会計検査院の報告内容

平成20年11月7日

 平成19年度決算検査に係る会計検査院の決算報告について、会計検査院の指摘に基づき改善の処置を講じた事項等、防衛省関係で以下の内容が報告されました。
 その概要及び当省の対応は、以下のとおりです。

会計検査院の報告内容

1 「米軍普天間飛行場の代替施設の建設に伴う地質調査及び海象調査の技術業務委託契約において、支出負担行為をすることなく追加で業務を実施させるなどしていて、会計法令等に違背しているもの」
(不当事項)

(検査の結果)
 沖縄防衛局(当時は那覇防衛施設局)において、地質調査及び海象調査の技術業務委託契約の執行に当たり、普天間飛行場代替施設建設に反対する地元住民等の阻止行動への対応のための追加業務の経費が予算額を超える事態となっていたにもかかわらず、増額の予算措置を講じていなかったり、支出負担行為の実施計画について財務大臣の変更承認を経ていなかったりしていたのは、会計法令等に違背した取扱を行っていて、不当。

(当省の対応)
 防衛省としては、引き続き普天間飛行場代替施設に係る建設事業を推進していくことから、今回の指摘を真摯に受け止め、今後、同様な事態が生じることがないよう沖縄防衛局の職員の増員を含む業務体制の強化・充実を図るとともに、事務次官通達の発出及び研修等を通じて会計法令等の遵守の周知徹底を図るなどの措置を講じた。

2 「所要量を大幅に超えて保管している廃電池について処分計画を作成するなどして売り払うよう適宜の処置を要求したもの」
(処置要求事項)

(検査の結果)
 基本計画に定めた5ヶ年分の官給所要量を超えて廃電池を保管していて、廃電池の売り払いが行われていない事態は、国の資産の効率的な活用の面から適切でなく、是正改善の処置を求める。

(当省の対応)
 現在、保管している廃電池の売り払いについては、関係部署において、より一層の連携を図ることにより計画的に実施していくこととした。なお、平成20年9月16日に、保管している廃電池の一部について売り払い契約が成立したところである。

3 「部隊発注工事により取得した財産を国有財産等に正確に記録するよう適宜の処置を要求し、適切な財産管理を行うために国有財産台帳等への正確な記録が確実に行われる体制を整備するよう是正改善の処置を求めたもの」
(処置要求事項)

(検査の結果)
 新たに財産を取得しているにもかかわらず、国有財産法等に従った記録が行われておらず、その結果、国有財産報告書等が財産の現状を正しく反映したものとなっていない事態は適切でなく、是正改善の処置を求める。

(当省の対応)
 早急に国有財産台帳等への記録を行うとともに、今後、財産管理に関する部隊等の認識を更に高め、関係機関等の連携を強化し、より適正な財産管理を促進するための通知等の発出、部隊等の担当者会議での教育・指導等を実施する。

4 「専用サービス契約において、すべての専用回線を共通の回線群に指定して高額利用割引の適用を適切にするよう是正改善の処置を求めたもの」
(処置要求事項)

(検査の結果)
 NTT各社との専用の電気通信回線を使用するサービス(専用サービス)契約における高額利用割引について、各自衛隊毎に割引を受けるよりも防衛省全体で割引の適用を受けることとすれば、使用料のうち専用料をより節減することが可能であり、是正改善の処置を求める。

(当省の対応)
 更なる専用サービス使用料の経費削減を行うため、NTT各社と調整を行い、高額利用割引の適用について見直しの検討を行う。

5 「会計業務システムの運用に当たり、システムを使用して行う会計業務を明確にするなどして、システムの有効活用を図るよう是正改善の処置を求めたもの」
(処置要求事項)

(検査の結果)
 陸上自衛隊において導入した会計業務システムについて会計業務端末を導入している多くの会計隊では、統一したソフトウェアを使用していなかったり、サーバに会計業務データが蓄積されていなかったりしていて、活用されていないため、是正改善の処置を求める。

(当省の対応)
 平成20年度中に会計業務システムを使用して行う会計業務を規定するとともに、ソフトウェアの使用について指導を行い、会計業務システムの活用を図る。

6 「陸上自衛隊における給食の実施に当たり、方面隊ごとに定められた糧食費の定額の範囲内で行うことを明確にすることなどにより、糧食費の執行を適切に行うよう改善させたもの」
(処置済事項)

(検査の結果)
 陸上自衛隊の4方面隊において、方面隊ごとに当年度配布予算額等の範囲内で定められた定額に基づく総使用可能額を超過して糧食費を使用して、営内者等に対して食事を支給している事態は適切とは認められず、改善の必要がある。

(当省の対応)
 陸上幕僚監部は、平成20年9月に各方面総監部等に対して通達を発して、糧食費の執行に当たっては、総使用可能額の範囲内で行うことを明確にするとともに、定額管理を適切に行うよう周知徹底するなどの処置を講じた。

7 「海外を納地とする艦船用燃料油の調達において、契約相手方の取引実態に応じた為替レートを適用するなどして精算する仕組みを採用するよう改善させたもの」
(処置済事項)

(検査の結果)
 艦船用燃料油の調達に当たり、精算時において、契約相手方の取引の実態に応じた為替レートを適用して精算する仕組みが十分でない事態や、入札時等における為替レートの条件により、契約の透明性及び競争性が確保されていない事態、また、諸費用について価格の適正性を担保することが困難となっている事態は改善の必要がある。

(当省の対応)
 平成20年8月からの契約において、入札時等に用いる為替レートを指名企業に提示する仕組みを設けるとともに、精算に関する新たな特約条項を定め、為替レートの適用については、契約相手方の取引実態に応じて精算を行い、諸費用については、競争契約で締結した場合においても精算の対象とするなどの処置を講じた。

8 「航空自衛隊の補給処で保管中に有効期限が超過した救難機等搭載用の救難火工品等を訓練用として有効活用することにより、効率的な運用が行われるよう改善させたもの」
(処置済事項)

(検査の結果)
 救難火工品等を使用する救難隊等においては、技術指令書に基づき、有効期限が切れたものも安全性確認試験を実施し、部隊等の長が使用を認めたものは、訓練用として引き続き使用している。しかし、同一の製造ロットで製造された救難火工品等であるにもかかわらず、補給処支処で保管したまま有効期限が切れたものについては、訓練用としての使用を検討することなく廃品としている事態は適切でなく、改善の要がある。

(当省の対応)
 有効期限の管理及び一層の計画的かつ有効な使用を図るため、救難火工品等の使用有効期限を超えた場合の取扱いに関する業務処理要領を定めるなどの処置を講じた。

9 「進展のめどが立たない送信所の建設事業について、建設を中止するなど適切な対応策を講ずるよう改善させたもの」
(処置済事項)

(検査の結果)
 対潜戦作戦センター(ASWOC)用送信所については、沖縄県国頭郡本部町を適地として選定し、昭和63年度から用地の買収又は借上げを行い、平成19年度末時点で全体の約96%を取得等しているが、地元の建設反対の姿勢や抗議活動等のために建設のめどが立っておらず、取得等した用地が長期間にわたり遊休していて投資効果が発現していない事態は適切でなく、改善の必要がある。

(当省の対応)
 今般、本部町から、送信所用地をアセロラ生産拠点施設や観光農園などに利用したいとの要請を受け、省内で検討した結果、町の振興計画にも配慮し、平成20年6月に本部町における送信所建設計画の中止を決定し、同年7月に地元自治体等に対して建設中止について説明するとともに、本部送信所建設計画に係る予算要求を行わないこととするなどの処置を講じた。

10 「住宅防音工事の助成事業の実施に当たり、工事施工の直前に転入した者が含まれている助成に関する審査等の手続を見直すことにより、事業が適切に実施されるよう改善させたもの」
(処置済事項)

(検査の結果)
 防音工事の助成を受けるに当たって、工事対象居室数を増やすために意図的に住民を転入させている不誠実な補助事業者が存在する可能性を排除し得ず、他の補助事業者との公平性の面、また、工事希望者が多数待機する中、限られた予算の効率的な執行の面からも適切でなく、改善の必要がある。

(当省の対応)
 平成20年3月に、補助金の交付要綱等を改正して、防音工事の助成事業に関する審査等の手続を見直すとともに、各防衛局長等に対して、通達等を発して、世帯人員の確認を適切に行うこととするなどの処置を講じた。

11 「防衛装備品の一般輸入による調達について」
(国会からの検査要請事項に関する検査状況)

(検査の状況)
ア 防衛省は、商社等との契約について、一般競争の拡大を図っているが、商社等は外国製造会社の日本国内販売権を有する場合が多いため、一般競争に参加できる他の商社等が少なく、1者応札や不落随契となる契約が多数あり実質的競争が行われていない状況が見受けられたことから、一般輸入調達について一般競争契約の競争性を高めるための方策等について引き続き検査を実施。
イ 契約相手方から徴取する価格を証明する書類については、外国製造会社以外が発行するものも見受けられたことから、防衛省に提出される見積書の妥当性の検証方法等について引き続き検査を実施。
ウ 米国政府が装備品の国防省価格等を公表しているウェブサイト(=ウェブ・フリス)は、一つの情報源であるが、国防省価格と比較するだけでは直ちに防衛省調達価格の妥当性を判断するのは困難なことから、ウェブ・フリスの有効な活用方法について引き続き検査を実施。
エ 防衛省は、過大請求事案の調査を継続して、一般輸入調達問題に対する対応も執っていることから、これらの実施状況について引き続き検査を実施。

(当省の対応)
 防衛省としては、一般輸入調達に係る過大請求等の事案が発生したことは極めて遺憾であり、防衛調達の公正性、透明性に対する国民の信頼を回復するため、引き続き徹底した調査を実施し、過大請求事案の全容解明に努力する。  また、会計検査院の所見を踏まえ、総合取得改革推進プロジェクトチームの報告書に記載された各種施策を進めることにより、過大請求事案等の再発防止、競争性を高める方策の実施及び価格妥当性の検証などに努める。

12 「任期制自衛官の退職手当制度について」
(決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果)

 防衛省では、任期制自衛官の退職手当の算定に当たり、育児休業等により職務に従事しない期間について、任期満了の退職手当から除算することとなどを内容とする「防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案」を作成した。同法律案は第168回国会(臨時会)に提出された。
 なお、防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律(平成19年法律第124号)は、19年11月30日に公布されて、本件の除算に関する規定については、20年1月1日に施行された。

13 「着後手当の支給について」
(決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果)

 防衛省所管旅費取扱規則(平成18年防衛庁訓令第109号)及び防衛省所管旅費取扱規則の運用について(防経会第53号。19.1.4)を改正し、着後手当の支給に当たり、旅館等の宿泊の実態が無く、実費の伴わないものについては、減額調整を行うこととした。

14 「営内自衛官が居室内で私的に使用する電気器具に係る電気料金の負担について」
(決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果)

 基地内に居住する隊員の電気料金負担について(通達)(空幕人計第184号例規20.7.31)の制定及び航空自衛隊基地服務規則(平成5年航空自衛隊達第6号)等の一部改正により、私物の電気器具に係る電気料金を当該使用者に負担させるなどの処置を講じた。


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