平成20年度決算検査報告の概要等(防衛省関連)

平成21年11月11日
防衛省

会計検査院の平成20年度決算検査報告において、防衛省関連では以下の内容が掲記されました。 その概要及び当省の対応は、以下のとおりです。

第1.指摘事項

1.不当事項

(1)「職員の不正行為」(不当事項)

(検査の結果)
 航空幕僚監部が資金前渡官吏として米国に派遣していた自衛官が、米国で米軍等による委託教育を受ける自衛隊員等が立替払した食費、宿泊費等の経費を前渡資金で支弁するなどの事務に従事中、平成17年12月から平成19年9月までの間に、米国で開設した自己名義の公金口座で管理していた前渡資金計29,523,857円を、インターネットによるオンライン手続を利用して、同自衛官の個人口座に振り替えて領得した。

(当省の対応)
 今後、同様の事態が生じることがないよう、資金前渡官吏に対し、空幕会第236号(20.8.8)「隊員による会計事故事案について(通知)」の発出及び会議等を通じて法令の遵守等の周知徹底を図るなどの措置を講じた。

2.処置要求事項

(1)「アウトソーシング契約の契約方式及び予定価格の積算について」〔海上幕僚長あて〕(処置要求事項)
(検査の結果)
 アウトソーシング契約に当たり、一般競争契約への移行や競争性の確保が十分に図られていない事態や、予定価格の積算に当たり、標準資料や実例等を適用することについての検討が十分でなかったり、作業の実績を正確に反映していなかったりしている事態は適切とは認められず、是正改善の処置を求める。

(当省の対応)
 海上幕僚監部は、部隊等に対して公共調達の適正化の趣旨に従い、競争性及び透明性を確保するため、一般競争契約を一層推進するよう指導するとともに、予定価格の積算について、予定価格訓令等の規定を遵守するなどして適切なものとするよう指導徹底する。

(2)「有料道路損失補償額の支払について」〔防衛大臣あて〕(処置要求事項)
                                 ※21.10.23公表済
(検査の結果)
 駐留軍が使用した軍用車両有料道路通行証明書(以下、「通行証」という。)において、発行責任者の署名及び官職等の必要事項が記載されていなかったり、レンタカーで休日等に使用されていたりしているのに、記載状況の確認や、駐留軍に対する事実確認の照会等の調査が十分行われず、「公の目的」のために使用されたものであることなどが確認されないまま補償額が支払われている事態は適切ではなく、改善の処置を求める。
(当省の対応)
 地方防衛局等においては、通行証に記載漏れはないか、発行責任者は適切か等を十分確認する。
 米側に対しては、今後、記載事項に不備のある通行証が使用されることがないよう、「公の目的」のために使用されているか等を確認するため、引き続き、その調査確認体制の整備等について調整する。

(3)「調達した装備品等の不具合調査及び瑕疵処理について」〔航空幕僚長あて〕(処置要求事項)
(検査の結果)
 先行の不具合通報により複数個の不具合が報告された時点では瑕疵担保期間内であったが、直ちに不具合調査が行われなかったために瑕疵担保期間経過後に不具合が発見され、瑕疵処理が行えないこととなっていた装備品等が19品目(物品管理簿価格1億3688万余円)見受けられた。
瑕疵担保期間内にある在庫品等に対して重点的、優先的に不具合調査を実施することとする具体的な処理基準を定めるなどの所要の措置を講じ、もって装備品等の効率的な管理運用を図るよう改善の処置を要求する。

(当省の対応)
 航空自衛隊物品管理補給手続の改正(平成21年9月2日付)により補給検査体制のさらなる適正化を図り、経済的かつ効率的な不具合物品の処理に努め、もって、装備品等の品質確保を図る。

3.処置済事項

(1)「軽装甲機動車を巡回点検する技術援助役務契約の実施に当たり、巡回点検の対象車両数を必要最小限のものとしたり、点検項目を削減したりすることにより経済的なものとするよう改善させたもの」(処置済事項)
(検査の結果)
 巡回点検により今後の参考となる事項や異常が発見された例がほとんどないのに全納入台数に巡回点検を実施していたり、巡回点検と予防整備の点検内容が重複して実施していたりする事態は適切ではなく、是正改善を図る要がある。
(当省の対応)
 陸上自衛隊としては、会計検査院の指摘を踏まえ、軽装甲機動車は過去5年間の点検実績での異常の確認が少ないこと、構造及びシステムが簡素であり民生品を多用していること、他の戦闘車両に比べ可動率が高く、戦力発揮可能な状態を維持できている等総合的に判断し、厳しい予算環境下、費用対効果を検討した結果、対象台数及び点検項目の見直しの措置を講じた。

 (2)「航空機の機体及びエンジンの定期修理作業の役務請負契約に係る社外購入部品について、航空補給処が商社等から購入して官給することにより、経済的な調達を図るよう改善させたもの」(処置済事項)
(検査の結果)
 定期修理作業の役務請負契約に係る社外購入部品(修理会社が商社等から購入した部品)について、補給処が商社等から購入して官給すれば経済的な調達が可能となるものがあるのに、官給困難品として指定し、修理会社に購入させている事態は適切ではなく、改善の必要がある。
(当省の対応)
 海上幕僚監部においては、航空補給処に対し経済的調達を図るよう周知徹底した。航空補給処においては、官給困難品指定に関する手続を制定及び関連文書を発出した。

(3)「陸上自衛隊における即応予備自衛官の訓練の実施に当たり、訓練招集命令の発令を適切に行わせることなどにより、即応予備自衛官手当の支給が効果的なものとなるよう改善させたもの」(処置済事項)

(検査の結果)
 陸上自衛隊の多数の部隊において、即応予備自衛官に対し年間30日の訓練招集命令書を交付することが徹底されていなかったり、訓練招集命令を取消すための正当な事由に当たるかどうかの検討が十分でないまま一度発令された命令を取消したことにより、これらの者に対して、訓練招集に応じた日数が不足していて、必要な練度の維持に支障が生じたり、即応予備自衛官手当が継続して支給されていたことから、即応予備自衛官手当の支給を効果的かつ公平なものとする視点等から適切とは認められず、改善の必要がある。
(当省の対応)
 即応予備自衛官手当の支給が適切に行われるようにするため、平成21年9月に陸上幕僚長より各方面総監等に対して通達を発するなどにより、即応予備自衛官の業務を次のように改善した。
(ア)指定部隊における命令書交付状況を把握するとともに、年間30日の訓練招集命令書の交付を徹底させた。
(イ)訓練招集命令を取消すことができる正当な事由の判断基準を明確化して、命令の取消しを適確、厳正に行わせ、指定部隊等に対して、判断基準に照らして正当な事由なく命令に応じない場合には不出頭として取り扱い、手当を支給しないことについて周知徹底を図った。
(ウ)訓練への出頭状況等に関する指定部隊と地方協力本部の間の連絡、調整要領を具体化して、地方協力本部に対して即応予備自衛官が雇用企業等において訓練招集等に応じやすい環境を整備することについて周知を図った。

(4)「航空自衛隊において、修理の上使用することが見込まれる物品について、不用決定等の処分を保留する処置に係る手続を定めることにより、再利用の徹底を図るよう改善させたもの」(処置済事項)

(検査の結果)
 非修復性品目であるF−15戦闘機用コントロール・アッセンブリ・ピッチ・スタビライゼーション(以下「コントロール・アッシー」という。)を修復性品目に区分変更する検討を行っている間は、定期交換等により取り下ろしたコントロール・アッシーは不用決定手続をせずに要修理品として第2補給処に返還するよう処分保留の処置を執っていたにもかかわらず、4基地等において合計13個のコントロール・アッシーを不用決定し廃棄していた事態は、その修理の機会を逸失していて適切でなく、是正改善を図る必要がある。

(当省の対応)
 平成21年8月に、部内規則を改正し、処分保留に係る手続を制度化するとともに、航空幕僚監部から処分保留の処置の手続の明確化について留意するよう航空自衛隊補給本部に対応を指示した。

第2. 過年度の決算検査報告において処置を要求した事項の結果

(1)「廃電池の管理について」

(平成19年度決算検査報告掲記、処置要求事項、海上自衛隊補給本部長あて)
(処置要求の概要)
 基本計画に定めた5ヶ年分の官給所要量を超えて廃電池を保管していて、廃電池の売り払いが行われていない事態は、国の資産の効率的な活用の面から適切でなく、是正改善の処置を求める。
(処置状況)
・ 深海救難艇及び人員移送用カプセル用の廃電池については売払いを実施した。
・ 魚雷用廃電池については、官側と応札業者との間で銀の回収可能量の見積に差があるため入札価格が折り合わないことにより、銀回収可能量の調査を実施中。
・ 本年中に廃電地の中期的な処分計画を策定するなどして、平成22年以降、処分の促進を図る。

(2)「部隊発注工事により取得した財産の国有財産台帳等への記録について」

(平成19年度決算検査報告掲記、処置要求事項、海上幕僚長あて)
(処置要求の概要)
 新たに財産を取得しているにもかかわらず、国有財産法等に従った記録が行われていない事態は適切でなく、是正改善の処置を求める。
(処置状況)
・ 国有財産台帳等に未記載の国有財産等を国有財産台帳等へ記録した。
・ 関連通知を発し、国有財産台帳等への正確な記録が確実に行われるよう研修等を実施、部署間の連携を図る協議手順等を制定した。
(3)「専用サービス契約における高額利用割引の適用について」

(平成19年度決算検査報告掲記、処置要求事項、防衛大臣あて)
(処置要求の概要)
 NTT各社との専用電気通信回線を使用するサービス(専用サービス)契約の高額利用割引について、各自衛隊毎割引を受けるよりも防衛省全体で割引適用を受ければ、使用料のうち専用料をより節減することが可能であり、是正改善の処置を求める。
(処置状況)
 平成21年4月以降、防衛省全体で高額利用割引適用を受けられるよう手続を執るとともに、同年6月に事務連絡を発し、今後新規に専用サービスを申し込む場合には、申込者を防衛省として申し込むことにより、防衛省全体で高額利用割引の適用を受けることとする処置を講じた。
(4)「陸上自衛隊の会計業務システムの運用について」

(平成19年度決算検査報告掲記、処置要求事項、陸上幕僚長あて)
(処置要求の概要)
 陸上自衛隊が導入した会計業務システムについて、多くの会計隊で統一ソフトウェアを使用していなかったり、サーバに会計業務データが蓄積されていなかったりしていて活用されていないため、是正改善の処置を求める。
(処置状況)
 陸上自衛隊は、システムの必要性の再検討を行い、会計業務端末等17台を平成20年度で撤去したほか、関係規則を改正し会計業務システムの有効活用を図った。

第3.国会からの検査要請事項に関する報告

(1)「防衛装備品の商社等を通じた輸入による調達について」(20.6.9参議院検査要請)
                                  ※21.10.14国会報告済
(検査要請の内容)
(ア)検査対象
防衛省
(イ)検査の内容
@ 一般輸入を含めた防衛装備品調達全般の状況
A 一般輸入による調達の契約方法、契約手続、予定価格の算定などの状況
B 一般輸入に係る過大請求事案の状況及びこれに対する防衛省の対応策の実施状況

(検査院報告の概要)
 今後の防衛装備品の一般輸入調達に当たっては、以下の点に留意が必要
(ア) 競争性が十分でないために不経済な調達となることのないよう、代替可能な製品の確認等により、競争性を拡大
(イ) 商社等に対する輸入調達調査等において、商社等と外国製造会社等との間の契約に基づく業務内容及びそれに対する対価の授受の状況や品代の内容の状況把握に努め、価格算定に適切に反映
(ウ) 輸入調達調査及び現地商社等調査において、商社等及び外国現地法人等の業務内容を調査の上、その実態を把握し、外国現地法人等が設定した価格の妥当性を検証
(エ) 米国その他の各国における同種装備品等の調達実績について、一層、正確な情報収集を期すなどにより、適切に調達
(オ) 過大請求事案の速やかな処理
(カ) 外国製造会社発行の価格等証明資料の真正性確認等の着実な実施

(当省の対応)
 今後留意すべきとされた点について、防衛省としては、平成20年度より各種施策を既に実施しているところであるが、今般の会計検査院の所見を踏まえ、今後とも各種施策を促進することにより、価格妥当性の検証及び速やかな過大請求事案の処理に努める。

(2)「各府省所管の公益法人の財務等の状況について」(20.6.9参議院要請事項)
※21.10.14国会報告済
(検査要請の内容)
(ア)検査の対象
防衛省ほか11府省
(イ)検査の内容
各府省所管の公益法人について
@ 財務、特に内部留保の状況、 A 国が発注している調査研究事業の状況

(検査報告の概要)
 各府省は、公益法人に対する国等の支出が経済的・効率的に行われ、効果が十分上がるよう努める必要がある。
〔防衛省所管法人関連の掲載事例〕
(ア) 内部留保額算出上、減算項目とした公益事業基金の妥当性に疑義あり。((財)防衛施設周辺整備協会)
(イ) 契約書等に著作権に関する規定なし。((財)防衛施設周辺整備協会)
企画競争の結果を仕様書に反映させるべき。((財)平和・安全保障研究所)
(当省の対応)
 所管公益法人に対し引き続き適正な指導監督を行って行くとともに、契約の経済性、透明性等の更なる向上に努める。


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