任務

  警戒・監視

  海上自衛隊は、1日に1回を基準として、哨戒機(P-3C)により、北海道の周辺海域や日本海、東シナ海を航行する船舶などの状況を監視しています。侵略事態はもとより領海侵犯などの多様な事態に対応するためには、平素から防衛のために必要な情報を収集・分析することが重要です。そのような事態が生起した場合に速やかに航空機を派出して対応できる態勢を航空集団は整えています。

  過去の事例としては、平成11年に警戒監視活動中の哨戒機(P-3C)が能登半島東方、佐渡島西方の領海内で日本漁船を装った北朝鮮の工作船と判断される不審船2隻を発見した事案があります。巡視船、護衛艦、航空機などで1昼夜にわたり追跡したが、両船は、防空識別圏外へ逃走し、北朝鮮北部の港湾に到達したものと判断されました。また、平成13年警戒監視活動中の哨戒機(P-3C)が不審な船舶を発見し、巡視船、航空機で追尾・監視を行いました。不審船は海上保安庁の度重なる停船命令を無視し逃走を続けたため、射撃警告の後、威嚇射撃を行いましたが、同船は引き続き逃走し、追跡中の巡視船が武器による攻撃を受けたため、巡視船による正当防衛射撃を行い、その後同船は自爆によるものと思われる爆発を起こし沈没するに至りました。捜査過程で判明した事実などから、北朝鮮の工作船と特定されました。その後も平成14年に警戒監視活動中の哨戒機(P-3C)が能登半島沖の北北西約400km(わが国の排他的経済水域外)において不審船の疑いのある船舶を発見し、巡視船、護衛艦、航空機で追尾・監視を行った事案が起きてます。
  更に平成16年11月、先島群島周辺のわが国領海内で潜没航行していた中国原子力潜水艦が発見されました。これに対しては、自衛隊法第82条および平成8年の閣議決定に定める手続きに従い、海上警備行動を発令して対処し、海自の艦艇および航空機は、当該潜水艦が公海上に至るまで継続して追尾しました。

  研究・開発

  航空集団では、科学技術の進歩等に伴う航空機及び航空基地用機器の陳腐化に対応し、多様な事態に即応しうる態勢をとるために必要な航空機等の装備品及び戦術・術科に関する研究・開発を実施しています。
  運用上必要とされる性能又は機能を満足する装備品がない場合は、開発することにより、満足するものがあれば購入又は輸入等により取得することとなります。
  P−3C後継機となるXP−1は国内開発された航空機であり、現在、技術・実用試験を実施しています。航空集団では技術研究本部と協力して平成23年末の部隊使用承認に向け諸準備を推進しているところです。また、購入又は輸入された装備品に関しても性能試験を実施して評価を行い、効果的な用法等に関しての研究を実施しています。
  更に新規装備品等の早期戦力化のために必要な人材育成、教育訓練並びに有効な運用法の改善に必要な戦術等の研究をあわせて推進しています。

  災害派遣等(急患輸送)

  自衛隊は、医療施設が不足している離島などの救急患者を航空機で緊急輸送しています(急患輸送)。平成21年度の災害派遣総数599件のうち、353件が急患輸送であり、南西諸島(沖縄県、鹿児島県)、五島列島(長崎県)、伊豆諸島、小笠原諸島(東京都)など離島への派遣が340件と大半を占めています。その多くを航空集団が担っています。
  平成22年11月には小笠原諸島における急患輸送実績が700回を越えたことにより石原都知事から航空集団に感謝状が贈呈されました。
  また、他機関の航空機では航続距離が短いなどの理由で対応できない本土から遠く離れた海域で航行している船舶からの急患輸送を洋上救難としてUS−2等で行っています。この洋上救難の実績は平成22年4月現在で127件となっています。

  この度の東日本大震災においても大規模震災災害派遣及び原子力災害派遣の枠組みで発災当初から航空集団は全力で航空機及び人員の派出を実施しています。

  部隊練成

  美しい編隊飛行も日々の基本的な訓練の積み重ねの賜です。航空集団は、あらゆる事態に即応するため司令官の指導方針でもある「技を磨け」を実践しています。
  航空機を運航する搭乗員、それを支える航空基地の各職域の隊員の教育訓練を計画的に実施し、航空機を安全に運航し任務の完遂を目指しています。
  また、日米共同訓練を通じ戦術面などの相互理解と意思疎通を深め、相互運用性(インターオペラビリティ)の向上を図っています。

  海賊対処行動

  平成21年3月13日新法が整備されるまでの間として海上における警備行動が発令され、翌14日に護衛艦2隻(「さざなみ」「さみだれ」)が出発し、30日からソマリア・アデン湾においてわが国関係船舶を海賊行為から防護するために必要な行動がとられることとなりました。この護衛艦には航空集団から哨戒ヘリコプター3機が派遣され空中からの哨戒任務等に従事しました。
  また、広大な海域における海賊対処をより効果的に行うために同年5月15日、固定翼哨戒機P−3C 2機が派遣されることとなり、6月11日から哨戒飛行を開始しました。
  平成21年7月24日「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律(海賊対処法)」が施行され、同日から1年間海賊対処行動を実施、期限を迎え延長され平成23年6月には7次隊が派遣されようとしています。

  航空集団は任務に応じ所要の兵力を派出する態勢を維持しています。