技術、潜水艦戦/対潜水艦戦、通商貿易、民軍関係について今後研究を深めていくべきと認識を共有しています。
   私も、インターナショナルフェローとして、CMSIの一員に加えられ、ともに日々研究を進めています。また、CMSIにおける研究に基づき、本年4月の米海軍協会(USNI)発行『プロシーディング(Proceedings Magazine)』誌に、拙稿「南シナ海における協力(Cooperating in the South China Sea)」が掲載され、同号には、CMSIの同僚であるゴールドスティン准教授とマーティンソン(Ryan Martinson)研究員の論文も掲載されました。『プロシーディング』誌に、CMSIから同時に3名が掲載されたのは初の快挙でした。
   CMSIで得られた研究成果は、私が教鞭を執っているJMO(統合軍事作戦)においても、早速教材として反映しており、ここ米海大では、研究・発信・教育のサイクルが非常に重要かつ有効的であることを実感しています。

   「喜ぶダットン所長と」
   後方書棚上段に、3名の論文
    中段が、「レッド・ブック」



   

【中国海事研究所 HP】
    https://www.usnwc.edu/Research---Gaming/China-Maritime-Studies-Institute.aspx

【中国海事研究 HP】
   最新号は、『壁を越えて:中国の遠海作戦』
    https://www.usnwc.edu/Research---Gaming/China-Maritime-Studies-Institute/CMSIFaculty/Publications.aspx

【プロシーディング誌掲載の拙稿】
   http://www.usni.org/magazines/proceedings/2015-04-0/cooperating-south-china-sea