日米防衛相共同記者会見概要

平成23年10月25日(18時35分〜19時01分)

※パネッタ国防長官の発言及び英語による質問については、同時通訳者の翻訳を記載しています。

1.発表事項

(一川大臣発言)
 本日、パネッタ米国防長官を防衛省にお迎えいたしまして、先程日米防衛相会談を終えることができました。本日の防衛相会談においては、主に次のようないくつかのトピックについての忌憚のない意見交換が行われたことを報告したいと思います。まず、パネッタ長官との間で、日米同盟の重要性というものを確認しました。そして共通の戦略目標や幅広い分野での安全保障・防衛協力など、6月の「2+2」での合意事項を進めていくことで一致いたしました。また、パネッタ長官からは、大変予算の厳しい状況下においても、米国のアジア太平洋地域へのコミットメントを維持・強化していくという旨の力強い発言がございました。このため、時宜を捉えた効果的な共同訓練や警戒監視における協力を行ったり、またこれらの活動の拠点の選択肢を増やすために、両国施設の共同使用を進めたりするということなどにより、部隊の活動を活発化させて参るということで、両国のプレゼンスと能力を示していくことが必要であるということについて合意いたしました。また、パネッタ長官との関係ではこのような動的な日米防衛協力を一層力強く進めていくということで一致いたしました。次に普天間飛行場の移設問題については、私から年内に環境影響評価書を提出できるよう準備を進めている旨の説明をいたしました。パネッタ長官からは「日本側の努力を評価する」という発言があり、「米側と致しましても引き続き、普天間飛行場の移設に関して、グアム移転事業も含めて進展させる」ということについての発言がございました。パネッタ長官と私は日米合意に基づいて、沖縄の理解も得ながら、普天間飛行場の危険性を早期に除去し、同飛行場の移設・返還を可能な限り早く進めていくことで一致いたしました。その他にも宇宙開発の問題、サイバー問題での協力やBMDを始めとする装備品の取得などの問題についても話題となりました。以上、本日の会談で特に話題になったことを整理して報告させていただきましたけれども、本日のパネッタ長官との意見交換の成果を踏まえまして、今後とも日米同盟の更なる強化のために、様々な課題にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

(パネッタ長官発言)
 まず、冒頭におきまして、一川防衛大臣に対して、今日私をホストとしてお迎えいただいたことを感謝したいと思います。また同時に、日本の国民の皆様方に対して、今回の来日に当たっての温かいもてなしを感謝したいと思います。国防長官といたしまして今回初めての来日であります。過去いろいろな、政府の立場から幾度となく日本に参りました。しかし今日私がお伝えしたいメッセージはシンプルなものであります。米国は現在も、そして将来においても太平洋国家であり続けるということであります。そうでなくなることは決してありません。米国の前方展開態勢というものは、日本に対するコミットメントのシンボルであるのみならず、アジア・太平洋地域の平和と安全への米国のコミットメントでもあります。一川大臣と私は、単に防衛大臣、国防長官であるという絆以上のものを共有しています。私はモントレーというカリフォルニア州の街で生まれました。そして大臣はモントレーの姉妹都市である石川県の七尾市御出身であります。私と大臣はいろいろと重要な問題に関して意見交換することができました。非常に素晴らしく、しかも生産的な実り多いミーティングを持つことができました。これはその前に行われました野田総理大臣、そして玄葉外務大臣との非常に良い会談に続いて行われたものであります。一川大臣および私は日米同盟というものは真にアジア・太平洋地域における平和と安定の礎石であるということに同意いたしました。加えまして、ただいま大臣の方から御指摘がありましたように、この地域における安全保障および安定の問題に関する幅広い課題に関して話しました。その中においては、時折挑発的な行動を起こす北朝鮮、そして中国のますます増大しつつある軍事力、在日米軍の再編が含まれております。私は大臣に対して、大震災から復興に向かう日本国民の立ち直る力に対する深い賞賛の念を表明し、かつアメリカ国民の賞賛をお伝えいたしました。米軍はこの災害に対応する日本政府を支援することを誇りに感じました。これらの一連の取組の成功というものは、共に日本とアメリカが関わって、この日米同盟の力というものを如実に証明したものと考えます。また同時に二国間の安全保障協力、韓国、オーストラリア、それぞれとの三ヵ国の安全保障の協力関係というものを強化し、より効果的に多くの共通の課題に取り組みたいという希望も両者から述べられました。また、中国が地域の安定と繁栄を築く、信頼できるポジティブなパートナーとなって、グローバルな課題において協力し、かつ国際的な規範と行動のルールを守るよう、日米が共に促していきたいということも語られました。そして米軍の再編に関する課題に関しては、大臣は日本政府が普天間飛行場施設移転に必要な措置を前進させる意思を持っていることを請け合ってくださいました。これは普天間飛行場施設移転で、そのアジア・太平洋地域におけます米国の強い前方展開のプレゼンスを維持し、日本における兵力を再編し、また同時に在沖縄米軍基地の地元に対する影響を低減させる上でも重要なイニシアティブであります。以上、全ての理由から日米両国はグアムに海兵隊の運用上のプレゼンスを確立することを含む、再編のロードマップの原則にコミットしております。是非とも日本の国民の皆様に知っていただきたいことは、アメリカが今後も引き続き、地域の同盟国やパートナーと力を合わせまして、アジアにおいて台頭しているセキュリティ体系を通し、アジア・太平洋の平和と繁栄を保障することであります。国内的に米国がいくつかの厳しい財政的な決断を下さなければならないことは周知の如くであります。しかしながら、日本の国民に対して、国防長官として断言したいことがございます。それは我々の未来の戦略という観点からの討議の中で出てきたことがございます。全てのものが呼応しているのは1点であります。今後とも太平洋地域は米国の重要な優先課題であるということであります。引き続き、この地域の兵力を増強し、米国のこの地域に対するコミットメントに背を向けることはございません。一川大臣と今後、同盟を更に深化させ、力を合わせることを楽しみにしております。今回の初めての訪問に対して歓待していただきました。日本は同盟国以上の存在であります。アメリカの偉大な友人であります。そして、私どもも同じく日本にとっての偉大な友人であり続けます。

2.質疑応答

Q:一川大臣、パネッタ長官お二人にそれぞれ伺います。普天間基地の移設問題に関してですが、いつの段階までにどういった結果が出ることが、日米合意に基づく現行案の具体的進展だとお考えでしょうか。

A:(一川大臣)我が国の政府といたしましては、普天間飛行場の移設を進展させるという努力はしているところでございますけれども、本年6月の「2+2」において、普天間飛行場代替施設の位置、形状というものが日米間で合意されたわけでございます。それを受けまして、年内に環境影響評価書を提出できるよう準備を進めているところであるということを、先般私が沖縄に行った折にも、知事に申し伝えました。こうした一つ一つの手順というものを積み重ねていくということが非常に大事ではないかと思いますし、日米双方ともそれなりの責任はありますけれども、しっかりと合意した事項については誠意を持って、その実現に向けて、最終的には沖縄の負担を全体として軽減していくという重要な役割を我々も担って参りたいと思っております。

A:(パネッタ長官)私は大臣のコメントのみならず、総理、外務大臣のコメントそれぞれに非常にうれしく思いました。3人とも共に環境影響評価書というものを年内に提出すべく準備を進めているということを口を揃えて言われたわけであります。これは、もう既に「2+2」の協議の中において話された内容を遵守し、反映するものであり、しかも予備的な段階として、このプロジェクトをとにかく前進させるための必要な条件が揃うと思います。もう御存じのように2006年に元々、このプロジェクトは遡るわけでありまして、前に進むにあたって非常に多くの時間を要して参りました。しかしながら、本当に、その真の進捗というものが日本の行動を通してもはっきり見ることができると思います。先ほど大臣にも申し上げましたが、アメリカの方も前進するにあたって必要な私どもの責任を遂行し、アメリカの負担軽減を実施するということをお約束いたしました。

Q:今、太平洋地域において、アメリカのプレゼンスを更に増大させるということでありますが、より多くの潜水艦だとか航空母艦、潜水艦をこの地域に送るということでしょうか。

A:(パネッタ長官)先ほども申したように、この地域におけるアメリカのプレゼンスを維持し、太平洋全域における我々のプレゼンスを強化するつもりであります。それをするためにいろいろと検討しているものがあります。その一つは当然のことながら、米軍の兵力の再編であります。そしてまた、普天間の再編問題というのもそれの一環としてあるわけであります。同時に太平洋地域における共同訓練及びその支援で、地域のパートナーに対して提供できるものも再検討し、強化しております。また、この地域における同盟の強化というものを目指しております。ここに来る直前には、ASEANの防衛大臣と会談いたしまして、インドネシアに行ったわけであります。力を合わせることによって、この地域の安全を高めなければならないことを合意しました。それを実現いたします。それに加えまして、当然、プレゼンスも更に大きくしていくわけであります。それに伴って、この地域における我々の能力と機能というものも高める必要があります。太平洋地域のパートナーとともに、パートナーの持っている軍事的な能力というものも同じように高めて、この地域に対して提供する安全措置を強化する上で役に立ちます。このような私どもの太平洋におけるポジションを高めるのみならず、同時にこの地域における他のパートナー国の立場を強化することによって、全員の安全を高めることが可能となる措置があると思います。

Q:パネッタ長官だけにお伺いいたします。現行案について、沖縄県の反発などで実現の見通しが立っていないのですが、来年中に進展について何か具体的な期限を設けて、求めるお考えはありますでしょうか。

A(パネッタ長官):いいえ。環境影響評価書を提出するのも日本政府の責任でありますし、沖縄の状況は日本政府に委ねるつもりであります。沖縄の県民にとりましても日本にとっても、私どもがこの再編で前進するのが役に立つと思います。日本の国益にも適います。かつ、アメリカの国益にも適っております。

Q:日本の最大の武器供給者、三菱重工がサイバー攻撃を受けまして、データが搾取されたわけでありますけれども、今回のものも含めて、どういう懸念をお持ちですか。また、中国によるサイバー攻撃、アメリカ及び日本の防衛施設に対する攻撃の責任をどう思われますか。

A:(パネッタ長官)御承知のように、私はサイバー攻撃一般に対する懸念を既に表明しております。アメリカにおいても他の国においても、サイバー攻撃の件数は増えております。それが懸念の原因となっているわけであります。その意味するところは、とにかく諸国は力を合わせて単に優れた攻撃の手段だけではなく、先手を打った防衛手段だけでなく、さらにそれを阻止するための方法が必要であります。オーストラリアともサイバーの分野において、情報を共有し力を合わせるための協定を締結したばかりであります。今、日本に対しても同じようなアプローチというものを是非とも構築する機会を欲しいと思います。それにより、両国のこの種の攻撃に対する対応能力というものを向上させることができると思います。何カ国も実際にこの問題に関わっている、これは攻撃側でも守り側においても何カ国もいるわけですが、最も重要なのは世界のコミュニティというものが力を合わせることによって、どのようにこの問題に対応するかの基準作りをすることであります。これは懸念でありますし、未来の戦場であります。すべての国が力を合わせることによって、適切にサイバー攻撃に対してこうしなければなりません。

Q:パネッタ長官にお伺いいたします。環境影響評価の次の段階として、沖縄で実際に代替施設の予定地を埋め立てるという作業があります。その埋め立てる作業の申請について、いつか期限を区切ってパネッタ長官はお求めになるお考えはあるのかどうかということと、いつ頃までにやることが望ましいとお考えでしょうか。

A:(パネッタ長官)環境影響評価は今年度に完了することが重要だと申し上げました。またこのプロセスには、他のいろいろなプロセスが関わってくるのですが、できるだけ早期にというのが私の回答であります。

Q:パネッタ長官に対して、リビアに関して質問があります。いわゆるポストカダフィのリビアの状況に関して質問が出たわけでありますけれども、国防総省におきまして、果たして本当に人道支援というものが出されるのかということに関して、医療等の支援ができるのではないかということをお話されました。軍対軍の支援として、リビアにどのような関係となりますか。リビアは米国のパートナーとなるべきでしょうか。どういうものを想定されていますか。

A:(パネッタ長官)前にも申し上げましたが、現在私どもの懸念というのは、できる限り、可能な限りの支援というものを、いわゆる医療の分野において、非常に多くの負傷者に対して提供するということが直近の問題であります。またさらに、いかにしてこの問題を一番よく対応できるか検討中であります。他の課題としてありますのが散在しております既存の武器、それが間違った人たちの手中に落ちる可能性というものもあるわけでありますので、できる限りのことをして、まずどこにそういう兵器があるのか、できるだけ早く確保することが重要だと考えております。三つ目の分野、これは未来への展望ということでありますが、この段階におきまして、まだ大部分の役割はNATOのものになります。NATO内部におきましていろいろな検討がされます。一体このミッションの最後はいつになるべきなのか、いつを持って締めくくるのか、また移行期はいつになるのかということもNATO内で決められることだと思います。リビアの指導者の中からも、NATOがこのような移行時期において、自国の統治ができるまで、NATOが監視して欲しいという要請も出ておりますので、私の方からは、将来の安全保障の関与はNATOの手に委ね、それによりましてまず追加の我々として果たせる役があるか、その段階で決めたいと思います。


以上


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