日豪外務・防衛相共同記者会見概要

2012年9月14日
防衛省

※カー外務大臣及びスミス国防大臣の発言及び英語の質問については、通訳者の翻訳を記載しています。

1 発表事項

(カー外務大臣)
 皆様、スミス大臣と私は、日本の外務大臣並びに防衛大臣を第4回日豪外務・防衛閣僚会合にお迎えすることができ、大変嬉しく思っております。玄葉外務大臣並びに森本防衛大臣を温かく歓迎申し上げます。玄葉大臣、森本大臣ともに今回は大臣として初めての御訪問ということであります。日豪は包括的、戦略的、安全保障上及び経済面でのパートナーシップを共有しています。我々のパートナーシップとそれぞれが持つ米国との同盟関係は、当地域の平和と繁栄の促進に重大な役割を果たします。本「2+2」会合において、日豪政府は、このパートナーシップを強化するというコミットメントを再確認しました。本日、我々は、「日本とオーストラリア:平和と安定のための協力」と題した共同声明に合意しました。これは安全保障上及び防衛分野における今後の日豪間の協力に対する野心的なアジェンダを定めたものです。日豪は共通の利益と目的を共有しています。私たちは、次の分野において、より緊密に連携する必要があることに合意しました。地域の安全保障枠組みと協力の強化、海洋安全保障及び安全に関する規範の遵守を促進すること、すでに世界的に認知されている我々の核不拡散・軍縮分野での協力をさらに発展させること、サイバー空間及び宇宙の安全保障に対する脅威に立ち向かうこと、そして災害へのより効果的な準備と対応を行うことです。今朝は大変生産的な会合を行うことができました。より深い2か国協力のための強力なプラットホームを築くことができました。これは日本にとってもオーストラリアにとっても、そして地域の安定と繁栄にとっても良いことであります。それでは、スミス大臣に渡す前に、玄葉大臣の方から御発言をいただきたいと思います。

(玄葉外務大臣)
 今回、外務大臣としては初めてオーストラリアを訪問いたしまして、森本大臣とともに、カー外相、そしてスミス国防大臣と会談できたことを嬉しく思います。関係者の方々の温かいおもてなしに感謝をいたします。日本とオーストラリアは、米国をともに同盟国として持っています。そして、価値と利益を共有する戦略的パートナーでもあります。戦後一貫して経済、そして人的交流の面で、特別に緊密な関係にございます。この観点から、本日「2+2」の会合をこのシドニーで成功裏に開催できたことを大変有意義だと考えています。協議におきまして、アジア太平洋地域の安保環境が変化をする中で、両国の共通のビジョン、目標、そういったものができた、つまりはビジョンと目標を共有できたということ、そして安全保障・防衛協力について、PKO等の国際協力や災害緊急支援等の分野において、一層高いレベルの協力関係に向けて有意義な議論ができたと考えております。協議の結果、「共通のビジョンと目標」と題する共同声明を発出することができて、大変喜ばしく思います。今後のフォローアップとして、今般設置された日豪の外務・防衛高級事務レベル協議等のメカニズムを活用して、一層緊密に取り組んでいきたいと考えています。この機会に、カー外相と外相会談を行ったわけであります。もう3回目になろうかと思いますけれども、地域の平和と安定のために、引き続き協力をすること、そしてEPAの交渉の妥結に向けて、一層の努力を行っていくこと、フィジーの民主化支援のために、またフィジーの民主化支援を含めた太平洋島嶼国あるいは太平洋地域の安定のために連携していくことを確認いたしました。

(スミス国防大臣)
 カー外務大臣とともに、玄葉外務大臣、森本防衛大臣を第4回「2+2」、オーストラリアで開催される初めての「2+2」に歓迎申し上げます。そして、森本防衛大臣と正式な2国間会談を持つ機会ができました。そして、大臣の「近く日本を訪問するように」というご招待を頂き、数週間後に私はまた来日する予定です。今回は、第4回の「2+2」の会合でありますが、同時に、近代的な日豪防衛関係が始まって50年経ちます。実は、1962年にシドニーに4艦の護衛艦が寄港いたしました。そして近年、ますます実際的な2国間の防衛協力が拡充してまいりました。そして豪州は、津波・大震災のときに、4機のC−17輸送機を日本に送り、自衛隊員の輸送や装備の輸送に貢献し、人道的な支援、災害救済活動に貢献できたことを大変嬉しく思っております。そして最近さらに実際的な協力を前進させるために、日豪両国間で物品役務相互提供協定、ACSA及び情報保護協定を締結いたしました。そしてさらに重要なこととして、最近の国際的な平和維持活動での協力も進んでおりまして、日本の南スーダン共和国における国連ミッションの活動をサポートするために、豪軍から2名、南スーダン共和国に派遣しております。またさらに、日豪間で技術面での協力を可能にしてまいりました。最近の日本側の政策の変更を歓迎するものです。また森本大臣の方からは、最近アフガニスタンで豪軍の兵士5名が亡くなったことに対してお悔やみの言葉を頂きました。また、豪側は、日本がアフガニスタンに関する東京会合を主催され、開発支援、キャパシティ・ビルディング活動に対してのイニシアティブをとられていることに対して、高く評価いたしました。そして、今日発出されました共同ステートメントでは、明確に、さらに新しく台頭しつつある問題、サイバー空間、それから宇宙空間においても、将来の協力関係を示唆しております。最後に、この2国間の関係に加えて、我々の同盟国、それぞれの同盟国である米国を含めた日米豪の関係をさらに深め、そしてまた、この地域のレベルで拡大ASEAN国防相会議や東アジア首脳会議においても、積極的なメンバーとして両国は関わっていきたいと思っております。そして、さらに実際的な協力をバイ及びこの日米豪ですることによっての貢献に加えて、拡大ASEAN国防相会議や東アジア首脳会議の場を通じて、さらにこのアジア太平洋地域の平和と安定と繁栄に貢献していきたいと思います。では森本大臣の方から御発言をお願いします。

(森本防衛大臣)
 先程、「2+2」が行われて、この記者会見を行っているわけですが、スミス国防大臣とは、その前に2国間で国防相会談を行いました。外務大臣会合、それから防衛大臣会合及び「2+2」全体を通じて、非常に建設的で中身のある会合ができたと思いますが、それは日豪両国が多くの価値観を共有する今日の安全保障環境の中で、協力すべき分野がいかに多く、また期待が大きいかということを示しているためではないかと思います。「2+2」については、カー外務大臣と玄葉外務大臣からそれぞれ説明がありましたので、私は防衛協力の部分についてのみ触れたいと思います。特にスミス国防大臣との会合においては、これから日豪間で行うべき国際平和協力、あるいは南スーダンでの2国間協力、あるいはACSA、情報保護協定といった、日豪2国間での安全保障協力及び日米豪3か国で進めるべき安全保障協力等について意見交換を行いました。特にアジア太平洋地域での安全保障枠組みあるいは国際平和協力活動だけでなく、日豪あるいは日米豪の共同訓練及び日豪間の装備技術協力といった、幅広い防衛協力を今後とも拡充すべきであるという点について、意見の一致を見ました。そしてスミス国防大臣から最後にお話がありましたように、今後、ASEAN国防大臣会合プラスあるいはEASを含むその他のアジア太平洋での会合に参加した際、できるだけその機会を捉えて、日豪の国防大臣会合をより頻繁に行っていく点についても双方で合意をしました。いずれにしても、日豪の関係、それから日米豪の3か国の関係協力が、この地域の平和と安定にとって極めて重要な役割を持っており、この点でさらに内容のある協力関係を進めていくという点でも、意見の一致を見たところです。

2 質疑応答

Q(日本側記者):
中国に関して、カー外務大臣とスミス国防大臣に伺います。日本では今、尖閣諸島を巡って日中間の対立があります。また、オーストラリアの周辺でも、太平洋の島嶼諸国を巡って、中国の動きが目立っているというふうに聞いております。こうした近年の中国の動向について、オーストラリア政府としてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。また、こうした動向を踏まえて、日本とオーストラリアの連携をいかに深めていく考えでしょうか。

A(カー外務大臣):
オーストラリア政府は、これまでも一貫してこの北アジアの領土問題に関しては、特定の立場を取らないというスタンスをとっております。我々は当事国に対し、国際法に従って、平和的に問題を解決することを奨励いたします。最近、中国が太平洋地域に関心を表明しているということを歓迎し、これからは援助プログラムを通じて協力をしていきたいと考えております。中国はこれまでも援助プログラムには経験を持っておりますし、今後もOECDとの協力の中で、この地域でも援助を再開していけるものと思います。

Q(日本側記者):
玄葉大臣と森本大臣にお尋ねします。今の関連なのですけれども、今朝、尖閣諸島沖に日本の領海に中国政府の船が入りました。これに対して、外務省は中国大使を呼んで抗議したということです。これに対する受け止めと今後の対応、また午前中の「2+2」またはバイ会談でこれに関するやりとりがあったかどうか、その内容をお聞かせください。

A(玄葉外務大臣):
今朝、シドニーに着いたときに第一報がありまして、領海への侵入事案が発生したということでありました。次官の方に指示をいたしまして、朝8時台だと思いますけれども、在京大使を招致して強く抗議をするとともに、退去するように申し入れを行ったところであります。対応に万全を期さねばなりませんので、私も明日の朝、帰国をする予定でありましたけれども、夜の便で帰国したいと考えております。事態をエスカレートさせてはいけないと考えています。中国政府に対して、適切に、そして冷静に対応することを強く期待しています。そして私はいつも申し上げておりますけれども、これまでの日中間の4つの基本文書というものを遵守しながら、中国と戦略的な互恵関係というものを深化させていきたいという考えに変わりはありません。今回の外相会談で言及があったのかということでありますが、今朝のことでございましたから、私からそのことについて、カー外相に説明をいたしました。詳細なやりとりは外交上のやりとりなので控えたいと思います。これからも外交上の意思疎通、不測の事態が起きないように、外交上の意思疎通をしっかり図っていかなければならないと思いますし、これは領海警備の問題ですから、海上保安庁がしっかり適切に対応してくれるものと思っています。

A(森本防衛大臣):
我が国の基本的な立場は、玄葉外務大臣の説明で全て尽くされていますので、特段付け加えることはありませんが、重複を避けて申し上げれば、一点に要約されます。尖閣諸島は言うまでもなく、歴史的に見ても国際法上からも、我が国の固有の領土であることに一点の疑いもありませんので、今回のように中国の公船、公の船が、我が国領海の中に入ってくる事案というのは極めて遺憾であると考えます。玄葉大臣の説明のように、我が国は、静かに冷静にこの事態に対応するということにしておりますが、しかしながら常に緊張感を持って情報収集・警戒監視に努めており、自衛隊についても警戒監視活動をやり、必要な情報を関係諸機関に提供するという活動を続けております。

Q(豪側記者):
玄葉大臣及び森本大臣に一つお伺いしたいと思います。まず、玄葉大臣に対して、オーストラリアにおける米海兵隊の展開に関しては、日本では軍事費の一部負担という、太平洋における豪州の負担という形で評価されているのでしょうか。それから森本大臣には、その装備の海外移転に関連して、「そうりゅう」型の潜水艦を豪州にというようなお考えはあるのでしょうか。

A(玄葉外務大臣):
日本としては、日米の「2+2」の4月の発表におきまして、すでに豪州への米軍のローテーション展開を評価し、歓迎するということとしております。

A(森本防衛大臣):
日豪間の装備技術協力については、これから具体的な問題について話し合っていこうということで、先ほどスミス国防大臣のお話にあったように、近く日本においでいただくということなので、そういった機会に今後の日豪間の装備技術協力のあり方について、協議をしていくということになりました。潜水艦といった具体的な問題については今回話し合っておりません。

A(スミス国防大臣):
ダーウィンの6ヶ月ごとの米海兵隊の展開に関しては、玄葉大臣、森本大臣にも申し上げたのですが、これはさらに各国の演習参加への関心の高まりというような波及効果がありました。ですから、豪軍と海兵隊に加えて、各国からの関心も高まっております。来年は、豪軍と米国がインドネシアの参加を得て、3か国で人道支援、そして災害救援の訓練を行う予定になっておりまして、ユドヨノ大統領は、他のEAS参加国に対しても参加またはオブザーバーの派遣を呼びかけております。ですから、オーストラリアの北部の海兵隊のローテーションは、バイの豪米の演習だけでなく、3か国または多国間の演習の可能性を開いております。また、技術協力に関しては日本の政策、この面での政策変更を歓迎しております。将来の技術協力に関する対話の可能性の道がこれによって開かれました。しかし、森本大臣がおっしゃいましたように、あくまでも今回は一般的なプラットホームに関する話で、具体的には入りませんでした。やはり同じような価値観を有する両国同士の将来の協力分野というふうに位置付けています。

Q(豪側記者):
玄葉大臣に質問であります。日本は第2次世界大戦以降、戦争マシーンから近代的な国家へと変貌を遂げて参りました。そしてそれを平和憲法の下で行っていらっしゃいました。しかし最近では日本の姿勢が非常に攻撃的になっているように思えます。そしてこれは今現在、領土問題にも現れていると思います。これはかつて戦争の犠牲者であった中国や韓国との間のものです。このようなことは、日本がこれから変身を遂げようとしているということを意味しているのでしょうか。そして平和憲法を放棄しようとなさっているということなのでしょうか。

A(玄葉外務大臣):
まず、攻撃的に変化しているのではないか、こういう御質問でありますけれども、決してそういうことはございません。ただ併せて、当然ながら我が国の領土、領海、領空、これは守っていかなければならないことは言うまでもないことなのであります。

以上


御意見御要望
新着情報一覧へ戻る
トップへ戻る

(C) 防衛省・自衛隊